映画監督になろう! roll.2
さてと。アポ取りした翌日。履歴書を持って、指定された都内某所にある事務所に向かう。
当時は電車賃節約のため、自転車移動が主だった。アパート近くのスーパー以上、ホームセンター未満、みたいな地域密着型の小型店舗で購入した折りたたみ自転車。
ヨシ、これならいつどこでも折りたためるし完璧や!
余談だか、この自転車(のちに青いイナズマ号と命名)が廃車になるまでの5年の間に折りたたまれることは無かったといふ、、、
閑話休題。履歴書持参の田舎者がたどり着いたのは小さな雑居ビルだった。
面接をしてくれたのは、電話応対してくれた先輩助監督。
会話内容は覚えてないけど、いつから動ける?別にいつでも大丈夫です!で、全て終わった。
次に気付いた時には翌日のロケの準備を手伝っていた。
田舎者はとにかくテンションが上がっていた。
なんだ!映画業界の入口なんて意外と近くにあるもんなんだ!ヤッター!撮影現場だ!ロケだ!憧れたスクリーンの裏側だ!
田舎者は浮かれていた。そして、今ならわかるけど、一応働いくならおそらく一番最初に確認しなければいけない大事なことがいくつも抜けていた。
即ち。そもそもワシこれでいくらお金もらえるの?お休みはいつ?
ちなみに先に結論から言うとどっちも無かったワケで。
まあ、でも浮かれていた田舎者にはそんなことは些細なことだった。
のちのボス、事務所のヌシ、大御所映画監督に出会うのはこの直ぐあとだった。
つづく