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相手は変わらない

夫婦間のことで、友人から相談を受けている。ここ数年。
夫さんと会話ができない、話し合いにならない、思うように行動しない、自分の、気持ちをわかってもらえない…。

話している間に何度も涙をポロポロ流し、声を詰まらせて言葉を絞り出す。
わたしは、離婚推進派なので、その旨を伝える。
友人も、それしかないよね…と項垂れる。

そして状況は変わらないまま、はや7年が過ぎた。
子どもが欲しいと言っていた友人は、できないまま43才になった。
昨年の冬に、夫さんが「やりたいことがあるので」と別の街に転居すると言い出し、友人は行きたくないと泣いていたけれど、行くか離婚かで、結局押し切られて、泣く泣く仕事を辞めてついて行った。

そして数ヶ月。
夫さんのやりたいこと(ライフワーク)はまだスタートせず、のらりくらりと言葉を濁され、友人はかなりメンタルが落ちて具合が悪くなっているらしい。二人して無職なので、不安になるのもある意味当然だけど。

時は戻らないとわかっているけど、つらい。知らない街で寂しい。夫とは話し合いができない。詳細を教えてくれないから、今後の展開が見えない…。仕事を辞めなければよかった。

自分は真面目に生きてきただけなのに、どうしてこんなにつらいのかと、嘆く友人だが、ずーっとずーっと同じところをぐるぐる回っている。メビウスの輪の中に入り込んで、ずっとぐるぐる回っている。

夫さんは、変わらない。
自分の好きなことをやり、めんどくさいと感じることは先延ばしにして後で考えることにする。奥さんは悩んでばかりいないで、好きなようにやればいいのに。お互い助け合えるところだけ、協力すれば良いのでは?…という具合に考えるタイプ。

友人は、「夫婦とはこう」という明確な枠組みが脳内にあるので、枠から外れているところは理解できないし、許容できない。
例えば、夫婦は一緒に暮らすもの、別居して別々の暮らしを持つということはありえない。妻は夫を立て、夫が上に立ち生活全般の舵取りをしていくもの。経済面で妻が夫を上回るべきではない…等々。

夫さんは、夫婦間はのんびり楽しく、お互いの好きなことをやればそれで良いと思っているので、妻が悩んだり怒ったりするのを理解できない。
別居については、最終的には仕方ないが、妻には一緒に暮らして、身の回りの世話をして欲しい、ぐらいには都合良く考えている。

夫が変わってくれない。わかってくれない…。

そりゃそうだよなあ…。
夫さんは、そもそも友人が求めていたタイプの「夫」ではなかったんだもん。
相手を変えるなんて無理なので、自分が変わるしかない。

友人のつらさは、ある意味自分で生み出しているんだなあと思う。

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