タイトルの話しのフォントのところ【第3章動画教材の編集】
タイトルというのはつまるところ「文字」です。
文字というのは読めなくてはいけません。
でも映像に文字を重ねると、読みにくいことも多々あるんですね。
タイトルの色は?
タイトルは読みやすいにこしたことはありません。
そのためには、タイトルと背景になる映像のコントラストが大切です。
たとえば、背景が真っ白な砂浜だとしたら、その上に白い文字を重ねたら、たぶん読めません。
同じように夜の風景の上に黒い文字を重ねたら読めないでしょう。
では、タイトルはその場その場で背景の映像の色味に合わせて変えたらいいのか?
それだと、全体の統一感がなくなってしまいます。
タイトルの色は統一するべきです。
一番無難なのは「白」、ついで「黒」です。
もし無彩色ではなくて色味をつけたいのなら、一番無難なのは「青」です。
私は説明タイトルなどはほぼ「白」を使っています。
可読性を上げるための工夫
白は明るい背景に重ねると読みにくいことが多いので、素の白い文字を使うことはほとんどありません。
白をベースとして、どんな背景に当てても読みやすくする工夫は何かというと、だいたい次の3つを使っていることが多いです。
文字に縁をつける(エッジ、くくり文字)
たとえば、白い文字であっても黒い縁(エッジとか、ストロークとか呼ぶこともあります)をつけると、ほぼどんな背景に当てても読めなくなることはありません。
文字に影をつける(ドロップシャドウ)
白い文字でも影をつけると、読みやすくなります。
影はいろいろな色をつけることができますが、基本は黒の半透明でしょう。
影の縁をぼかすと自然に見えます。
ただし、縁つき文字より明瞭度では劣ります。
縁つき文字が嫌いで、影つき文字が好きな人もいますが、個人の好みだと思います。
これらの工夫をすると読みやすくなるのですが、問題は背景の映像にごちゃごちゃと細かい模様が入っていた場合です。
その上に文字を重ねざるを得なくなると、文字の明瞭度は高いのに、可読性が低くなります。
要はごちゃごちゃとした背景に紛れて、読みにくいのです。
そういう時には
文字に四角い色の背景をつける
文字の後ろに四角形の図形を置くわけです。
図形の中に文字が入りますので、一挙に読みやすくなります。
しかし、その分背景の映像が隠れる部分も多くなります。
このことを映像制作業界では「座布団」と呼んでいます。
文字が座布団を敷いて座っているイメージでしょうか。
座布団を敷くと文字は読みやすいのですが、文字の周りが囲われますので、映像が見にくかったり、別のエリアのように見えてしまいます。
そこで、座布団の部分の不透明度を下げる。
つまりは、半分透けるくらいにすると、背景の映像との馴染みが良くなります。
フォントの使い方
次は字体の話です。
大きく分けて字体には3つの系統があります。
ゴシック体
文字の太さがどこの部分もだいたい一定の太さになっている字体です。
読みやすいのでタイトルによく使われます。
末端の処理の仕方で角ゴシック体と丸ゴシック体に分かれます。
角ゴシック体はカチっとした感じでビジネスライク、丸ゴシックはやさしい感じに見えます。
ゴシック体という字体は決してひとつではなく、いろんなニュアンスを加えたフォントがあります。
明朝体・教科書体
横棒が細く、縦棒が太くなっていて、筆文字のようなニュアンスを加えたものが明朝体です。
書籍の本文などにはよく使われる字体で白地に黒の場合は読みやすいのですが、細い部分があるので映像に重ねるのは比較的合わない字体です。
アナログ編集の時代は、横棒が消えてしまうという理由で使われませんでしたが、デジタルの時代になって使われることも多くなりました。
横棒の細い部分が消えてしまうことはなくなりましたが、やはり存在感がゴシックほどではなく、読みにくく感じることもあります。
そこで、よく似ているが横棒が明朝体よりは太くできている、教科書体という字体が代わりに使われることもあります。
デザイン文字
さまざまなニュアンスを加えた字体が存在します。
これらは、一般的な説明テロップや字幕タイトルには不向きですが、バラエティ的な狙いだったり、メインタイトルに限って使われたりすることがあります。
フォントの追加のしかた
多くの動画編集ソフトは、OS(WindowsやMac OS)にインストールされているフォントをそのままタイトルに使用できるようになっています。
ですから、フォントを追加すれば使える字体が増えます。
フォントには有料のものもありますが、無料で提供されているフォントも数多くあり、インターネット上で公開されています。
見つけるには「フリーフォント」というキーワードで検索してみてください。無料フォントを提供しているサイトをまとめたページなどがヒットすると思います。
マイフォントを作ろう
たとえば私は、「やさしさゴシック」「やさしさゴシックボールド(太字)」という二通りの字体を動画教材の編集の際にはよく使います。
文字通りのゴシック体フォントなのですが、ビジネスライクな他のゴシック体にくらべてややルーズめで、優しさを感じるフォントなので気に入って使っています。
いわば自分の定番のフォント、マイフォントを持つと、動画教材の画面に自分の個性が反映されて、どの画面を見ても自分が作ったものだ、ということがわかります。
皆さんもぜひ、いろんなフリーフォントを見てみるようにしてください。
気に入ったフォントがあったら、それをマイフォントにしてみるといいでしょう。
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