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#21 カメラストラップの雑感と「Yosemite STRAP」について


個人的なカメラストラップに関する雑感

私はこれまでいくつものメーカーのカメラを購入してきましたが、同梱されている純正のストラップを使ったことがありません。
理由は、メーカーのシンボルカラーが差し色で入っていたり、メーカー名や機種名がデカデカと主張していたりで、なんだか小っ恥ずかしいからです。

メーカー側からすれば、カメラのおでこや肩あたりに小さく記載しているメーカー名やブランド名だけでは自社製品のPRが弱く、大きな面積で四方八方から見られやすいストラップを「広告スペース」として有効活用することは、至極真っ当な考え方だと思います。

私も自分なりに納得して使っているカメラ(OM SYSTEM OM-1=初号機、OM-5)なので、そのメーカーや機種をPRすることに異存はないのですが、インフルエンサーのような発信力は微塵もありませんし、そんな私にアンバサダー就任の依頼が舞い込むことは1mmたりともあり得ませんので、現時点でメーカーへの義理立ては不要です。
ならばド派手な純正品ではなく、周囲にひっそり溶け込める地味系ストラップを装着した方が、撮影の際に何かと都合がよいのです。

※OM SYSTEMのストラップはコーポレートカラーの白と黒なので、地味な方だと思います。

自分のカメラを個性的に演出できるストラップ

自動車は、外観や内装をドレスアップするための純正オプションや、主に社外品ではありますが、性能アップのためのパーツなど、いろいろ取り揃えられています。

しかしカメラの場合、縦位置の撮影が容易になるグリップや、動画撮影用のアクセサリーを拡張装備させるためのリグなど、実用面でのオプションはありますが、ドレスアップ用はせいぜいストラップやボディーカバーぐらいしかありません。

したがって、自分のカメラを個性的に演出する手っ取り早い方法の1つが、ストラップの交換だと思うのです。

とは言え実用面も大事

しかし、ドレスアップのためだけにストラップを選べば後悔します。

カメラを持ち歩く際にぶら下げるのは、首か肩か?
肩なら片方だけか、斜め掛けか?
用途に応じた素材の使用や、長さなど適切に加工がされているか?
カメラをバッグなどに収納する際、邪魔にならないか?
などなど…

私の場合、頻繁ではないですが、気分や状況によって複数のストラップを取り替えています。

その基準は、広角や標準系のレンズで撮影する時は、見た目や雰囲気を重視して、しなやかで黒っぽい細めの本革製ストラップを愛用し(いわゆる普段使いです)、重たい望遠レンズの時は、太めで長さ調節が容易にできる実用的なナイロン製ストラップに取り替えたりします。

普段使いできる本革製以外のストラップが気になった

雨に祟られた旅行の撮影では、優秀な防滴機能を有するカメラ機材に問題はありませんでしたが、本革製のストラップとボディーケースはびしょ濡れになりました(今回、ボディーケース問題はスルーです)。

本革に雨水が沁み込んでいく様子を眺めていると、防滴機能が備わったカメラなら、普段使い用のラインアップに布生地やナイロン製のストラップもあった方がいいのではと思うようになり、後日ネットで検索していると「Yosemite STRAP」が目に留まったのです。

「Yosemite STRAP(以下:ヨセミテ)」とは何ぞや?

ヨセミテを使っている事例をちょいちょいネットなどで見かけ、その存在は知っていました。
ではヨセミテとは何ぞや。

以下、公式通販サイトからの抜粋です。


日本人写真家がカリフォルニア州のヨセミテ国立公園に撮影に行った際、ひとりのクライマーと出会い、クライミングロープを使用したカメラストラップとして考案される。
ジャパンメイドの丁寧な物作りと使い勝手の良さが話題となり、ドイツの高級カメラメーカー「ライカ」に採用され「ストラップの最高傑作」と称された。


百獣の王様はライオン、ペンギンの王様はコウテイペンギン、イカの王様はダイオウイカ、カメラの王様はライカ(?)、そのライカが認めたストラップだったのです。

はなから無視していたロープ型ストラップ

丈夫な登山用ロープをカメラストラップに転用した元祖がどこかは知りませんが、ダイバーシティが求められるこのご時世に「カメラストラップは平べったい」という先入観を持っていた私は、片方の肩でカメラをぶら下げる時「断面が丸いロープ型のストラップでは、余程のいかり肩でない限りクルクル回って落ちるやろ! 」と思い、はなから無視していました。

しかしこれは「神が創り給うた世界は地球を中心に天体が回っている」と唱える人々が、地動説を異端視したのと同じように、「ロープ型ストラップはクルクル回る」と確認もせずに思い込み、異端思想だと決め付けたことを後になって知るのです。

悩むなら買っとけ!

ストラップにせよカメラバッグにせよ(カメラ本体にせよ)、そもそも自分にとって必要な条件をすべて満たした「完璧な製品」に出会ったことがありません。
そのためか「悩むなら買っとけ! ライカ大王もお認めになったモノだから、今度こそ間違いない」と私の心の中に住まう悪魔の囁きに服従し、「いったん落ち着いて、本当に必要かを見極めよ」という冷静な天使の言葉を蔑んでしまう、私は哀れな人間なのです(カメラ本体はそうそう買いませんよ、念のため…)。

そうして買ったのがこちら(↓)

取り付け部分は本革です…(雨対策違うんかい!)

クライミングロープなのでカラフルな色もたくさんありますが、日ごろより世間様に対し自己主張しないことを心掛けているため、マッドブラックを選びました。
サイズは111cmと126cmがあり、短めが好きな私は前者にしました。

思った以上に太めのロープです。

大きさを比較するのに
昔はタバコを置いていたような…

適当なものがなかったので
名前が似ているタバスコを置いてみたけど
あまり分かりませんね…💦

「Yosemite」と書かれた器具は、
カラビナとかでいろんなモノを引っ掛ける
フック受けになります。
(もうちょい角度付けて撮らんかい!)
二重リングはステンレス製が多いのですが、
ヨセミテは真鍮を使用しているようです。

真鍮は復元力が弱く、
広げ過ぎると閉じなくなることがありますが、
適度な大きさなので心配ご無用でした。
お値段は公式通販サイトで11,880円とややお高め。

スイスのアウトドアブランド
「マムート」とコラボしたストラップは
12,980円とさらに高価。

ヨセミテ購入後の所感

よくよく考えると分かりそうなものですが、実際に触ってみると、太めのロープを本革のカバーでガッチリ固定しているのだから、クルクル回るどころか、逆にねじれません。片方の肩に掛けてもズリ落ちることはないと言えます。
それどころか、常にねじれる平べったいストラップの方が、それをいちいち元に戻すのがストレスになりますが、ヨセミテはその必要がまったくありません。

こうして私の異端思想は脆くも崩れ去ったのです。

私は普段、カメラの取り付け金具付近に位置するストラップ部分を、左右2本まとめて握りしめ、短めにした状態でブラブラ持ち歩き、両手を使いたい時など必要に応じて肩に掛けるようにしています。

ロープが太いため、これまでの平べったいストラップより握りやすく、かなり好印象です。そもそも本来はロープなのですから、軽く結んで長さを調節することも可能です。

カメラが不要な場合はバッグに詰め込みますが、太いロープとはいえ適度に柔軟なので、嵩張ることもないようです。

ただ、重量のあるカメラやレンズで首や肩にぶら下げると、接地面積が小さいため体に食い込むことが予想されます。
そんな場合に備え、接地部分に平べったい革を使用した製品を用意しており、抜かりはありません。

相対的にいいお買い物ができたと大変満足しており、密かに2本目の購入を画策中です。今後もしかしたら、普段使いのストラップとして大抜擢される可能性大です。

今回は天使よりも悪魔が勝った稀有な事例としてご紹介いたしました。

以上、ここまでの長文にお付き合いいただいた方がいらっしゃれば感謝申し上げます。
ありがとうございました!







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