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#五十音物語
五十音で始める愛の詩 『絵描きさん』
「絵描きさん」
そう呼ばれることを少し嫌っている君。
「絵描きというのは行為であって、固有名詞じゃない気がする」という君の持論を「それってやっぱり絵描きさんらしい屁理屈」と僕がからかうと、君は「いじわる」といって頬を膨らます。
そんな君が好きだから、僕は「絵描きさん」と呼ぶのをやめられないんだよ。
五十音で始める愛の詩 『海の見えるレストランにて』
「海の見えるレストランで食事しませんか?」と、あなたに誘われましたね。
「正しくは、海の見えるテラス席があるレストランと言うべきなのですが」と、あなたは続けて言います。この、実にまじめなところがあなたらしくと、思い出しながら、いまも同じレストランで一緒に食事しています。
そして、これからも、時々、こうして二人でこのレストランで食事をするのでしょうね。お互い大好きな者同士でね。
五十音で始める愛の詩 『愛しています』
愛しています。
心から、そう言えます。
木漏れ日の中を、手を繋ぎながら歩いているこの瞬間に、
僕は君を愛していると、語りかけています。
とても幸せに満ちた時間です。
君の手の温もりを感じながら、
そして、歩みを揃えながら
僕は、僕が君のことを愛していると、
実感できることを心から嬉しいと感じています。
君の声、君の息づかいは、僕をとても幸せにします。
何もかもが素晴らしく思え、
何もかもが愛お