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海外でブラック企業から逃げようとしている話と、海外でブラック企業に引っかからないために。
え?海外にもブラック企業あるの?あるよ。
私がカナダに来てもう早いもので2年。前回のエントリ公開から約1年以上とか早すぎるのですが、実際この期間何してたんだよと言われると、仕事してました。それはもう結構な量の仕事をしていました。というか今もしています。もうしたくないこんな仕事。
ラッキーなことに私は「このコロナ流行の最中も」「海外で(リモートで)」働けている身です。が、正直よく海外留学系のエージェンシーが紹介しているインタビュー事例ほどキラキラした会社や環境には、実はとても残念なことに出会えていません。それどころかどブラックな環境に足を突っ込んでおり、その惨状たるや日本のいわゆるブラック会社並みかそれよりひどいのではないかと思うほどです。
というわけで、他の皆さんに絶対に私のようなひどい目にはあって欲しくないので、私の会社の現状(惨状)とこういう会社に出会わないためのポイントをここから先にしたためます。前半はかなりネガティブなのでそういうものが嫌いな人はスルーして後半へどうぞ。
文字数が6000字オーバーとそれなりの長文ですが、できる限り詳細に書いたので見たい方はどうぞ。転職に成功したら新しいエントリーとして紹介するか、こちらのコンテンツを有料化して販売予定です。
とりあえず今の会社が抱える問題を列挙しておこうと思います。
【前半】弊社の惨状
私の入社前後以降、入る人より出る人の数が多い
まず弊社は一言で言うと、「入った人ほぼ全員がすぐに辞めたいと思う、でも辞められない会社」です。ある同僚曰く、「この会社入りたくないな〜って面接のときから思っていた」そうです笑。そうでなくてもこの会社はおかしい、早く辞めたいと口を揃えて語られる会社です。
これは特に開発ポジションの話ですが、完全にブラック会社フラグです。タイトル通りですが、そもそも私のポジションは前任者が抜けるための補完要因としての募集でした。まあそこで気づけよという話もありますが、その当時は資金的に余裕がなかったので、しょうがないか〜という軽い気持ちでオファーを受けてしまったんですね。
しかしこれが地獄の始まりで、マイクロマネジメントな社長の考え方についていけない従業員が地元へ帰ったり、退職したり、退職したり、退職したり、時短勤務になったりという自体が相次ぎました。結果、入社半年にして会社でフルタイムで働く開発メンバーは私一人しかいないという最悪な事態に。🤦♀️ ←他にもメンバーはいるもののみんなパートタイムもしくはリモート勤務でした
共同創業者兼プロダクトマネージャーの退職→プロダクトの崩壊
最悪なのはプロダクトマネジメントを兼務していた共同創業者でありCOOが抜けてしまったこと。役員の退職は一般的なブラック企業の概念としては完全な死亡フラグです。正直このコロナの最中も利益が上がっているのですが、そんなことは奇跡どころかもはや恐怖です。
現在プロダクトの責任者がいないのでマネジメントは誰がやっているのかといえば、なんと、社長その人です。ちなみに、彼は不動産業出身、プログラミングは未経験。コードの話は元COOの受け売りで分かっている程度なので、コードを書くことがどれほど大変かなんてことはわかっていなければ、適材適所にチームメンバーを配置する能力はそこまでありません。
何が起きるかといえば、プロダクトの崩壊ですね・・・
COOが去った後に一度、第三者であるシニアデザイナーに弊社のプロダクトについてフィードバックをもらったことがあるのですが、
「デザインの目線で言ってもコンテンツが多すぎ、何がコンセプトなのかわからない、それでいて各機能へのバグが多すぎ、これでプロダクト成立してるの?すごいね・・・・」
と散々なフィードバックをもらいました。が、この数ヶ月はそれが勢いを増しており、日本時代からさかのぼってデザインも開発もマネジメントも経験してきた私でも、もはや目が当てられません。。。🤦♀️
社長のワンマンどころかもはや恐怖政治
全貌はモザイクで隠しますが、これは弊社のプロダクトのダッシュボードです。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27711745/picture_pc_ba9ec0ad9ab6cd3d1f36873da073f60b.jpg?width=1200)
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27711731/picture_pc_4b5253bbcbbf72d9b0fa392f11e7b8cd.jpg?width=1200)
これはライブサイトです。中央の上はユーザーのプロフィールプレビューで、向かって画面右一面に謎の余白が存在しています。しかも結構でかい。そして、モザイクがかかっているのでもはや全然わかりませんが、この余白以外の場所には結構みっちり文字が入っています。
これが万人のユーザーに見られているわけですが、バグもまともに検証されていないし、バグが見つかろうもんなら社長は深夜でも直せと連絡を送りつけてくるのです。いやわかるよ?いつ見られるかわからないし。代休とか残業代出してくれるならやるよ?でもこれが代休も残業代もくれないんですね。
社長は極度のワーカホリックで、休日の深夜0時をすぎているにもかかわらず私に「ここ直して」とメッセージを送りつけてきたことが数度あります。さすがに何度もそれが続いたので一度「社員の精神衛生のために夜10時以降の連絡は控えてもらえますか?」と釘を刺したことがあるのですが、その返信はというと
「俺は基本的に24時間働いてるから。深夜のメールは無視してね。気を害したならごめんね😊」←まんま日本語訳
ギャグですかね。寝ろ!
その次の日の朝、同僚とその話で「あいつは人間じゃない」と盛り上がってしまったことは言う間でもありません。
ちなみに、こんなことを話している今も人は抜けるor抜けようとしていく一方です。社長が頑張って止めに入ってなんとか持ちこたえるも、社長の業務時間外・深夜のタスク消化要求や、いい加減ですぐに人のせいにするタスク管理に疲れ切って逃げるようにして辞めてく・・・みたいな同僚が後を絶ちません。みんな社長に対して文句を言っているのですが、社長はいつもなぜか一人だけ幸せそうで、それとは裏腹にプロダクトと会社の崩壊は加速していく一方。なんなんだこの会社はと思わずにはいられません。
タスクマネジメントツールが消え、全てはTelegramで管理される
で、タスク管理の話をすると、COOがかつていた頃はスプリントが機能し、JIRAやTrelloなどのタスク管理ツールが備わっており、ある程度は適材適所に適切なコメントとともに開発メンバーが配備されていました。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27709243/picture_pc_95433cb47a936c81d0b0d7b3b7db944c.png?width=1200)
(出典:https://www.atlassian.com/software/jira)
ですが、今は社長の嗜好によりすべてTelegram(*)。タスク管理ツールなんていらないだろ?の一言でタスク管理ツールは消し飛びました。別にそれだけならいいんですけど、そしてここ数週間は特に、
・仕様の取り決めにドキュメントが残されておらず、
・工数見積もりの時間はもらえず、「とにかく早くやって」の一点張り
・よって、デザイナーはぼんやりした仕様でテキトーなデザインを作成し、
(デザインすらないこともあるがそうせざるを得ない)
・それを社長によりテキトーにアサインされたデベロッパーが起こし、
・社長が「これじゃないんだけど、早く直せよ、早く」という罵声を時間を問わず、業務時間外でも深夜でも飛ばす
という最悪なサイクルになっています。こんなの日本でも経験したことない。。
*ただひたすら最新のやりとりが表示されるだけのLINEと同じような仕様のチャットアプリ。タスク管理機能はありません。
↑
こういう本があるのですが、正直、社長はこの本にあるクソ野郎よりひどいと思う。ここまでいうと悪口になるからやめようかなと思ったりもしますが正直書かないと伝わらないレベルの酷さです。書いてて悲しくなってきた。
給料、Labor market(市場の中央値)より超低い。
リアル「えっ、私の年収、低すぎ・・・?」です。←古い
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27699517/picture_pc_fa014a15d39abc8c332ea768289be235.jpg?width=1200)
最近は特に、周りで転職に成功した人の年収の話、給与交渉に成功して収入が上がった話などを聞くたびにこの顔してます。「年収$100,000に到達した!!」とある人に言われた時の落胆とかマジでひどかったです。同じだけかそれ以上に努力してるはずなのにこの差はなんなんだろうと。
ちなみにこの記事を書いている2020年6月現在、私はいろいろとあってカナダで永住権を申請しようと目論んでいるのですが、永住権の申請の条件として、働いている業種の給料の中央値に近いもしくはそれを上回っていることが前提というものがあります。
※別にこの中央値から離れてても申請自体はできないわけではないですが、永住権はポイント制なので、給料が安いほどポイントは取れなくなる「=申請から永住権の取得にかかる時間が増える」んですね。
しかしこの給料の中央値、実は今現在は年収換算で約$60,000と言われており、私はこの給与水準からかなり遠い場所にいます。
で、会社に「永住権を考えているから給料をこの基準に近いところまで上げてもらえないか」と話したのですが、その回答は。
「は?今そんな金額もらっている人はこの会社にはいないよ・・・」
「え?????」
「CTOでも?????」
「うん」
開いた口が塞がらなかったですね。CTOでギリギリ永住権に届くレベルの給与水準だったようです。私は経験がないので要はCTOレベルに達する人材でないと永住権はこの会社では申請できないのです。でも他の会社ではJunior developerでそのお給料もらえている人、いやそれ以上もいるわけです。はい、やばい。
移民コンサルタントに相談したら、第一声が「転職しろ」でした。うん、その通り。こんな会社はもう嫌だ。
実は私はこの時点から転職に向けて動き始めていたのですが、そこへやってきたのがコロナの大流行。求人募集が激減し、予定していたワーホリアクティベートのためには会社からのジョブオファーが必要という最悪な事態になってしまったので、辞めるに辞められない状態になっています。
給料はいつも1週間以上遅延
はい。そして極め付けはこれです。こんな仕打ちによく私含め社員一同耐えているなと思う。まあこれはかくかくしかじかな社外秘(もちろん結構黒に近いグレー)の事情があるために会計処理に時間がかかっている、というのが理由なのですが、給料1週間以上遅延がかれこれ数ヶ月続くのはおかしい。ちなみに最長は3週間+の遅延でした。これ、日本の会社では完全に倒産フラグです。本当にこの会社が生き残っているのが信じられない。
実はお金がらみでは、ビザの都合からここにも載せることができない私と会社だけの約束事というのも存在します。もうここまでくると限界ですね。なんですか私たちしか知っていてはいけない約束事って。しかも法に触れるとマズいのか書面なし。不安まっしぐらで、解雇とかされたら即アウトです。しかも解雇という事態が仮に起こっても、レイオフは会社にお金がかかるので、過去の話を聞く限りレイオフにはならず依願退職もしくは失業保険のつかないいわゆるFiredです。もうこんな会社は嫌だ。レイオフの方が100倍マシだ。転職決定です。
【後半】経験談として:ブラック企業に引っかからないために
と、ここまでは私の会社の惨状をお送りしてきましたが、ここからは経験談を元にこういうところを見るとブラック企業には引っかかりにくくなるかもしれない、というポイントをあげつらっていきます。
1. その会社のOBとかが知り合いにいたら絶対に話を聞く。
これは人事を担当してた人も話してくれていたのでマジです。いわゆるOBOG訪問というやつです。面接で会社の特徴や社風について聞いても大体いいことしか言いません。だって誰か入ってもらわないと困るし。その点、その会社を辞めた人は正直です。ストレートには話さないかもしれませんが多分何かしらネガティブな話があったらそれっぽく話してくれるでしょう。
その点友達の会社に入るいわゆるリファラル採用は、働いている側には紹介金が入ることもあれば、入社する側はリアルな声が聞けるし面接にも通してもらいやすいのでWin-Winだと思います。コネがあって、友達と働くことに抵抗がないなら活用したいところですね。
2. あと、会社のレビューは絶対に見る。
GlassdoorとかAngelistにはレビュー機能があります。多分、「〇〇(会社名) review」とかでググっても何かしらレビューサイトが出てくると思います。会社によって書いてある場合、ない場合があるので判断つけづらいかもしれませんが、書いてある場合は意外とヤバいことがしれっと書いてある場合があります。アメリカのひどいAirbnbとか見てても思いますが、海外は特に、レビューは意外と正直です。
やばい会社はGlassdoorにレビュー書いてやるといいよ、と複数人のカナダ人に言われたことがあるので、無事に退職できたらしれっと「最悪な会社だった」とGlassdoorかAngelistにレビューしておこうと思います。
3. 業績面の話:採用活動にお金かけてない企業は基本的にそれだけの人件費しか出してない(出せない)と思っても良さそう
これは推測っぽいところもあるので「良さそう」としていますが、日本でも転職を5回強とか経験してる人間の経験談から言わせてもらうと、採用活動って広告掲載費も人件費もかなりかかるので渋る会社多いと思っています。Indeedは全世界で突出して仕事がポストされてるし、日本の場合はどこだかよくわからない中小企業が出しているケースも見受けられるので、多分採用活動経費としてはそれなりに安いのではないかと推測します。よって、求人サイトは複数見た方がよく、Indeedにしかポストされてないような求人は一度疑った方がいいと思います。
身近な人にも話を聞いた結果の私の肌感としては、
・Indeed - 小規模企業多い = 経費安い
・LinkedIn - 中規模以上の企業が多い = 経費はそんなに安くはない
・Glassdoor - 中規模以上の企業が多い = 経費はそんなに安くはない(最近はおそらくそこまで使われてない)
・AngelList - 超小規模ベンチャーから大規模まで幅広い = 経費安い?
・Dribbble - 中規模以上しかない(カナダの場合) = デザイン頑張っている企業でない限り使わないけど、ここにジョブ掲載してる会社は他の求人サイトにも確実にジョブを掲載している
転職成功したら改めてレポしようかと思いますが、今度の転職活動はおそらくIndeedからの応募はしないと思います。実はわたしはカナダで転職2回しており、その両方とも求人はIndeed、もしくはIndeedとAngelListにしか掲載されてませんでした。つまりそういうところにしか載せられない程度の会社だったということなのでしょう・・・ (´_ゝ`)
4. 社風に関しては面接で絶対に質問する。向こうから質問された時の答えも明確にしておく。
社風に関してって面接でHRに絶対に一度は質問される内容だと思います。が、この質問甘く見ない方がいいなと思いました。そして自分からもできる限り自分が求めている社風を明確にして、それに近いか質問した方が良い。
たとえばプライベートは尊重されるか。メンタリングはあるか。昇級の交渉がしやすい環境にあるか。残業が発生した場合残業代支給されるか。代休はあるか。その他、各社員がどういう風に扱われる文化か。など。
というわけで私はこの会社の惨状を元に働きたくない社風を列挙したので、それを面接で遠回しに、かつポジティブに言えばいいだけですね。絶対に次の転職こそはブラック企業に引っかからないぞ!!
おわりに
ここまでお読みいただきありがとうございました。長文ですがいかがだったでしょうか。バンクーバーorカナダ=ホワイト企業!みたいなことを思う人は多いはずで、かく言う私もその一人でしたが、悲しいかなこういう現実もあります。なお、もし転職が成功した暁にはこのエントリを書き換えるor新規エントリとして掲載しようと思います。私のこの惨状を見て絶対にこうはなるまいと思っていただければ幸いです。