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#20 ひとり旅で撮った写真 ④おまけ編(出発直前まで悩んだ交換レンズについて)

閲覧注意:皆さまには理解されない私の撮影スタイル(前置き)

私の撮影スタイルは、屋外でレンズ交換をしないことが前提です。フィルムカメラ時代は数本持って出かけていましたが、デジタルカメラは構造上センサーに微細なゴミが付着すると、それが影のような画像として映り込み不快だからです。なのでレンズを交換する際は、室内でホコリを立てずに素早く行うようにしています(フィルムカメラはゴミが付着しても、フィルムがチャージされるので、次のカットではゴミが除去されます)。

ゴミの大きさやレンズの焦点距離にもよりますが、その影は開放絞り付近で撮れば目立ちませんが、絞り込めば現れます。
確認方法は、①ノイズが出ないようISO感度を推奨値内の最小に設定、②絞り値は最大、③露出はややオーバー気味、④白い無地の被写体をピンボケで撮影、⑤再生画像を拡大して見る、と分かります。
低速シャッターになるのでブレますが、センサーに乗っかったゴミはブレに関係なくそのまま写ります。雲ひとつない青空を同じように撮影してもチェックできます。

出先でレンズ交換しないのなら「レンズ交換式のカメラなんて買わんくてええやん」という声が聞こえてきますが、まさにおっしゃる通りです。反論の余地はございません。

以前所有していたフルサイズ機のSONY α7Ⅲは、レンズ交換せず週末撮影のみの状況でも、2週間ほどでゴミが付着していました。
α7Ⅲの場合、おそらくカメラ内部から出るメカニカルダストや、防塵機能がないレンズを装着したときにレンズから侵入するホコリが付着していたのだと思われます(当時はオールドレンズを多用していました)。
カメラ内蔵のゴミ取り機能では埒が明かず、都度自分で掃除していましたが、一発で排除できることは稀で、なかなか取れなかったり、違う場所へ移動したりで、何度もやり直してめちゃくちゃ手間と時間と忍耐力と備品代が必要でした(練度不足!)。

私がSONYからOM SYSTEMに乗り換えた理由のひとつに、最もパワフルと言われるダストリダクションシステム「SSWF(スーパーソニックウェーブフィルター)」を、全ての機種に装備していることも大きかったのです。

OM SYSTEMにして以来、センサーのゴミ問題で困ったことは一度もありません。たまに前述の方法でゴミの有無を確認しても、まずゴミはないです。「気にしないなら大丈夫程度の些細な影」があったとしても、しばらく使っているといつの間にか無くなっています。スバラシイ!

OM SYSTEMのカメラなら屋外でのレンズ交換も問題ないのでしょうが、例えば海岸などで湿気を含んだホコリが入った場合、SSWFでも取り切れないのではないかと心配になります。ちょっと(かなり?)神経質な性格のせいで、出かける前に選んだレンズ一本だけで撮影しています。

閲覧注意:どのレンズを連れて行こうかな?

前置きどころの騒ぎではないぐらい長文になりましたが、ここからの本題も長文です。今回の旅行でどのレンズを持っていくかで悩んだという、どうでもいい話です。

街中や散歩中のスナップでは、例えば35mmや50mm程度の単焦点レンズか、標準域のズームレンズだけで撮ると決めてしまえば、そのレンズの特性に合わせて撮影します。もちろん違うレンズがあればよかったと後悔することもあります。

今回の旅行先は、私の日常生活では縁のない雄大な山岳地域。そこに咲く草花や、土地ならではのお料理も撮るかもしれません。つまり広角レンズは必須で、かつそこそこ接写も可能なレンズを一本だけ選ぶことになります。

拙者が撮った今回の旅先での接写写真。

私が所有するレンズの中で最も広角なのは35mm換算で24mmです。
しかし、室堂では高山帯に生息する特別天然記念物のライチョウに出会えるかもしれないという情報もあり、望遠レンズの出番がないとは言い切れません。

事前に参考として、ネットやSNSで立山黒部アルペンルートや上高地で撮影された写真を観察しまくりました。

その結果、候補となったレンズは以下の通りです。すべてOM SYSTEMの純正レンズで、差はあれど防塵・防滴仕様です。
2本選べば即解決ですけど、ゴミ不安症候群ゆえ1本のみに絞り込みます。
(;_;)

候補になったレンズたち。

① 12-40mm F2.8 PRO Ⅱ(35mm換算 24-80mm)
② 12-100mm F4.0 PRO(35mm換算 24-200mm)
③ 14-150mm F4.0-5.6 Ⅱ(35mm換算 28-300mm)
④ 17mm F1.2 PRO(35mm換算 34mm)
⑤ 20mm F1.4(35mm換算 40mm)

※ カメラはOM-1とOM-5のうち、持っていくレンズによって相性のいい方を選ぶことにしました。

まずは⑤(換算 40mm)です(最後からかい!)。
これはお気に入りの海外の写真家さんがアウトドアでこのレンズを使いこなしているレビューを見て憧れました。この方はOM SYSTEMのアンバサダーも務めており、後ろ姿ですが(たぶん)OM-5のカタログの表紙のモデルさんです。
40mmと言えば標準レンズに近い画角ですが、ここまでセンスのいい写真を私が撮れるはずもなく、早々にリストから外れました。情けない…

続いて④(換算 34mm)です。
今回の旅行に行く直前に勢いで購入したレンズです。マイクロフォーサーズ規格にしてはなかなか高価な製品ですが、描写力は折り紙付きです。
SONY時代にマウントアダプターを介して使っていたものの、スタメン落ちしていた某国産サードパーティー製レンズ2本と、そのアダプターなどを下取りにすると、ほぼ無料だったので購入しました(逆に2,000円ほどのおつりが帰ってきました)。
新しいレンズを手に入れると使いたくなるのが人の性。「よし、 今回の旅は換算34mm一本勝負でカッコよく決めるか!」と鼻息を荒くしましたが、⑤と同様「現地で絶対に後悔する」と思い、リストから外れました。情けない…

①~③は最後まで悩みました。
ちなみに①と③なら装着するカメラはOM-5、②ならOM-1です。
①、③はレンズが軽量なのでカメラも軽量なOM-5、②は大きく重たいため、グリップが大きく重量バランスもいいOM-1です(総重量もアップします)。

①(換算 24-80mm)は、F値が明るいため天気が悪くても早いシャッタースピードで撮影できる上、接写も得意です。欲を言えば望遠側が物足りないかも、と言ったところでしょうか?
しかし、ズーム全域でF値2.8の高性能レンズがこれほどコンパクトで軽量なのは、マイクロフォーサーズならではです。

②(24-200mm)は、神レンズと言われるほど高性能で万能なレンズです。
24mmの広角から200mmの望遠までカバーし、ボディー内手振れ補正と連動するレンズ内手振れ補正があるため、F値が4.0と少し暗いものの、低速シャッターでもブレにくいという強みがあります。接写もそこそこOKなので、これ一本でなんでも撮れます。大きくて重たいですが、フルサイズ機のF値4.0の標準ズームと望遠ズームの2本がこれ1本で事足りると思えば、ハナクソ程度の軽さと言えます!
※不適切な表現がありました。お詫び申し上げます。

③(換算 28-300mm)は、広角側が28mmスタートだけど、おそらく大丈夫(①、②は24mm)。望遠側は300mmまでカバーしており、ライチョウに遭遇しても撮れる可能性は高まります。しかも、この3本の中では最も軽量です!
ただ、F値が暗いことと、最短撮影距離が50cmなので接写はやや苦手です。

というように、それぞれ一長一短があります。

合わせて考慮しなければならないのは全体の荷物量です。
出発の1週間前から気にしていた天気予報はずっと雨。傘やポンチョは必須です。
今年は特に残暑が厳しかったこともあり、平地と山岳地帯との気温差はかなりあり、脱いだり着たりできる防寒用の衣類も必要なので、2泊3日の秋の行楽旅行にしては荷物は多めです。

ライチョウまで狙えば300mm相当までいけて軽量な③になりますが、天気も悪そうな中、いるかどうかも分からない鳥のために暗いレンズは不安です(会えたとしても300mm程度では役不足でしょうかね?)。

②は万能ですが、かさ張り重たいので、少しでも軽量化を図るため断念しました。

悩み抜いた末に①の12-40mm F2.8 PRO Ⅱ(35mm換算 24-80mm)とOM-5の組み合わせに決定しました。

①~③のレンズを選ぶにあたり「これで決まり!」と思っても、次の日にはやっぱり別のレンズにしようかと迷ったり…
そうこうしている内に悩むこと自体が楽しくなり、何だかワクワクしていました。

また、レンズ選びですごく後押しになったのは、OM SYSTEMのサイト「HIKER'S CAMERA」です。
さまざまな分野で活躍するハイカーの皆さんが、12-45mm F4.0 PROをメインレンズとしてOM-5をレビューするのですが、私の持つ①のレンズとほぼ同じ画角なので、とても参考になりました。

いざ現地に行くと、やはり広角側の利用頻度が圧倒的に多く、ライチョウにも出会えなかったので、200mmや300mmの望遠域はほぼ不要でした(あったらあったで風景のキリトリ用に活躍したかもしれません)。

ライチョウのラの字も見えない室堂の風景。

2日目は雨や曇り空だったので光が弱く、ボディー内手振れ補正があるとは言え少しでも早いシャッターが切れるF値2.8は安心感につながりました。
雨の中のトロッコ電車では、カメラ・レンズともびしょ濡れになりましたが、防滴能力を遺憾なく発揮し、トラブルフリーで撮影することができました。
時間の制約があり早歩きで移動しなければならなかった上高地では、小型で軽量なマイクロフォーサーズに助けられ、OM SYSTEMの思想を再認識できました。

上高地にて。
写真では分かりづらいですが、
高速移動する外国人さんペア。
集合時間に遅れまいと、
2人のスリップストリームを利用して
散策する人々を
次々とオーバーテイクしていきます。

ところで…

事前に見たネットやSNSなどの写真には、明らかに10mm台の超広角レンズで撮られた作例がいくつもあり、24mm相当の画角では迫力が足りないと感じました。

例えばコレ。
超広角レンズなら
もう少しダイナミックに撮れたような…
※カメラ内蔵のアートフィルター機能、
「ドラマチックトーン」で撮影。

そのため、これまで必要性を感じていなかったM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO(35mm換算 16-50mm)が欲しくなる言い訳ができて困っています。
換算16mmの超広角から50mmの標準域までをカバーするズームレンズってどこにも存在しないのではないでしょうか? 知らんけど(←もはや死語?)

でも高級レンズ17mm F1.2 PRO(ゼロ円+2,000円)を導入した直後なので、しばらくは我慢です。。。

我が物欲に終わり無し!


くだらない記事にお付き合いいただき、ありがとうございました。

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