不動産屋さんのネットCM
いわゆる街の不動産屋さんが、自社Webサイトに掲載するようなネットCMを作る時の「型」です。
もちろん不動産屋さんといってもいろいろ種類があるでしょうが、ごく一般的な個人相手の賃貸住宅仲介業という感じで考えてみます。
私がストアカでやっているオンライン講座です。
コンセプト
この動画のコンセプトは「不動産屋さんは一番街を知っている」ということです。いわば街のスペシャリスト、アドバイザー的な存在として、不動産屋さんをアピールしてみます。
私も経験がありますが、進学・就職などによって、住んだことのない街へはじめて行って住居を決めるというのは、とても不安です。
お客さまの不安に寄り添えるような、親身になってくれるアドバイザーとしての不動産屋さん像を見せてあげるわけです。
はじめての街で不安を抱えながら住居探しをする人、特に若い女性がターゲットになります。
効果としてはそうした不安を抱えるユーザーに向けて信頼感の醸成を狙います。
登場人物は、ターゲットそのものの若い女性。大学生なのか新卒採用された会社員なのか、はじめて暮らす街に不安いっぱいの女性がいいと思います。
男性に不安がないとは言いませんが、不安を顔に出すのは女性のほうです。
表現的に、不安を抱えたユーザーを描写したいなら、女性それも若い女性が適しています。
不動産仲介業はサービスのイメージを絵にしにくいです。
具体的な商品があるわけではないので、応対する人そのものがサービスです。親身に、安心できるような応対を風景にしましょう。
動画の型
ツカミの部分は、不安いっぱいの若い女性の表情です。
なぜ不安なのかの説明として、テロップなのかモノローグ(心の声)なのかで「はじめての街、はじめての住まい探し」というところを強調しましょう。街中で、地図を見ながらウロウロ、といったシーンが浮かびます。
その不安を解決してくれるのが不動産屋さんでの接客シーンになります。
たまたま訪れた不動産屋さんが、ていねいに親身に相談に乗ってくれる。
心細さでいっぱいだった女性の表情が変わり、笑顔も出てくるようになる。その変化を見せてあげましょう。
具体的に何かを見せるというよりは、優しい接客シーンと、それによる女性の表情の変化があれば十分と思います。
不動産屋さんのサービスには、具体的なシーンが作りにくいということが言えます。そこで、サービスを支える隠れた努力を持ってきました。
担当者は空き時間があれば街を歩き回って情報収集している。
「この街を一番よく知っているのは、私です」といえるだけの街の知識を身につけているから、どんな要望にも応じられるのだ、というイメージです。
ここで重要なのは「この街」ですから、街の名前、専門としているエリアをハッキリさせることですね。地域密着型ビジネスですから、私の地元でいえば「吹田市を一番よく知っているのは、私です」ということになります。
これは地域競合を避けるという意味でも大事ですね。
そして裏付けの部分ですが、これはやはり「お客さまの声」ということになるでしょう。顔出しでインタビューに応じてくれるお客さまを確保できれば、素晴らしい裏付けになりますね。
ラストのつなぎの部分は、実店舗に来てほしいのか、サイトからの問い合わせを重視するのかで違ってくると思います。
ポイント
人に依存するサービスですから、ひとつひとつのシーンづくりは丁寧に表現したいです。
接客のシーンは、ただ話しをしているだけでは不十分です。
街の地図を広げて、それを指差して担当者が説明する。
間取り図を見ながら、お客さま役の女性に質問してもらう
といった何か話を象徴するような小道具が必要でしょう。
実際の会話を聞かせてもたぶん退屈でしょうから、女性の心の声を聞かせるというのはいかがでしょうか。担当者を信頼しはじめる様子がモノローグでわかると効果があるでしょうね。
情報収集のシーンは、説明しなくても情報収集のための街歩きだ、とわかるような絵づくりがキーになりますね。
たとえば、地図と実際の建物を見比べている。メモをとっている。駅からの徒歩時間を計測している、といった具体的な行動を見せないと、たんなる散歩に見えてしまいます。