ChatGPTに動画の企画をさせようと、いろいろと実験してきてわかったことがある
ChatGPTはいくらでも案を出してくるが、注目すべきアイデアはなかなか出てこない
とくに文章ベースのAIなので、ビジュアル案というものを考えるのが苦手
人間がリードしてやることによって、ChatGPTの力を最大限に発揮できるのではないか、というのが今回の仮説
ここまでの実験
やはり人間がリードする必要がある
ここまで実験してきて思ったのは、適切に人間がリードしてやれば、企画ワークにもChatGPTの力を最大限に活かせるのではないかということ
ここまでは、ほとんど司会進行的な発言しかしてこなかったが、今回は積極的にリードするようにした
基本ベースは対談形式で行った前回のプロンプトに手を加えたものだ
創造的な人格アンジェラと、批判的な人格デモーナに、三人目の人格ピクトリアを追加して行う
その他は前回と同じ
プロンプトはこう
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あなた:
下記の商品の販促動画を企画している
下記のペルソナ(理想の受講生像)の悩み・願望をとらえて、売れる販促動画を作りたい
《商品についての情報》
家庭用ミニ水耕栽培キット「UrbanGreen」
商品名: UrbanGreen
商品概要: スマートフォンで管理できる、インテリアに馴染むコンパクトな野菜・ハーブ栽培システム。LED照明と自動水やり機能搭載
価格: 18,500円
ターゲット: 都市部の集合住宅在住、料理好き、健康志向の20-40代
《ペルソナについての情報》
佐藤 健太(さとう けんた)
年齢: 35歳
性別: 男性
職業: 建築設計事務所勤務
家族環境: 妻と5歳の娘と同居
趣味嗜好: 環境保護、サイクリング、DIY
バックストーリー: 環境に優しいライフスタイルに関心が高く、娘に自然の大切さを教えたいと考えている。都市部の狭い住居でも、家族で野菜やハーブを育てることに興味を持っている。
《ペルソナの抱える悩み・願望》
1. 娘との関係性への不安
- 仕事で忙しく、娘との質の高い時間が取れていないことへの深い罪悪感
- 娘の好奇心や学ぶ意欲を十分に育めていないのではないかという恐れ
- 将来、娘との心の距離が遠くなることへの潜在的な恐怖
2. 社会の中での自己アイデンティティへの葛藤
- 建築設計という仕事に対する社会的評価と、個人的な価値観との間のギャップ
- 「良い父親」「良い社会人」であることのプレッシャー
- 自分の本当の価値を、仕事以外の場面で示したいという切実な欲求
父娘のコミュニケーション深化ツール
毎日の水やりや野菜の成長観察を通じて、娘と継続的で質の高い時間を共有できる
自然の生命サイクルを一緒に学ぶことで、教育的な対話が自然と生まれる
共同作業による達成感を通じて、父娘の絆を強化できる
5歳の娘の好奇心と学習意欲を、具体的で楽しい体験として育むことができる
3人の人格を作って、会話しながらこの商品の販促動画の企画をします
人格1. アンジェラ
クリエーティブな人格
常に新しいアイデアを考えて、提案する
明るい性格、ハキハキした口調
マーケティングや動画クリエーティブ以外にも、ファッションや子育て、心理学などさまざまな分野に興味がある
常に前向き
人格2. デモーナ
批判的な人格
アンジェラなどの発言を考えて、批判を行う
大人しい性格、マイルドな口調
心理学、行動経済学、美学、哲学的な思考を行う
常に内省的
人格3. ピクトリア
映像アーティスト的な人格
さまざまな映画、ドラマ、MVなど映像表現に興味がある
ディスカッションの内容から思いついた映像表現アイデアのみを案出する
突拍子もないことを考え、ときに脈絡もないアイデアを出す
ラフでフランクな口調
常にアグレッシブ
これに、ユーザーである私が参加する
- 各参加者は順番に発言し、アイデアを出します。
- 参加者の発言の前に、誰の発言なのかわかるように名前を表示してください
例 【アンジェラ】私が考えたのはですね
- 他の参加者のアイデアに対してコメントや質問をすることができます。
- アンジェラは常に新しいアイデアを提案し、デモーナはそのアイデアを批判します、ピクトリアはアイデアに対する映像表現のみを発言します
- 各参加者の発言がすべて一巡したら、私に発言を求めてください
それでは私から発言します
この商品の販促動画にふさわしい映像のアイデアを教えてください
とにかく話がとっ散らかる傾向があるので、今回は映像アイデアに限定して考えさせる
でもやっぱりストーリーから始まった
ところが、出てきた会話はこう
「結局ストーリーかよ!」と思った
今はストーリーはどうでもいい
最初のツカミとなる映像のアイデアがほしい
軌道修正をすべく、このように発言した
ようやく映像アイデアを語りだした
ようやく、映像のアイデアを考え始めた
このアイデアの良し悪しはともかく、軌道修正はできたみたいだ
ちょいちょいアイデアを入れていく
そこで、さらに修正するために発言をする
ほっとくと、商品周りの映像ばかり考えそうなので「子ども」というキーワードを入れてみた
少し映像ベースでのブレスト風になってきた
これも良し悪しではなく、そっち方向に修正できたことが大事
さらに、少しずつアイデアを入れていく
どうしてもChatGPTの考えるのは、商品が使われる場所である家庭内に限定されていた
そこでさりげなく「農場」というキーワードを滑り込ませた
ここで出てきたのは「家の中だけど農場っぽい」というキーワード
これくらい誰でも考えつきそうなアイデアではあるが、ChatGPTはここまで導いてやらないと自分では考え出さない
方向性を固定してやる
ここで、いちおうメインアイデアが出たということにして「家の中だけど農場っぽい」をビジュアルコンセプトにすることにした
ここまで映像アイデアに特化して考えさせてきた結果、シーン単位で考えてくれるようになった
演出を考えさせてみる
そこで、こんな発言をしてみた
シーンは「家のリビング」に固定して、その場で「家だけど農場感」を演出するにはどうしたらよいかを考えさせてみたわけだ
ここで小道具や装飾を考えさせたのは、ひとつのシーンを作るための要素が必要だったから
場所はリビングなので、普通に作ったら当たり前のシーンになってしまう
そこで、家族が自分たちで「家だけど農場感」を演出している、という設定
そこで冒頭シーンを考えさせてみた
冒頭5秒というのは、ネット動画ではツカミとして大切な部分
ここで魅力的にしないと、視聴者は離脱してしまう
どうしてもChatGPTは言葉ベースで考えてしまう
映像を頭に思い浮かべてはいない
だから、こういう映像を作るうえでの軌道修正はどうしても必要だ
誰がまとめているのだか判然としないが、まとめ案まで出てきた
映像イメージをまとめさせる
とにかく、まとめに入ることにした
英語ベースで考えているから「Farm Day」という黒板などは仕方ない
ただそれが農場感につながっているかどうかは、人間が検証を加えてやる必要があるかも
とりあえず、冒頭5秒の映像案を作るところまできた
絵にさせてみる
絵を描かせてみると、こんな画像が出力された
引き過ぎのアングルもあるが、普通のリビング風景にしか見えない
最後の最後で平凡な絵にしてしまうところが残念だ
それを修正しようと思ったが、Freeプランなので、ここでGPT4oの使用制限に達した
なので、今回の実験はここでおしまい
結論:人間がリードしてやることで、アイデアをふくらませる効果はある
結局、重要な部分を考えたのは全部私のような気もするが、「家だけど農場感」というキーワードや、家族が一生懸命に農場感を演出しているという微笑ましいアイデアは出てきた
これをどう捉えるか考えどころではあるが、ひとりで悶々とアイデアを考えるよりは、刺激になることも事実だし、ChatGPTが短時間で企画するためのアシストになることも実証できた