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『食リポ』なんかいらない!白石湖の牡蠣

こんにちは、枯木屋ユージンです

もう何年くらい前からでしょうか?
テレビで、朝から晩まで食べ物の情報を流すようになったのは。
それも、ほぼ全てのチャンネルで。
タレントや有名人が、絶えず何かを食べていたり、複数人で飲食店をだらだら梯子して歩き回っている。
ちょっと異常だと思いませんか?
これではテレビ離れが起こらないほうがおかしい。

「食べ物のことなんだから、ほんわかして良いではないか。目くじら立てるような事でもない」と思われる人も多いでしょう。

でも私は、大手テレビ局の手の施しようのない白々しさを感じています。
この白々しさとは、言い換えれば、今誰もが感じている大手メディアの想像もできないような闇です。
その闇の飛沫がスピンオフとなって現れているのが、食べ物の情報番組だったり、タレントが小学生のお遊戯のような事をして垂れ流している番組ではないでしょうか。

なので私は、今まで一度もブログやインスタグラムに食べ物の情報をアップしたことがありません。
実はそれより大きな理由があります。年に数回しか外食しないのです。
これでは記事は書けません。

そんな訳で、ここからは私の初の食リポをお届けしようと思います(何やと!)。と言うより、どちらかと言えば紀行文でしょうか?

以前から、一度は牡蠣のフルコース料理を食べてみたいと思っていました。
検索すると、やっぱり広島や鳥羽といった有名どころがでてきます。
でも、私の住む和歌山県白浜町から行くのは凄く遠い。美味しい食べ物の為なら世界中どこへでも行ってしまうセレブではないのですから。
さらに調べると、三重県紀北町の白石湖という場所が出てきました。一泊なら余裕で行ける距離ではないか。

しかも、白石湖は汽水湖。海ではなく汽水湖で養殖されたもので渡利牡蠣というらしい。へぇ~
特にに興味をそそらた事柄は以下の三点

  1. 汽水湖で養殖された牡蠣の味は爽やか

  2. この地の牡蠣養殖の歴史は広島や鳥羽より古い(約250年)

  3. 数が少なく、出回らないので幻の牡蠣と言われている

知らない事ばかりです。

そして、1月7日に三重県紀北町まで車を飛ばしたのでした。
白石湖へ到着すると、風情がスッと変わった気がします。
観光地でもないこの地はやっぱり静かで、海でも川でもない白石湖は不思議な佇まい。
その周囲約4kmには牡蠣小屋が点在していて、牡蠣御殿(実際は御殿ではありませんが)と思われる民家がポツリポツリと建っています。
この地域の人たちの暮らしが、湖によって成り立っていることが分かります。
人をほとんど見掛けることもなく、何処かへタイムスリップしたような、知らない国の知らない島に渡ったような気分になりました。

朝焼けの白石湖

夕方5時に、とある料理民宿に到着。
りっぱな家族風呂に入ったあと、いよいよ牡蠣づくし料理です。

まずは当然生牡蠣から始まりました。
その後、酢牡蠣、焼牡蠣、牡蠣鍋、グラタン、牡蠣ご飯とフルコースが続きます。
牡蠣を惜しみなく振る舞ってくれるのです。
遅い昼ご飯を摂っていたら、食べきれないかもしれません。

さて、この味をどう表現するのか? 爽やかなことは間違いありません。
テレビの食リポみたいな、わざとらしい物言いも嫌いです。
ここは素直に抜群に美味しいと言っておきましょう。
「抜群に美味しい」は、この旅館の女将さんが言った言葉です。

獲れる量が毎年安定せず、今年は供給不足だと言っていました。
しかし味は抜群ですと。この抜群が気に入ってしまったのです。

焼牡蠣

白石湖がもっと近ければ、毎年行ってしまうでしょう。
大きな家族風呂と宿泊費が込みで、この味、この価格、この満足度。
今の時代、良心的としか言いようがない。

でもここで一つの懸念が。
国内外の観光客が、ドッと押し寄せたりしないか心配になったのです。オーバーツーリズムと言うやつ。
紀北町は観光地らしい物は何もないし、牡蠣の数も他へ出回らないくらい少ない。宿泊施設も僅かなので、まぁ大丈夫だと思いますが。
そんな事が心配なら、ブログにアップするなと言う話ですよね。
ご心配なく。これを読んで頂いたあなたは、世界でたった一人の読者かもしれません。

ではまた次回


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