涼宮ハルヒの直観 谷川流著 角川スニーカー文庫(2020年11月発行)
買ったのは確かに2020年11月25日。そう、発売日当日でした。発売情報が出たその日に、独立している娘と同居している娘の二人からほぼ同時にメールでお知らせが来て、その後初回限定とか、店舗の独自特典とか調べたうえで、今回は何もないとなったので、近所の書店で買いました。
今はやりのビニール梱包がなされていて、中身も空けないままニタニタしながら「次読む本棚」に並べ、そして半年・・・。
決して忘れていたのではなく、あまりに早く読んでしまうと、その後の「ハルヒロス」がまた長くなるなぁ、とためらっているうちに、半年・・・。
今回、ちょうど読みたい本が尽きたので思い切って開いてみました。
内容は短編・中編・長編の3篇です。短編はSOS団が初詣に行くおはなし。中編はハルヒがいない間に他のSOS団の面々が、彼女が満足しそうな学校の七不思議を創作する話(一人新キャラが登場します)。そして長編はその新キャラも交えて、SOS団顧問である鶴屋さんがメールで出題するミステリクイズに挑戦する話です。
どれも面白かったのですが、ハルヒシリーズが持っている「日常の中に紛れ込む非日常感」という点では薄いというか、物足りなかったです。それと、イラストは今まで同様「いとうのいぢ」さんなのですが、ちょっと雰囲気が変わっていました。久しぶりだからでしょうか。それとも自分の勘違いなのでしょうか。
あえて内容をピックアップするとしたならば、短編のラストシーン(最後の数行)はいいですね。ハルヒとキョンの二人の物語であることを再認識させられました。
中編ではほぼ、キョンと古泉がしゃべりっぱなしです。合間合間に朝比奈さんが口を挟むのがなんともはや。メイド姿が目に浮かぶ。長門は相変わらず本読んでいます。
長編ではいきなり本格的な推理小説談義から始まります。そして話題はクイーンに絞られていきます。談義は長編ででてきた新キャラ(海外からの転校生)と古泉との間で繰り広げられます。
そのうち、鶴屋さんから計3通のメールが届き、それぞれのメールに隠された謎をSOS団+1名で解いていきます。謎の内容はともかく、ミステリとしてはかなり本格的な仕上げになっていました。いくつか推理(というより予想)しながら読んでいきましたが、最終的にはすべてひっくり返されてしまいました。
さあ、次はいつ読めるかな。ゴリゴリのSFがいいなぁ。
そういえば初回限定が一つあり、初回生産分はカバーがリバーシブルになっていました。ワクワクしながらひっくり返したら背表紙が赤かった。本当にそれだけでした。