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インターネット広告の過去と現在(過去編)

こんにちは、山下顕多朗(やましたけんたろう)です。

最近、個人のパソコンを買い替えたのをきっかけに、ブラウザをBraveというブラウザに変えてみました。

このBraveというブラウザ、何が良いかって、広告をブロックしてくれるので、例えばYouTubeなどもYouTube Premiumに加入しなくても広告なしで見れてとても快適なんですよね。逆に広告を有効化すると、Brave固有のトークンをもらって寄付できるというのも面白いです。

それでふと思ったのですが、こういった機能のブラウザが伸びてるというのは、広告というのがいつの間にか「鬱陶しくて避けたいもの」になっているんだなと実感しました。

僕はデジタルマーケティング業界で仕事してきた経験もあり、勉強も兼ねてわざわざCMを見たり、広告を素材としてインプットしたりしてましたが、一般の人からしたら、さっきまでネットで見ていた商品が全く違うウェブサイトで広告に出てくることに「怖さ」を感じてしまう人もいるでしょう。

僕自身がデジタルマーケティングに携わって10年弱なので、歴史を語るにはあまりに短いキャリアだと思いますが、そんな短期間においても激変してきた「インターネット広告」のあり方の変化と、これからの時代のマーケティングについて考えを綴ってみようと思います。


ダイレクトレスポンスマーケティングの台頭

マーケティングといえば、長年4マスと言われる広告媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)に支えられて来ていましたが、その頃は商品やサービスも均一化していて消費者ニーズもその傾向がありました。

昔のフォード・モーターズを少しイジったエピソードとして、「フォードの車は好きな色を選べますよ、ただし黒に限る」というジョークがあるくらい、第二次産業革命によって推進された工場による大量生産は特徴的でした。

この頃はマーケティングといえばほぼマス広告を思い浮かべる人が多かった訳ですが、そこに手紙が加わり、後のメールマガジン(メルマガ)やダイレクトメール(DM)によるマーケティングが広がってきました。

マス向けではなく個人に直接売り込むことがダイレクトマーケティングと呼ばれ、明確な発案者は諸説ありますが、これを後に日本の市場に取り入れてマーケティング手法として浸透させたのが神田昌典さんと言われています。

更に顧客からの問い合わせや集客を意図した手法のことを、ダイレクトレスポンスマーケティングとも呼んだりしますが、ダイレクトマーケティングとダイレクトレスポンスマーケティングはほぼ同義で使われることが多いです。

インターネット前のダイレクトマーケティング

ダイレクトレスポンスマーケティングの分かりやすい例の1つがチラシです。「このチラシを持って来店された方には~」のように、来店という着地点を意図している点と、チラシがきっかけで来店した人数が明確に計算できるのがこの手法の魅力でした。

別の応用事例ですと、テレビショッピングで良く使われてるのは「この放送が終わってから30分以内にお電話いただいた方には~」という売り文句。これも、他の経路での問い合わせと区別して、テレビショッピングの反響を効果測定することを意図していました。

この頃から、マーケティングとは一方的な宣伝ではなく、顧客の行動に繋げる双方向性や、費用対効果を測るという概念が根付いてきます。

ネット広告革命

更にインターネットが発展すると、インターネットで物を売るビジネスが増えてきます。今でこそ多種多様なECサイトが存在しますが、昔は店舗もないのにクレジットカードでものを買うなんて怪しいと揶揄されたものです。

インターネットにダイレクトマーケティングを応用した例の1つが、アフィリエイトという仕組みです。英語でアフィリエイト(affiliate)というのは関連付けるという意味合いがありますが、ウェブサイト上のリンクをクリックしたユーザーが契約や購入に至った場合、成果報酬で流入元のウェブサイトに広告料を支払うというものです。

広告報酬の仕組みだけでいうともっと昔から存在したネットワークビジネスのモデルに近いとも言えます。

広告主としては成果報酬で払うためリスクが少なく、個人や小規模の事業者が自身のウェブサイトやブログで枠をつくって広告収入を得る可能性があるのは画期的なもので、様々な広告主や広告枠を取りまとめる立場としてASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)という業態も誕生します。

ウェブサイト上の枠を広告に使うというトレンドは加速し、広告枠を売り買いする仕組みを提供する企業(アドネットワークなど)や、自身が広告枠を直接提供するプラットフォーム(Google)などが台頭し、運用型広告と言われるネット広告の手法が確立されていきます。

運用型広告はインターネット上で行われるため、広告費用に対するクリック数、成約数などが厳密に集計できるため、費用対効果としてのCPA(Cost Per Acquisition: 顧客獲得単価)が増々シビアに評価されるようになりました。

広告主にとっては、広告予算をより厳密に配分できるようになり、広告枠にとっては自身の付加価値が厳しく見られるようになります。

※ネット広告の歴史については以下の書籍を参考に。

インターネット広告の躍進を物語ったニュースと言えば、2021年にインターネット広告費が4マス媒体の広告費を上回った時と、同時期くらいにインターネット広告代理店大手のサイバーエージェントの時価総額が、従来の広告代理店大手である電通の時価総額を上回った時が印象的でした。

まとめ

マス広告からターゲティング広告に向かう傾向と、それを加速させたインターネットの普及について書きましたが、今となってはマーケティング活動においてインターネット広告は欠かせない施策の1つになってきています。その中で、インターネット広告はそれ特有の課題も生まれています。

今回は過去から今に至るまでを振り返るだけでかなりの文量になってしまったので、一区切りつけて続きは別記事でアップしようと思います。

続きの第二部はこちらから。
インターネット広告の過去と現在(現在編)

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