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本と観光地と自然と@北鎌倉

昨日実家でつめた最低限の荷物とこれから始まる生活への覚悟をリュックに詰め込んで野毛のカプセルホテルを出る。

緊急事態宣言の発令寸前にもかかわらず賑わっていた街並みは、翌朝には人も少なく廃れた印象を覚えた。それは、今日から仕事始めを迎える自分の億劫さやこれからの生活への不安になんとなく似ていて、少しだけ笑える。

「ああ、仕事始めだ」

昨日の面影のない街を見て少し気を引き締める。
カプセル近辺で仕事をしてから電車で30分ほど揺られて3日間お世話になる家に向かった。目的地はターミナル駅である大船の次の駅。そう、観光地にも程近い北鎌倉だ。

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最寄り駅の電車を降りたら木々が生茂り、駅から出ると歴史的建造物への道標が書かれている光景は私にとっては新鮮そのものだった。

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改札を出て少し歩くとリスが目の前を横切った。東京からも遠くはないはずなのにこんなにも違うものかとおどろかされる。覚えてつつも家までの道をたどると階段が出てきた。一瞬ハイキングコースではないかと錯覚させられる。4日分の衣類が詰まったカバンを背負ってここを登ることに抵抗を覚えつつも、恐る恐る足を進めると可愛い小さな古民家が現たこちらが本日の家のようだ。

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とってもレトロな趣深く、そして可愛らしい。そしてすごく景色も綺麗だ。

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階段に登る前の抵抗感はどこに行ったのだろうか。ワクワクしながら古民家のドアを開けるとそこには本が広がっていた。

はっきり言うと私は本をあまり好んで読まないのだが厳選された本が並んでいると読書欲にかられる。どうやら本を読めないのではなく、どの本を読めば良いのかわからなかったり、活字を読むまでがめんどくさいと思っているだけで本自体は意外と嫌いでないらしい。そんな事になんとなく気がつけただけでここにきた価値があったかのように思う。

まず手にとってみた本がこれだ。

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「泥酔懺悔」

ホッピング前に過剰に飲みすぎて前歯を折るようなに愚かな私にはぴったりの本だ。内容も短編集で読みやすい。

本ばかりも悪くないが、せっかく鎌倉まできたのだ。それっぽい街並みの雰囲気を味わないのはもったいない個人的ワーケーションあるあるが発令していたため、とりあえず電車に乗って鎌倉に向かった。コンセントのあるカフェで仕事をしたら20時を回っている。緊急事態宣言下のためお店はどこも閉まっていてなんとなく寂しい。

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そうなったらやる事は飲み歩きしかない。
ホッピングの理由の一つに、各地の地酒を味わうという大きな目的もあったため、鎌倉限定のお酒を飲み歩く事にした。さて、限定のお酒はどこだ。スーパーに入るとすぐに見つかった。購入後、即開封するガラ悪い私。

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三密どころか人すらもいない、ポイ捨てもしないから許していただきたい。
心の中でちょっとだけ申し訳なさをはあったものの、冷たい風に当たりながら飲むビールは美味しい。

次の街でも美味しくお酒が飲めるだろうか。
そんなことを思いながら鎌倉最終日は眠りについた。

さあ、次は海の見える街だ。

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