どうやって習うの琉球舞踊
琉球舞踊、琉舞、踊り。
結局、どこでどうやったら習えるの?
どうやって舞台に出ているの?
敷居が高そうだけど庶民が習えるもんなの?
世襲制?
試験とかあるの?
エトセトラエトセトラ・・・・・・
個人的な備忘録として浅くざっくりまとめたものですが、何かの役に立てば。
水溜りくらい浅いので、深く知りたい方は実演家の方々のブログやVlogを見ることをお勧めします。
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もともとシンプルブログに投稿していたものを分割してお引越しさせています。
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庶民も習えますか
もちろんです。
ただし、どれだけお金と時間を投資できるかにかかっています。
よく、琉球芸能は県民にとって身近ない存在ではないように感じられる、と耳にしますが、ええそうでしょうよ······。子どもの貧困や貧困率の高い沖縄で、おいそれと子どもに習い事をさせるのは決して簡単なことではありません。
ちなみに、琉球芸能界は世襲制が確立されていません。親が舞踊家や三線奏者でも、子どもはまったく芸能携わっていませんという家庭も少なくない。血のつながりのないお弟子さんが二代目家元を継いでいる流派もありますし。とりあえず生まれてから一度くらいは教えたりするとは思いますが・・・・・・本人が向いていなかったら強いては続けさせないという親が多いのでしょう。
私は家族・親族のうち誰も芸能に携わっていませんので、まあそんなもんです。そして私も庶民です。
どこで習うの?
さて、多種多様な琉球芸能。
それではどこでその技を習得するのか?
沖縄だと三線は小学校の音楽の授業でも触れますし、高校や大学で琉球舞踊の実践型の授業が受講できるところもあります。部活やサークルもあります。地域の公民館で講座やサークルを開いているところもありけり。三線ならお家のおじぃから習った!という方も多いでしょう。
ただし、舞踊は人口が少ないうえ、家の中でやたらと稽古できるものでもないためそうはいきません。だいたい道場に通う。人づてだったり家の近くを探したり・・・・・・。自治体によっては芸能団体協議会を設置している地域もありますので、そこに入会している道場を調べるという手もあります。近年はYouTubeチャンネルやインスタを開設している道場も増えましたので、ずいぶん情報が手に入りやすくなりました。
何歳からはじめる?
体の動かし方やリズムの取り方を身に染み込ませることを考えると、なるだけ早いほうが良いでしょう。周りをざっと見渡しても、2~3歳、最低でも小学校の低学年くらいまでにはじめる子が多いです。
ただし、小さいころからはじめると、中学あたりで子どもの気持ちが舞踊から離れていく場合があることも。部活だったり勉強だったり、周りの環境が大きく変化する時期です。しかし、ちょうど中学2年生からコンクール(後述)の稽古がはじまりますので、いかにこの時期を乗り越えるかがキャリアを積むうえで重要となります。
逆に、大人からでもはじめられるのか?といえば、もう人によるとしか。
社会人であれば、土日休みや有休・年休が取りやすい職業であることがまず前提です(舞台やリハーサルはだいたい土日に入る)。また舞踊をはじめると出費が増えたり家を空けがちになったりするため、家庭を持っているなら家族の理解と協力が得られなけばなかなか続けられません。そのうえで、どれくらい道場の気風に合わせられるかが重要となってきます。
月謝ってどんくらい?
月謝については、沖縄伝統芸能舞踊保存協会によって定められた料金表が存在します(だいたい道場のどこかの壁に貼られている)。
子ども/大人は、年齢ではなく稽古時間で分ける場合もあります。
夕方の早い時間(通称子どもの部)に通っていれば子ども料金、夜の部(大人の部)であれば大人の料金、といった具合。ちなみに教師・師範の会費(月謝)が10,000円となっていますが、教師免許を取得していなくとも、新人賞以上を取得している人は10,000円に料金アップする道場が多いようです。
また、コンクール(*のちほど説明)月謝については、先生の裁量により徴収の仕方が異なっていますので、受験する場合は確認が必要です。
◆パターン①
通常の月謝8,000円または10,000円+コンクール月謝20,000円を毎月支払う
◆パターン②
コンクール稽古期間中は月謝の金額が切り替わる
例)受験年の1月~8月:毎月20,000円 → 9月以降は8,000円または10,000円
*不合格だった場合は9月以降8,000円または10,000円に戻る
ところでこの料金表、平成13年に値上げをしているので、道場によってはそれ以前の料金を継続してるところもあります。。先生によりけり。
試験や免許ってあるの?
先程からやたら出てくる「コンクール」や「賞」というワード。これが琉球舞踊における試験であり、まさに資格であります。つまり「あなたの腕前どんくらい?」はこのコンクールでどの賞を受賞しているかで判断されます。
やたらにコンクールコンクールといわれていますが、実際の形式はコンペティション形式ではなく、資格認定試験に近い。英検や漢検の級に相当する「賞」と呼ばれるランクが設定され、各ランクに応じた課題演目の出来栄えを審査員に選ばれた舞踊の先生方が採点します。もちろん踊るのは一人ずつで・・・・・・。
コンクールは毎年初夏~秋にかけて、県内企業の「琉球新報社」(以下、新報)と「沖縄タイムス社」(タイムス)の両社が別々で開催します。所属している会派によってどちらのコンクールを受けるかが決まっているので確認が必要。
<コンクール概要>
◆正式名称:琉球古典芸能コンクール(新報)
伝統芸能選考会(タイムス)
◆受験部門:新人賞・優秀賞・最高賞・グランプリ(タイムスのみ)
◆受験分野:舞踊・三線・箏曲・胡弓・笛・太鼓◆基本的に公開審査(一般の人も見学可)
<参考:新報の場合の受験条件と課題曲>
*新報の場合、受験申込書に道場のお師匠さんの署名と捺印がないと無効になります。
舞踊部門以外の詳細はこちら→ https://corp.ryukyushimpo.jp/news/posts/6ZXgA5RL
*タイムスだと入門して2年後から受験が可能、かつインターネットでの申し込みができるようです。
両社、何が違うのかと言われれば、受験条件・日程・課題曲・衣装の指定・・・などでしょう。どちらのコンクールを受けるかは道場の所属会派で決まってしまうので、両社の舞台を見学して道場を決めるという手もアリかと思います。
そんでもって、最高賞やグランプリを取ると、教師や師範といった「免許」の授与に一歩近づきます。いいですか?近づくのは一歩です。
三線の場合、教師や師範といった免許に関しては各会派(野村流や登川流など)が認定試験を実施して合否を出します。しかし、舞踊の場合は完全に先生次第。最高賞を取っていてもなかなか教師免許をあげない先生もいますし、逆に賞を取っていなくても免許あげちゃう先生もいたり(かなり少数派ですが)・・・・・・。ちなみに免許に関しては、道場によるかとは思いますがいくらか献金が必要らしいと聞き及んでおります。
若いうちから賞を取ってきた方だと、30代くらいではだいたい教師免許をもらっているようです。早い方?だと40代では師範になっていたり。
ところでかさの芸歴は
で、散々語ったお前の芸歴はいったいどうなんだ、といわれれば・・・・・・。
◆2018年 入門
◆2021年 新人賞合格
私の場合は子どもの頃から習っていたんですが、中学生手前くらいでいったんやめたタイプです。その後、ほかの道場に移って今に至ります。
あまりポピュラーではないパターンですね。。
一応、2021年のコンクールの申し込み書類は芸歴4年で出しました。
小さい頃に習っていたとはいえ、一般社会で過ごした時間のほうが長い。舞踊界の慣習や風潮、感覚にはいまだ慣れないところが多いので苦労します・・・・・・。とくに会社で当たり前のことが道場では通用しなくていろいろびっくりする。
そのあたりは追々。
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とはいっても、道場や先生によって稽古の仕方や道場の運営方法はかなり変わります。あくまでも、かさはこういう環境で習っているんですねとでも思っていただければ幸いです。
つづく。
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