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Routed Optical Network~IPと光の融合って?③トラポンとWDM

気づけば夜はクーラーなしで寝れるようになりましたね。
まだ昼間は暑いですが、夜はやっと過ごしやすくなってきた気がします。

今年は海に泳ぎに行こうと思ってたのに気づいたら夏過ぎてたのでおとなしくプールにでも行こうと思ってます・・・

さて、今回は伝送装置のトラポンとWDMです。
拠点間が長距離の場合に出てくる伝送装置ですが、これ以外にも色々やれることがあるのでゆっくり見ていきましょう。

トランスポンダ

ルータ等で利用する100GはEthernetで規格化されています。
これを光を扱う伝送装置側に渡すには伝送装置側の規格つまりは、OTN(Optial Transport Network)へ変換する必要があります。

この変換機として利用されるのがトランスポンダで、トラポンとよばれます。
トランスポンダを調べると電気から光信号へ変えると記載されていますが、100Gとかも光波長だけど?とか思うかもしれません。
イメージとしてはEthernetとOTNのヘッダー違うので電気的にヘッダー変えて、出す先の波長も変えてという処理をしてるからと考えるとよさそうです。

WDM(wave division multiplexing:波長多重)

WDMは1つのファイバーを効率的に利用して広帯域化を実現するために考えられたものです。

伝送容量を増やすには色々あると思いますが、WDMは1つにファイバー内で波長を多重することで伝送容量を増やしています。

100Gを1波とした場合、96波多重すれば、9.6Tbpsとなるようなイメージで、かなりの大容量となります。

例えば、WDMがないと上記のように100G 1波しか流せません。
これだと、100G-LR4(10km)を100G-ZR4(80km)に変えて長距離対応したほうが早そうですよね。

WDMがあると、こんな感じで複数のルータを収容して波長を多重することができます。
OMux/Demux(Optical Multiplexer / Demultiplexer:光信号の合波、分波)がWDMで、ここでOTUx等の波長を合波して1つのファイバーに重畳しています。

100G-LR4も4波合波してんじゃんという突っ込みもあると思いますが一旦忘れましょうw

WDMも種類があり、上記のようなイメージで波長を多く束ねていく場合はDWDM(Dense WDM)とよばれます。
Denseが密集したとなるので、波長を高密度に束ねたものと考えてください。

CWDM(Coarse wavelength division multiplexing)という、粗く波長多重してるので、束ねる波長数が少ないものとかもあります。

100G-LR4はLAN WDMと呼ばれて色々種類がありますが・・・差分は波長を束ねる数と束ねた波長を配置する周波数グリッドと呼ばれる波長間の間隔です。

アンプ

先ほどの図にアンプもありましたが、WDM装置には基本的にはアンプがついています。
長距離になれば当然光の信号も劣化してしまうのですが、波長を多重する場合はさらに劣化しやすいです。
たま~に検証環境構築する際に長距離構内だとなぜかリンクアップしなくて、光ケーブルを頑張って磨いていたことがある人もいるかもしれませんが、このリンクアップしないが頻発するのがこのWDMw

通信できなきゃとりあえず磨けと言われ、3回ぐらい磨いてやっとつながることもざらにあります。

ということで、波長多重された光を元気にさせて送り届けるためのものと思ってください。

今回はPoint-to-Point、つまり1:1の場合でした。
しかしながら、現実的には、やっぱり冗長とかもあるし、全国にある局舎の場所によっては伝送装置的には迂回しないといけないけど、実際の通信機器はそこになくて光の波長だけを迂回させたい・・・という場合もあります。

次回は光波長を操作する、OADMやらROADMを見ていきましょう。

参考資料

https://www.cisco.com/c/dam/en/us/solutions/collateral/service-provider/routed-optical-networking/650-group-ron-leadership-report.pdf

https://www.ciscolive.com/c/dam/r/ciscolive/global-event/docs/2022/pdf/BRKOPT-2130.pdf

https://www.ttc.or.jp/application/files/4615/5425/1895/JT-G709v2.1.pdf


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