和製・動画スクール
プライベートな動画スクールがほしい
Udemyはいわば総合大学のようなものだ。
そこへ行けばたくさんの先生がいて、すごい数の講義の中から自分の必要なものを選ぶことができる。
しかも、バーゲンセールのような安く入手できる仕組みもある。
いっぽう先生の立場からすると、少々窮屈である。
Udemyの制約の中でしか自分のコンテンツを売ることができない。
すごく長大なコンテンツを作ったとしても、最高価格が決められているし、バーゲンセールともなれば、2000円台くらいまでで売られてしまう。
※講師側の選択としてバーゲンセールに参加しないことは可能だ。ただしその場合、売れる可能性はかなり下がると思う。
自分のコンテンツに自信があれば、納得できる値段をつけて売りたい。
そんな思いにかられることも当然だろう。
それには、Udemyという仕組みの外に出て、自前の動画スクールを作ればよい。
動画スクールはストリーミングが大切?
その動画スクールの作り方だが、基本的にはストリーミングで視聴させたい。
通販サービスのBASEやSTORESなどにはデジタルコンテンツを販売できる選択肢があって、ダウンロード販売をすることができる。
これを使って動画販売をやりたい、という相談を何回か受けたことがある。
しかし、このやり方はオススメはできない。
というのは、このやり方では購入者に動画ファイルをダウンロードさせることしかできないからだ。
動画ファイルが購入者の手に渡るとなると、闇流通という問題が生じる。
つまり、購入者が知り合いに動画ファイルをコピーして渡しかねない。
悪気がなかったとしても、知り合いから懇願されて、動画ファイルをコピーしてあげる、ということは容易に考えられる。
Udemyなどは基本的にストリーミング視聴である(ダウンロード可能にする選択肢もある)これなら、購入していない人に視聴されることはない。
(購入者が自分の画面を知り合いに見せることまでは防げないが)
WordPressで動画スクールを作る?
WordPressは世界一よく使われているCMS(コンテンツ管理システム)だ。
ブログがベースだが、有料・無料で提供されている各種のプラグインを組み込むと、いろいろな機能を追加することができる。
WordPressを使って自前のオンラインスクールを作ることが可能だ。
ただ、難易度は比較的高い。
決済システムや動画の視聴システムも組み合わせないといけないので、カンタンには作れない。
その代わり、デザインなどは自由になるし、組み合わせるプラグインに無料のものを使用すれば、ほぼ無料でオンラインスクールが作れる。
※サーバーレンタル代は何をしても必要だが。
TeachbleやThinkificを使う
それよりは敷居の低いと思われるやり方に、海外製のオンラインスクール構築サービスを利用する、という方法がある。
有名なのはTeachbleだ。
これの対抗馬としてThinkificというサービスもある。
あとはより高機能なKAJABI。
この3つは、よく出てくる名前である。
去年(2021年)までだったら、これらのサービスを使用するのがベストだったかもしれない。
KAJABI以外では機能はかなり制限されるが、無料のプランも提供されている。
これらの問題点としては、インターフェイスが英語だということがある。
バックヤードに関しては、とにかく英語に慣れるしかない。
受講生が見る画面は、日本語化することができる。
この点に関しては、Thinkificのほうがラクで、Teachableの場合は数百の項目をひとつひとつ日本語に置き換えていく作業が必要だと聞いている。
和製の動画スクール構築サービスがでてきた
昨年ぐらいから、日本製の動画スクール構築サービスが登場してきた。
まだまだ海外製のサービスと互角に対抗できるほどの機能はそなえていないが、基本的なところは押さえているように思う。
とりあえずオンラインの動画スクールとして活用できそうな和製サービスを紹介しておこう。(いずれも初期費用・月額固定費無料のプランがあるので、導入しやすい)
Lekcha
Lekchaは、もともとTeachableの導入サービスを提供していた会社が開発している。Teachableの国産代替サービスをめざしているようだ。
初期費用・月額固定費無料のコースだと、手数料率が15%とちょっと高いが、操作感は使いやすい。
割引・無料クーポンが発行できるので、プロモーションもしやすい。
コエテコカレッジ
コエテコカレッジは、GMOインターネットグループの傘下企業が運営している。動画だけでなくZOOMなどのライブ講座も扱えるのがメリットである。
受講生はLINEで登録することができ、通知などはLINEで受け取ることもできる。
初期費用・月額固定費無料のプランでも、手数料率が8%と低めなのがメリットだ。
Mosh
Moshは上ふたつのサービスとちょっと違う。
講座に特化したものではなくて、ネット上でサービスを売る、というコンセプトだ。
だから、鍼灸師などの施術系や、コンサルタントなども使うことができる。
そのサービス提供のひとつとして動画の提供もあるというスタイルだ。
月額サブスクなどにも対応している。
Yoor
Yoorはオンラインサロンの構築サービスだ。
だから、支払い形態は月額サブスクのみである。
Yoorはオンラインサロンの会員にだけ視聴できるように、動画をアップロードすることができる。
面白いのは、複数のプランを作ることができ、視聴できる部屋をプランごとに設定できるということだ。
低価格のプランで入会を促進し、高度なコンテンツはより高額なプランを契約しないと視聴できないようにする、などの手段がある。
これからも出てくるに違いない
海外製のサービスにくらべて、日本のサービスは敷居が低い。
表示が日本語なのに加えて、問い合わせが日本語でできることは大きい。
ここに挙げたサービス以外にも、和製の動画スクール構築サービスは今後いくつも出てくるだろう。
それぞれ特徴のあるサービス形態にしていただいて、利用者としては選びがいのあるようにしてほしい。