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「ごはん行く?」って言えなかった

午後6時。親友と会った。親友とは、『友達』以外の別の所属でも繋がりがあるので、今日はその所属での用事だった。

ちょうど5日前に、約1年ぶりに親友と会うことができた。電話はしていたけど、直接会うのは本当に久しぶりで、時間を忘れてたくさん話した。

でも、そのとき会ってすぐに、話が盛り上がったわけではない。その日も『所属』での用事で会っていたから、その用事をしている間は、あんまり話は弾まなかった。

用事が済んで、「さぁこの後どうする?」と、カフェに移動した途端、ぶわぁっと言葉があふれだした。本当に止まらなかった。仕事、結婚、付き合っている彼のこと、親友の夫さんのこと、将来のこと…。私たちは高校生からの付き合いだけれど、こんなふうに年齢を重ねるごとに、話す内容も変わっていくのだなぁと、自分が大人であることを実感した。

今日は手短に用事が済んで、「今日どうする?」と親友が聞いてくれた。私は、「今日は帰る!」と答えていた。

親友は、車で約1時間半かかる場所から通勤しているので、帰る時間が遅くなってしまっては申し訳ないと思った(前の用事のときは、会う時間がはやかった)。それに、私の都合に合わせて18時にしてもらった部分もあるので、はやく帰らせてあげないと!と思う気持ちもあった。

親友は、「うん、分かった」と言った。私たちは、そこで別れた。

親友と別れた瞬間、なんで私は、親友にどうしたいか聞くことができなかったんだろうと思った。お腹だって空いていただろうし、今一緒にご飯を食べて家に帰った方が、あとはお風呂に入って寝るだけではないかと、本当に、別れた瞬間にそれらが頭に思い浮かんだのだ。

自分の行動が申し訳なくて、親友の方を振り向くことができなかった。元々、親友はご飯や遊びに、自分から誘いづらい性格だって、知っていたのに。

ある『所属』の関係性が抜けないまま、今日は親友と別れてしまった。本当に事務的なやり取りで終わってしまった。『友達』として過ごした時間は、ほぼゼロだ。

次、いつ会えるかなんて、分からないのになぁ。

申し訳ないと感じているのは自分だけで、親友はどう思っていたのか分からない。自分と相手の感情は切り離して、まずは、自分の気持ちを素直に伝えてみなくちゃなぁ・・・。そして、「どう思う?」と聞いてみよう。

もう10年以上付き合いがある親友とでも、こんな些細なやり取りができないときがある。悔しくてもどかしいけれど、それが私たちなんだと、思うことにする。

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