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音楽知識ほぼゼロの絵描きがオリジナル曲を作った奮闘記



とても長い記事になります。(1万字超)


完成作品


これが出来るまでの過程です
※曲を完成させるまでの紆余曲折で、当記事に絵や動画制作についての内容は含まれません。

事の発端

2024年6月某日、1月12日がフリモメンの誕生日だと認識した瞬間、

「あ、誕生日にフリモメン(への)ラブ(を込めた)ソングを投稿したい…」
「作詞作曲絵動画全部自分で作ったオリジナルMVでフリモメン愛をぶつけたい…」

と思った。ので実行に移しました。

前提条件として今回の作曲を始めるまでに知っていた音楽系知識と経験は

・曲にはメロディの他にコードというものが必ずあってなんかオードーシンコー?とか色々あるらしい
・和音は音を一つ飛ばしで重ねると良いらしい
・やったことある楽器は小中学校で使うもの(リコーダー、カスタネット、タンバリン、ピアニカ、ハーモニカ、アコーディオン)だがすべて忘れた
・楽譜はドしか一目では読めない

それぐらいです。
普段は歌声合成ソフトたちでカバー制作をしているので調声とMIXに関する知識、DAW操作の経験は多少ありました。

当記事はそんな音楽理論もなにも分からないド素人がオリジナル曲を完成させるまでのタイトル通りな奮闘記です。
ボカロ等が好き、カバー制作はしてるけどオリジナル曲はハードル高いなぁ…と一歩踏み出せないでいる方向けだったり、
YouTubeなどでDTM初心者向けの動画を投稿してる方は初心者はこういうとこ分からんのやな、などの発見があったりなかったりするかもしれません。


事前準備編

とりあえずYouTubeで動画を漁る
イラストの世界もそうですが、今はなんでも解説動画がYouTubeに無限にある良い時代ですね…
夜寝る前に歯磨きしながら良さげなチャンネルの作曲動画をいくつか見ました。
動画を見ていると、作曲はルールやテンプレートみたいなものがあって、それをどう組みわせて自分なりのアレンジをしていくか、という世界なんだと理解しました。
じゃあ初心者ならそのテンプレート通りにやれば一応聞ける音楽になるんだ…なんだ作曲って意外とハードルが低いんだ…!(クオリティはさておき)

ぼや~~っと動画を眺めつつ、どんな曲を作りたいかイメージしないとだめだよな、絵だって最初「こういう絵描きたい!」って気持ちが原動力になるし、ということでイケオジフリモメンをイメージした大人カッコいいオシャレ曲にしたいなぁと決めました。

最初イメージに近いと思ったのは、好きなゲームの一つジャックジャンヌの劇中歌「オー・ラマ・ハヴェンナ」。
なんかこういう…ジャズっぽい?トランペットやサックス?が入ってて小気味いいリズムでステップを踏めそうな…なんかそういう…歌詞に意味がなさそうな、ただご機嫌にリズムを刻むダッダッダ~♪みたいなのも入れたいな…的な…
制作を進めていくうちに他にも参考楽曲は増やしました。
完成した後に見ると曲よりも動画の雰囲気を参考にした感じがありますね。ジャックジャンヌはいいぞ

センターにいるおもしれー高笑い男が私の推しで担当ですよろしくお願いします

のちのち編曲作業に入ってから、久しぶりに聞いた大好きなカフェパレの「Pavé Étoiles」が目指したいものに合致するイメージになりました。
ジュエリーを身にまとうことの大人っぽさと、人もみな一粒一粒異なる宝石のようにそれぞれの個性を輝かせられるんだよという明るいメッセージ性を兼ね添えているこの雰囲気が、私がフリモメンで作りたい大人っぽい曲の方向性とぴったりだと感じました。
ピアノとたぶんトランペット…?とサックスらしき音も入っていて、その時編曲で入れていた楽器とおなじだったこともあって参考にしました。
イントロ〜Aメロのバックで鳴ってる低音のピアノがかっこよすぎて私も真似しました

一言で「大人っぽい」といっても、
ダンディだけど親しみやすい、
渋いけれどユーモアがあって年下の人からも好かれやすい(いじられやすい)みたいなそんなイメージが私の中のイケオジフリモメンって感じなので、そういった大人っぽい音色の管楽器を交えた明るい印象の曲にしよう、と固まりました。


ジャズ感のある曲にしたいという希望も出てきたので、ジャズ音楽に使われる楽器も調べてメモしてました
そして色んな曲をよく聞くと、サビやAメロをちょっとアレンジしたメロディをイントロに持ってきてるものがあってそれで全然違和感ないんだな…!と気付きがあったのでそれもメモ。
ターンタタターンとか書いてるのは仕事中に思い浮かんだメロディをとりあえず語感だけでもメモしとこって書いたやつです
ちなみにBメロです まじで自分にしか分からんメモだな


こちらの動画の11:10~で流れた「Aマイナーブルーススケール」のメロディがすっっっっっごく私がイメージする「大人おしゃれでかっこいい曲」にピッタリでした。
もうパソコンのモニターを両手で鷲掴む勢いだった
なのでこのスケールでメロディ作ろう!とここで決めました。

後になって思いましたが、こちらの動画で「ファ」「シ」は基本はあまり使わない隠し味と言っているけどAmブルーススケールにはそのファとシが含まれておらず、黒鍵も一つしか入っていないので結構初心者でも作りやすいスケールなのかな…?


作曲開始


DAWを触ってみる

いつもカバー制作のMIXで使っているStudio Oneは作曲にも使えたはず。
色々な楽器のインストゥルメントが入ってて、なんも分からん初心者なので高いソフト買う前にまずはこれらで作ってみることにしました。

しかしMIDI打ち込みをしようとするもマウスだとなかなか難しい…
例えるならパソコンで絵を描こうとしてマウスで描いてる感じ?
頭に浮かんだメロディを再現しようにも目的の音を探すだけでも一苦労だったので、MIDIキーボードを買うことにしました。




余談

実は十年前くらいに一つだけボカロ曲らしきものを作ってました…
しかしメロディのキースケールもコードが何かも解っておらず、なんだかお遊戯会みたいな感じになったのでピアプロに投げるだけで動画にはしなかったのです。

今聞いてみたらお遊戯会感はともかく意外と普通に曲になってた…な…?
当時ももちろんMIDIキーボード持ってなかったので全部マウス操作で作ったはずです。よく頑張ったな…!?

MIDIキーボードと同時期にお迎えしたROSEさん
歌い方の癖のせいか一番「全力で応えてくれる」感があった

ピアプロページにVSQとインストを残していたので自分でDLしてSynthVの人たちに歌ってもらったんですが、こう…合成音声たちってどんな素人の歌でも全力で応えてくれるんだな…彼らにとって歌に貴賤はないんだな…って一人で涙しました…



MIDIキーボードがきた

YAMAHA 電子キーボード [37ミニ鍵盤] PSS-A50


マウスで打ち込み▼
ポーン……カチッ…カチッ……ポーン…ポポーン…わからん……(Xを開いてTLを更新する)

MIDIキーボードで打ち込み▼
ターンタタタンタランターンタタ(片手で適当に鍵盤を鳴らしている)
…あ!?なんか今のメロディっぽかったぞ!?こういう順番で弾いて…!!ヨッシャこれでちょっと録音してみよ!!そんで小節に合うようにマウスで微調節して…ウオオメロディできた!!(約5分)

って感じでま~~~~じでやりやすかったです。こんなに変わるんですね…
キーボードを持たずに作曲むずかしい…って躓いてる人はマウスかトラックパッドで絵描こうとしてるのと同じようなものなのでさっさとMIDIキーボードを買ったほうが良いかもしれません。
ガチでマウスだけでDTM作曲されてる猛者もいるみたいなので一概には言えませんが…


メロディの制作


メロディを作ろうとするのではなく、とにかく鍵盤を叩いてメロディを探した

大人オシャレでかっこいい曲を作りたいとだけ考えていて、このメロディで作りたい!という明確な旋律はありませんでした。
なのでこのスケールでメロディを作ろうと決めた後は、そのキーの範囲でひたすら鍵盤を叩いて今の歌のフレーズっぽくない!?ってものが来たら反復し、DAWに打ち込む。というのを何個も繰り返しました。

絵で例えるならいきなりこれと決めた構図で描き進めるのではなく、いくつもラフを描いて案を出しまくった感じでしょうか。

メロディを作るうえで意識したこと
•誰も聞いたことないすげぇメロディではなく、どこか聞いたことある耳馴染みの良いメロディになるようにする
•基本は隣の鍵盤に移動するように叩く。
ただしサビは華やかさを出したいので低いキーから一気に高いキーに飛ぶ箇所を入れる
•同じ鍵盤を連続で叩いて良い
•リズム感があるようにする

先に挙げたメロディの作り方動画ではもっと多くのコツがありますが最初から全て実践するのは難しいのでとりあえずこれぐらいでやりました。

「誰も聞いたことないメロディではなく耳馴染みのあるメロディにする」については、まず何も経験値を積んでいない素人がオリジナリティを出すなんて不可能(オリジナリティはたくさんの作品を見聞きし自分で数多く制作していき段々と生まれるものと思っているため)だからです。

それに視聴者にとっては全く新しい物よりも「これあの作品っぽいな」という記憶の底の共感性を覚えてもらえた方が親しみやすい、受け入れやすい作品になるだろうと考えたからです。

「同じ鍵盤を連続で叩いて良い」は、メロディ作りを触り始めた時に「あ、なんだか鍵盤を移動しなくちゃいけないって無意識に意識してるな」、「曲聞いてると同じキーが連続してる歌なんていくらでもあるから、移動しないという選択も入れてみよう」と思い至ったからです。

作ったメロディを都度書き出してSynthVで再生する
やはり楽器の音とフリモメンの声は聞こえ方が違うので、実際に歌った時にどんなメロディに聞こえるか確認するためしょっちゅうDAWとSynthesizer V を行ったり来たりしてました。
特にフリモメンは裏声が美しいので、サビで裏声になるキーを含んだメロディにしたくて確認を繰り返しました。
※プラグインとしてDAW上でSynthVを呼び出せますが、UTAUを使用していた癖で今でも別々に扱っています。

赤はAメロ 青はBメロ 黄色はサビ
色々打ち込んで入れ替えてこっちがいいかな?ってしているとこ

ここで一つ私の人生史上で新たな発見があったんですけれど、
自分が打ち込んだメロディを推し音源が口ずさんでくれるのってすっっっっっげ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~嬉しいんですね。
過去に同じ経験をしてたはずなのに忘れていた…
もうここで「推し音源」がいる人がDTMに沼ってしまう入口を通過してしまった感がありました


仮で歌詞を入れてみる

1コーラスのメロディができた
ABサビとでそれぞれで何パターンか作ってみて、一番しっくりくるメロディ同士をつなぎ合わせてワンコーラスができました!
普通ならそのままコードをつける作業に行くかもしれないですが、自分のモチベをさらに上げるため&全体のイメージをより強固にするために仮で歌詞を入れることにしました。

最初は「イケオジという新たな扉を開かせ、私の心を盗んでいった奴」といった意味を込めて「Steal Your Heart」というタイトルでした

通勤中や休憩中などに歌詞に入れそうな内容を思いついた分だけとにかく書きなぐってました。
イケオジというガワの仮面とか、
フリモメン公式Xアカウントに記載されている「いつもあなたのそばに。振り向けばフリモメン。」って言葉はちょっとそれを実感する出来事を経験したのでそういう要素も入れたかったし、
ずんパラじおで古賀明さんがゲストでお呼ばれした回で「フリモメンはその場の空気を読まない・フリモメンが空気を作る」(だから周りや前後の流れ等を意識せず演技した)という旨の発言に確かにそうだな!?ってなったのでそれも取り入れたかったです
可憐な花はフリモたんを指していますが最終的には入らなかったですね

ずんパラじお 古賀明さん登場回
上記の発言は16:24~の質問回答にて


仮でいれた歌詞がこちら


一応歌詞の書き方も多少調べたら、起承転結入れるといいというのを見て、え~そんなのストーリー作るの苦手だから無理だわ~とか思ってたんですけど、なんだかんだで

A
フリモメンと「君」の出会い
(初見でタイツではなくイケオジフリモメンを見た人を想定)
B
「君」がフリモメンって何…?ってなってるとこ
そういう扱いにフリモメンも慣れていて逆に面白がってるとこ
S
「紙一重」を文字った、フリモメンならではの「カワ一重」って単語は絶対入れたかった
まだ「君」は中身の全身タイツの存在から目を逸らしてるけどそれでもいいから一緒に楽しもうぜ的な感じ

とかなんとかストーリーっぽくなりましたね…
私はストーリーの大筋は思いつくけれど、その場面と場面を繋ぐディティールを詰めるのが苦手で漫画や小説を制作することを避けがちなのですが、歌詞という形なら案外いけるのかもしれないと感じました。

「フリモメン(への)ラブ(を込めた)ソングを作りたい」という気持ちで作り始めた曲が普通に「フリモメンラブソング」っぽくもなってアレ…?ってなりました まぁいいか 普遍的な歌詞の方が聞いた人の解釈が広がるでしょう

歌詞にいれたい要素をとにかくメモしておき、メロディの音数に当てはめていく作業で類語などを調べて言い換えたりしてなんとか突っ込みました。

かつて一大規格だったFLASH→「花めく閃光」
秘密→「秘密」の花言葉をもつウツギという低木がある→ウツギの幹は中が空洞≒「虚ろ」⇔「イケオジ」はガワであり実体の無い虚構であるという秘密

あとは合成音声ソフトは使う人間がいなければ何も出来ない存在だから、そんな彼らの方が使い手と一緒に居たいと思ってしまうのは滑稽な願いであることとか、もろもろ詰め込みました。

ここでまた私の人生史上新たな発見があったんですけど
自分が思い描いた通りの言葉で推し音源が歌ってくれるのってめ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っちゃ嬉しいんですね。

メロディ考えて、歌詞を入れて、やっと「歌」になったものを口ずさんでくれた時のこの気持ち…
例えるなら、頑張ってモデリングしてテクスチャ描いて諸々セットアップして、やっと動いてくれた3Dモデルといった感じです。

もう作曲を知らなかったところには戻れなくなりました


コード…?

最初に書いた「作曲はルールやテンプレートがあってそれを組み合わせたりアレンジしたりする世界」といったものの一つがコードのことですね
一応和音からなる伴奏のようなもの、ということは知っていました。
王道進行、Just The Two of Us進行、小室進行…有名な作曲家の名前がそのまま使われてるの面白いな~とか思いました

コード進行って本当にもう盤石で絶対な存在であの米津玄師さんとかでも定番(のをアレンジして)使ってるんだ~!じゃあむしろ定番のものを使わないでオリジナルでやってやるぜ!ってする方が異端ってこと…?!
ならまぁ素直に紹介されてるコード進行当てはめてみるか~ってとりあえずサビに王道進行を添えてみたら

ん…?なんか…響きがきれいではない…?
不協和音とまではいかないけどなんか…違う…ような…
他の定番進行もいくつか4小節分入れたけど…きれいな響きではない…
ってところでこれ紹介されてるのはCメジャーキーでのコード進行だってことに気付いた。私が作りたいのはAmブルーススケールのメロディだった

…じゃあこれCが元になってるから…Aまでマイナス3つ分下げればいいのか…?いやアカンますますキモい音になったわどないんすんねんこれ
もーわからんとりあえずコードとはどういうものかは解ったから自分が聞いてて気持ちいい響きになるように打ち込も!(たぶん初心者が一番やっちゃアカンやつ)

ってなりました…

いやでも形式的に当てはめたけどなんか変で納得いかない音よりも、聞いてて良い感じの音が大正解なんじゃない…?しらんけど…

ちなみに私が作ったメロディは半音のD#がなく、白鍵のACDEGしか使ってなかったのでただのペンタトニックであることが解ったのは後の話
(いや本当なんで綺麗な響きじゃないなって思ったんだろう…)



ドラム…?

マジで意味わかんなかったのが、例えばピアノ音源ならピアノ一つだけの音色がでますけどドラム音源はいろんな打楽器の音が鳴るじゃないですか。
音楽に触れてこなかった身としては動画でハイハットとかスネアとか言われてもどの音!?!?!!!ってなるんですよ
しかもその複数の打楽器を同じMIDI上で打ち込むからどれがどれ~~!??!!?となったわけです
とにかく調べてどんな音か覚えました

バス(キック)が低音
スネアがいわゆる小太鼓の音でアクセント(中音)
ハイハットが高音(シンバル系、他にも色々)

とりあえずこの3つが一番重要なんだと解りました。

それで例えば
ズンチャッ ズンチャッ
ってリズムがあるとしたら

ズン→キック
チャッ→スネア
+αでチッチキチッチキみたいなのが鳴ってたらそれがハイハット
と分解できるな、と自分の中に落とし込みました

そして自分でリズムとりながらMIDIキーボード叩いてドラムを打ち込んでみたんですけど
確かに人が打ち込んだ感あるけどこれ
初心者が初めてドラム叩いてみましたって響きだ〜〜〜死にてぇ〜〜〜(FXで有り金全部溶かした顔)

ってなりました

正直ここでマジ才能ないなって若干挫折しかけたんですけど、
いや、過去に自分には無理だって3回も諦めたにも関わらずキャラ愛だけで3Dモデリングをやってのけたんだ…と奮い立たせてどうにかしました。

最終的には結局MIDIパターンが搭載されてるドラム音源に全部任せたんですけどね……



サックスやトランペットの打ち込み…のはずが

楽器経験のないDTM初心者がいきなりブラスを生演奏っぽく打ち込みをするのは難易度がやべぇ高いということがよくわかりました…

初めに挙げたオーラマハヴェンナのイントロや間奏に管楽器(トランペット…?ホルン…?)が使われていて、私も曲に取り入れたいと思いました。

ジャズっぽいおしゃれな雰囲気にしたいからサックスとトランペットかな!とStudio One付属の楽器でサックスを追加して適当に音符並べてみたものの、…確かにサックスの音だけどサックスの演奏じゃないな…?

色々調べてちゃんと演奏してる感を出すには、ベロシティ、他にピッチやモジュレーションによる調整などなどが必要だと。
なんだ、これって歌声合成ソフトと同じ要領じゃん!と希望を見出したものの実践してみると全然うまくいできない…
そりゃ歌と楽器は全くの別物ですからね

化け物かよ

まぁこちらの動画とはそもそもの音源が違うんですけど

半ば絶望しつつサックスについて色々調べていたところSONICWIREのサイトに出会いました

楽曲に使えるいろいろなサンプルパック…?
これはつまり…クリスタのアセットのようなものでは…?
絵だって色々な配布素材を借りて組み合わせて自分の作風に落とし込んで描いてるんだ…音楽だって素材を組み合わせて作品にしたっていいんだよな…素材をどう選びどう使うかも作り手のセンスが問われるんだから…!

ということで買った。

本屋に寄ると毎回デザイン系コーナーに吸い寄せられて見たことない素材集が置いてないか探してしまう人間なのでそこらへんのハードルは低かったです。同じ値段の服だったら金出すの渋るのにね


歌声も立派な楽器のひとつだという気付き

サックスやトランペットの生演奏サンプルパックを買ったものの、当初イントロはサビのメロディをちょっとアレンジして入れてAメロに繋ぐと想定していたのでそこが解決できていませんでした。

サンプルを複数組み合わせて並べたりしてイントロっぽさを出そうとしてもなんかやっぱり違うな〜となってその日は作業を終えました

次の日仕事中に全然関係ないこと考えていて、流れでふと「初音ミク」って「初めての音」なんだよな〜と頭に浮かんだ時、
初めての…音…音…?ボーカロイドや他歌声合成ソフトもソフト音源…それこそ様々な外部の楽器音源と同じ…歌声合成ソフトも…楽器…!待てよ…私が今一番上手く扱えて、しかも大人っぽい音を出せる楽器…あるじゃねぇか…Synthesizer V AI フリモメンが…!!!!!!!

ということでイントロに入れるサビアレンジメロディもフリモメンに口ずさんでもらうことにしました。


足したり消したりな編曲作業

仕事中などに思いついた編曲メモ

いざ本格的に編曲に入ってみると
どこから手を付けたら良いのかわからん…!
音を増やしていけばいいのは分かるけど、どういう基準をもって足せばいいのか…

お絵かき初心者さんが線画描いてベースの色を置いてさあ影を塗ろうってとこでどうやって影置いたら良いのかわからんって感じなんですかねこれ…

色々調べて動画を見て、
コードやリズムなどを繰り返し鳴らしている楽器
②その都度いいタイミングで入ってくる楽器(カウンターメロディ系)

に大体分かれるんだと解りました。

①のコードはピアノやギターやその他楽器、あとはコードっぽく一緒に鳴らすベースやギターとか。
リズムはドラム又はその他パーカッション系楽器など。

②に関しては曲の雰囲気に合わせて適宜楽器を選ぶ感じ。
カウンターメロディは、メインとなるボーカルが一瞬途切れる時に鳴らすもの…?
またはメインメロディの後ろで別のメロディを奏でる裏メロというもの…?
もしくはボーカルのメロディを強調するためにユニゾンさせるもの…?
今回のヒトエの秘密のサビで例えるなら、
「今は暴かないで〜♪」の直後から鳴る高音のピアノ(タンッタンッ↑タンッ↓♪)がカウンター、
「虚ろだとしても」の「しても」でバックで鳴ってる高音ピアノはユニゾン系、って感じでしょうか。

あとメロディがあるところはコード伴奏はつきものだと思っていたけれど、いろんな曲聞いてたら全然後ろ無音のとこあるやん。

メモにも書いてあったGETCHA!
大好きです というかGigaさんの曲は大体好きです

こちらの1番BメロGUMIパートのaround…部分はほぼボーカルだけ、少しパーカッション系?がぽちぽち鳴ってるだけと気付いた時は「無音も音楽のうちなんや…!」結構衝撃でした
(実際はサブベースも鳴ってる)

そこに気付いてから見直したりなどなど…


突然別の曲を作り出す

7月某日、このフリモメン曲の2番間奏あたりにさしかかったあたりで別の曲を作り始めました。

仕事で足がしんどい〜ってなった時にああこんなことも歌にできそうだな…と思った瞬間、
脳内のテトさんが歌い始めて止まらなかった

もしかしたら曲作りをしてる人は経験があるかもしれないんですが私は初めてでしたよこんなことは…

とんでもね〜痛みだぜ〜\ヘンペーソク/\ヘンペーソク/がエンドレスしてた

なんだか曲に起こさないといけない気がして爆速で作りました(7/28仮完成)
このためにSynthV重音テトをお迎えしたという行動力の化身

結局ひっそり抱いていた「初めてのオリジナル曲はフリモメンで投稿したい」という願望は自分の行いにより叶わないものになりましたが、ヘンペーソクを作ったことによってこっちのクラップ音の方が良いな〜!とか、もしかして音源の選別がそんなにないシンセ系を使う曲の方が初心者向きなのでは?とか色々な気付きがありフリモメン曲に活かせたと思います。


突然別の曲を作り出す②


馬鹿なの?って感じですが別の曲をもう一つ作ってました。
お察しの通り「音楽理論もなにも分からないド素人がオリジナル曲を完成させる奮闘記」という内容でいえばもうここらで達成されてるんですよね…

しかもガッツリフリモメンソングだよ

しかしやはりこの作品を制作したことによる気付きもありました。
Spliceを利用しての音探しを覚えたり、その音を探すために「こういう音ってなんて名前なの!?」の疑問をいくつも解消したり、
有料音源ってクオリティ高けぇ…などなど。

この時点で既にStudio One Proをクレカで購入してしまっていた私にはもう怖いものなどなかったのでした
いやKontactフルバージョンは流石に震える値段なので手が出せないですね

音楽は「音色」だけじゃない

編曲を進めていき、別の曲たちを作っている最中にも気付いたのが題のことです。

DTM=MIDIの打ち込み音楽→バーチャルな楽器の音色、というイメージが私のなかで強かったのですが、曲のなかにある音は旋律だけではない…
曲の展開を誘導するような効果音も、大事な要素の一つということを知りました。

言うなればFX系の効果音の重要性です。
ライザーとかインパクトとかスウィープとか……
これらはEDM系の音楽でよく使われる音なのでヒトエの秘密にはあまり入ってませんが、曲中のクラッシュシンバルやリバースシンバルがそれらにあたるでしょうか。

Bメロへの移り変わりや、サビの始まりを印象付けるためにこれらを足すだけで曲のクオリティが上がったような気がして私のテンションも上がりました。


ビフォーアフター

そうしてこうして6月末から制作開始したヒトエの秘密は、9/1に仮完成しました。
その後も絵や動画を作りながら主にMIX面で微調整を繰り返し、最終的に11月頃に完成しました。


上記の動画の冒頭がサビのビフォーアフターです。
調声ベタ打ち、とりあえず置いたドラム、よく分からないなりに打ち込んだピアノコードだけの状態からこうも変わるんですね…

後半は制作途中で出力したwavを並べた、完成するまでの過程で全体で10分ある動画なので、暇な方のみどうぞです


当初はジャジーでお洒落大人な曲にしたいな~と思っていましたがいざ完成品を聞くとジャ…ズ…??
よくわからないですが程よく緩急がありつつ「月と共に踊ろう」の通り、いつの間にかちょっと体が揺れてしまうようなノリノリ感に仕上がったと思います。



最後に - 一方的なお礼


10年越しに再びオリジナル曲を作りたいな〜と思わせた要因は、ふんわりと曖昧で小さいものが多くある、といった感じだったのですが「確実にこれもそう」と言えるのは最初に述べたフリモメンの誕生日、そしてこちらの廉価魔術さんの楽曲「オニヨン」です。
サビのメロディのリズム感が特に好きです。

作曲という行為はハードルが高いと無意識に思っていたなと今になって分かるのですが、その原因として「なにか哲学的な、作曲者自身が抱えるものを小難しい言葉で表現しなくちゃならない」とどこかで思っていたからです。
どちらかというと作詞方面ですね。

それに対しこの曲を聞いた時にそんなことないぞ〜ってフリモメンが言ってくれた感覚がしました。
玉ねぎという層がたくさんある野菜を、ガワを纏っているフリモメンに絡めてうたうこの曲で「もっと身近なものを題材にして良いんだ」と気付かせてくれたように思います。
(廉価魔術さんのnoteを拝読してこの曲の制作意図など見ましたがあえて私自身が曲を聞いた時に感じたことを記載させていただきます。)

それから改めて最近の話題作を見れば好きなお惣菜やら風強すぎて前髪大変なことになる曲とかそんなんばっかじゃねーか!と笑いました。

じゃあ私は「自分が好きなもの」を曲にしよう、フリモメンの曲を作ろう!となったのです。

廉価魔術さんの作品を通して一人の人間が作曲という新たな世界に飛び込んだこと、それをお伝えするとともに感謝を申し上げます。



実際に「ヒトエの秘密」にどんな楽器や音を使ったか、どういう意図をもってそういう音を入れたのかなどは衿淵けーさん名義アカウントの方で記事を公開するのと思うので知りたい方はそちらをどうぞ。

とても長い文になりましたが、もしここまでご覧になったDTMを始めたいと思っている方、逆に教える立場の方などの一助となれば幸いです。なるかな………

これからもマイペースに曲作るぞ!





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