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【ネタバレ】ジークアクスが販促先行上映のファンサ映画なら先にそう言ってくれ



初めに

今となってはマジ見るだけでくだらねえと思うこの画像

ガンダム完全新作!ネタバレ踏む前に見に行け!マジですごいぞ!!みたいな謳い文句とともに投稿されているこの画像を、タイムラインで見かけたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
そして私もその内の一人です。
はぇ^~なんかガンダムの新作ってすっごいらしいね~という漠然とした認識だけをして、友人に誘われたから見に行ったのが昨日のこと。
結論から言うと、古参向けの古くせえファンサ映画だとしか感じませんでした。

ガンダムについて

筆者はガンダムについては結構ガチのマジで素人です。
とはいえ、Vガンダムを30話くらい見て長すぎて飽きて、鉄血のオルフェンズでハッシュの死にざまに号泣し、友達の家でチラ見したユニコーンに大ハマりしたくらいの知識はあるし、chemistryのmerry-go-roundは今でも十八番ってくらい大好きです。
あとはなんかふんわりと、地球連邦とジオンって派閥がバトっててアムロとシャアがなんかイチャついててニュータイプとナチュラルが確執で~くらいの理解度で、ミノフスキー粒子だのサイコフレームだの有名な単語をちょいちょいというところです。

というかガンダム自体に対しても、なんかその辺のず~っと昔からの設定を秘伝のタレのごとく継ぎ足して話を続けているおっさんおばさん向けのクローズドで古くせえコンテンツだと思ってる節があって、別に決定的な理由があるわけでもなくうっすら嫌い……というのが正直な印象です。
ただそれと同じくらい、その辺の昔のことを大してわかっていないひとに対しても面白いものを提供できるジャンルだと思ってるし、やっぱロボアニメといえばというくらいにはクオリティを信用してます。
実際新作としてのジークアクスに対しても「おっ久しぶりにロボットアニメに触れてみるか~」ってくらいには前向きでした、劇場に入るまでは。

巨悪庵野による古参ファンサービスの約40分

一番冒頭に貼った画像と併せて、「開幕のものすごい仕掛けが~」「いきなりものすごいネタバレがあるから~」とか、さも視聴者をいきなり引き込むようなギミックがあるように語られてるのを見たことがあるひともいるはず。
筆者はガンダムについて対して知りませんし、ジークアクスについてもネタバレ厳禁みたいな扱いをされてたのでマジで前情報ゼロで見に行きました。
結果、何がどう「こんなことが許されていいのか」なのか一ミリもわからないままシャアがよくわからん光に飲まれて消えました。
映画視聴後、あれは本来ならあの有名なアムロが乗るところで、それをシャアが代わりに乗ったというパラレル世界線であることを表すシーンで~と解説されてなるほどそういうことかと納得しましたが、マッジでこれ前情報無しで見に行った人開幕40分ポカーンだと思うんですけどどうですか?
池田秀一じゃないシャアがなんかめっちゃよく喋って独り言ブツブツしながら鹵獲機で無双して赤く塗ってもらってご満悦になってヒゲのひととボルドーのワイン飲んでマブダチになってジオンを守るどころか悪巧みして共倒れさせようとしたらなんか誰かもわからん機体にボコられて生き埋めになってすげえ光に飲まれて消えて結果的にジオンは勝ちました!チャンチャン!が前半の大まかな流れだと思うんですが、展開の速さもあって「あぁこれはダイジェストなんだな」というのはさすがにわかりました。中佐が大佐になってたりとかしたしね。
でもそれならそれで、見ていたひとは「ここからシャアが何かする物語なのかな」とか思うわけなんですよ。戦闘センスとかカリスマ性とか野心とか色々持ってて奮闘するシャアに少なからず感情移入するんですよ、この後何をしてくれるんだろうな~とか思いながら見守るわけです、相変わらず独り言多いな~とか思いながらね。

と思ってたら光に飲まれて消えるじゃないですか。なんかここの台詞も実はララァの死に際と同じで~とか色々あるらしいですけど、普通に初見だと知る由もないのと、そのまま消えたのもあって「あ~なんか異世界転生でもすんのかな?」くらいの印象でした。
で、作品変わった?ってくらいスマホや電車が出てきて現代っぽい生活を描写されて、キャラデザのいい女の子がいかにも主人公っぽく現れるんですが、40分過ぎてから現れる新キャラが主人公だと思えるわけもなくないですか?
シャアの話はもういいの?あ、なんか時がどうこう言ってたしこの世界にシャアが現れてこいつがなんか助けに行ったりすんのかな?って本気で思って観てましたよマジで。何だLets beginning…って。誰?マジでよ。

そしたら急に終戦後っぽい平和な世界で全然違う話が展開されるし、ビームサーベルでメインブリッジ焼き潰してた作品と同じとは思えないほのぼのとした作風になるしで正直これ一続きにした意味あるか?という感想です。
前半40分、マジで5分くらいにまとめるか、最初から省いてマチュ達の話をしてくれたほうが絶対に良いと思います。
庵野やり放題劇場とか言われてますが、こんな予備知識必須の展開と昔ながらの音楽を「うわやってくれたよw」「そういうのアリなんだ~w」とか言ってありがたがってんの相当ヤバいしやっぱガンダムってクローズドなコンテンツだな~と思いますね。古参向けなら古参向けって書いとけやの一言に尽きます。

別作品?と思うくらい大して中身のないガキどものわちゃわちゃ

40分かけて描いたシャアの話はどこへやら、スマホとUberデリバリー鞄とメトロ路線図が際立つ平和な現代へ。
この辺もさ~最初からこのあたりから描いてくれればよかったんですけどね、前半との差異がすごくて全然ハマれない。もう一回くらい世界観変わんじゃねえの?って思って懐疑的な目で見ちゃう。
とか思ってたらなんか取り締まられてる女にスマホを踏まれて、鞄の中に密輸品のインストーラーが詰め込まれて(どうやって?あの一瞬で取り違えるならまだしも鞄の中に紛れ込むなんてことあるか?)、取り返しに来た女を逆に追跡して……というお手本のようなガールミーツガールが繰り広げられるわけですが、これ面白いか?
禁輸品をwikiで調べたりサイバー鳥居と神社で流れる挿入曲とか演出は日本的でいいな~と思いましたが、マチュとニャァンとかいう舐めた名前の女が結びつく理由がイマイチ雑というか……あと体勢崩したマチュを受け止めるときの「ドキッ★」みたいな演出で本気で冷めたみたいなところもある。
何あれ?顔のいい女と女を絡めとけばオタは満足するやろ!みたいな下心も見え隠れしてて、別にこの辺は並のアニメという感想でした。
多分それもあって最初からこの辺から見た方が楽しめると思います、前半のシャアのあーだこーだを見せられすぎたせいで後半の女と女がなんかやってても今おれたちは何を見せられてるんだ?シャアのくだりは?世界線を説明するだけにしては尺が長すぎでは?って気持ちになっちゃって……。

そうこうしているうちにシャアが乗っていた赤いガンダムを追ってかわいそうな新人兵士がコロニー内とマチュ含むチンピラの前でバトり始めて、それを探しに来た軍警にキレたマチュが勝手にザクに乗り込んで発進した挙句、地下で休めていたジークアクスを見つけて……。

「あいつらをやっつけてやる!」←仕事全うしてるだけの警備になんでキレてる?
「あっちの方が強そう!」←この女イカれてんのか?

米津は良かったですよ。さすがいい仕事するな~と思いました。
でも、歌詞中の「♪もしもあの改札の前で 立ち止まらず歩いていれば 君のかも知らずのまんま 幸せに生きていただろうか?」はちょっと疑問です。
難民キャンプが蹂躙されてるのを見て、その難民であるニャァンとかいう舐めた名前の女が何も言わずに抵抗をあきらめているのを見て代わりに発奮したみたいな文脈があるのかもしれませんが、そんな「幸せに生きていただろうか?」って自問して「いや、そんなことがあるはずもない」につながるほどこのニャァンとかいう舐めた名前の女と絆なくないですか?
まあなんか殴られても抵抗しないでいるのが許せないとかそういう心情なんでしょうが、いかんせんシャアのやりたい放題に40分費やされたせいでこのポッと出の赤毛の女の機微に視聴者が追いつくことなく勝手に飛び出していくものですから全然普通にイカれ女としか映らなかったですね。
というか別に、不法滞在(してるんだっけ?)の難民サイドにも非があるし、別に職務全うしてるだけの軍警を「わかんないけど……だいたいわかった!」とか言って覚醒してボコるとこ見せられても、いや相手普通に一般市民だし……の感情しかなくないですか?
ゲームで言えばあれってチュートリアル戦であって、そんな奴相手に覚醒して全力でボコらないでほしいんですよね、しかもそこに米津を流しながらとかちょっともったいないかなって……もっと命運賭けた相手と戦えや、ガキがなんか強い機体乗ってイキってんとちゃうぞ、という感想です。

そんなわけだから、パイロットも誰かわからんジャンク屋との違法バトルごっこにもイマイチ乗り切れません。というかこのシュウジとかいうカヲルくん枠担当の不思議ちゃんがあちこちにキラキラのグラフィティをしてるの、もうちょっとというか1カットくらい伏線しておいてくれてもよくないですか?
髭のおじさんが揚陸艦でコロニー外周を漂ってるときに外壁に描かれたのを清掃したりとかしてるんだし、喧噪の蚊帳の外でグラフィティしてる背格好くらい出してくれてもいいのにな~と思いました。
ただでさえ急に「マヴだから!」とか言って主人公の相棒兼導き役の重要ポジに収まる新キャラなんだからそれくらいしてくれないと受け入れにくいですよ率直に。
あと途中から急にマヴマヴ言い始めて、そういう戦術の所謂「バディ」的な意味合いだということはわかるんですが、どう考えても「マブダチ」の響きに肖ってるのがまた……失敗だと思います、ダブルミーニングっぽくしちゃったからまだマブダチの関係性じゃないしなと思っちゃうし、これからマブダチになるのだとしたらなおさら今の段階でマヴマヴ言わない方がいいっていうか……。
作中固有の意味を持つ単語だというのはわかるんですが、どうしても既知の語彙とかぶってるせいで「いやさっき出会ったばかりでマブってw」「あぁ違う、これは作戦戦術上の相棒を指す通称なんだった……」って頭に一瞬過るのがノイズすぎるのと、響きがチープでちょっと……ダサいかもです、普通に。

で、ガキ同士の戦争ごっこでモビルスーツ同士がバトって「面白い……!」「誰なんだ、あのパイロットは……!」とか言って終わるんですけど、フツ~~~になろう系で百万回くらい見た構図で別に真新しさは何もなかったですね。
というか前述したことでもあるんですが、こんなガンプラバトルの延長みたいなガキのお遊びで覚醒シーンを出されても大して燃えられない気がするんですが……勢いと演出でごまかそうとしてますが、やってること違法バトルだしなんの正当性もないしって思っちゃって……。
まあでも後半のマチュ周りは多分アニメでやるところの先行上映だと思うので、アニメで見た方がまとまりと収まりがよくて面白そうだな~という感じなので、別に大して文句言うほどのものでもないなというところです。素直に今後に期待。

それより問題は前半だよ。

終わりに

マジおっさん向けの知る人ぞ知るファンサービス過ぎて全然面白くないっていうか、あれを見て「庵野マジやべえw」とか「シン・ガンダムじゃんw」とかニヤニヤ語ってるのほんっとうに加齢臭がキツい。
しかもそれを「ガンダム史上最大の名作!」「ネタバレはできない!早く見てくれ!」みたいなマーケティングしてるのがまた悪質。じゃあ見てみようかな~と思った結果がコレですわ。
「往年のガンダムファン必見!」みたいな扱いされててくれれば多分ここまで文句言いませんでしたね、前半40分も「あ~ガンダムファン必見ってここまでのシーンのことかな?あとで解説見てみよう~」くらいの感想で収まりました。

マジでな~~~~~~にが「こんなことが許されていいのか!?」だよ。くっだらね~~~~~。
ジークアクスっていうか庵野がクソなだけの気がしてきました、ガノタどもは過度な持ち上げと過剰なマーケティングはやめましょう!マジで。
40分前知識必須な映像垂れ流すとかそれもう映画じゃねえから!歴史の勉強がしたいなら日本史学ぶわ!
え?beginningは3月から放映するアニメのただの販促先行上映?まあ……それならそれで、そうと知らずに見に行った私の落ち度ですね……どうもすいませんでした!クソがよ!

ってかニャァンって名前なに?偽名?
今後あの女が何かピンチになったとしたら「ニャーーーーーァン!」って叫ばれるの?登場人物総ネコ化計画?


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