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SNS自由化の時代に考える情報リテラシー(SNS自由化編)

こんにちは、山下顕多朗(やましたけんたろう)です。

テレビを手放して8年ほど経ちますが、最近はオンデマンド配信やSNSでかなり事足りてしまい、スマホ一台で殆どの情報が手に入ってしまうという点でとても便利な時代になりました。

特に最近はTikTokとかにもニュース番組の公式チャンネルも登場しており、国内に限らずCNNやBBCなど海外ニュースもアクセスできてしまうので、朝の通勤時間に新聞ではなくTikTokを開いたりしてます。

皆さんはどんな情報源に頼ってますか?そして、その情報の正確性や妥当性について気にしてますか?

SNSを主な情報源にされている方も多いかなとは思いますが、SNSを使うユーザーとしては情報リテラシーがより一層求められる傾向にあります。それを裏付けする発表がMeta社よりありました。


Meta社がファクトチェックを廃止

先日、Meta社のマーク・ザッカーバーグ氏がFacebookやInstagramのファクトチェックを廃止することを発表しました。

Facebookを始めとしたSNSでは、ユーザーが自由に投稿できてしまうため、第三者機関や社員がオンラインの投稿を確認して、危険性のある誤情報や攻撃的な内容を規制対象として削除したりユーザーを制限するなどというのがファクトチェック体制として一般的かと思います。

ファクトチェックの重要性

ファクトチェック、コンテンツモデレーション、トラスト&セーフティなど、会社や業界によって色んな呼び方があると思いますが、何故重要なのか。その点、ファクトチェックの重要性が顕著だった事例としてはコロナ禍が挙げられると思います。

コロナのパンデミックが広まった時は、まだワクチンもない中で症状や実態も知られていない中で、あらゆる情報が玉石混淆で出回っていました。そこから、あらゆるネット媒体はWHOの公式見解を基準に、それに反する主張を含む投稿については削除する規制を行っていました。

Googleによる品質評価ガイドラインには、YMYL(Your Money Your Life)という概念があるように、お金や健康に関する情報発信に関しては一段と情報の内容だけでなく発信者が誰なのかも評価されます。

エクスペリエンス(Experience)、高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)、すなわち E-E-A-T の面で優れているかを判断するための要素の組み合わせを特定します。

出典:Google 検索セントラル|E-E-A-T と品質評価ガイドラインについて

過剰な規制が問題視

一方で、第三者機関が入ったとしてもファクトチェックの線引は難しかったりします。

前述のコロナ禍における医療に関する情報規制もかなり厳正に行われた結果、大手製薬会社の元社員や医師の投稿が削除される場面もあり、これらが過剰規制として陰謀論の加熱に発展したりもしました。

言論の自由と秩序のジレンマ

別の観点では、Google、Facebook、TikTokなど影響力の大きいインターネット媒体は、その影響力が故に監査の目を向けられてきましたが、コンテンツ規制への反論としてあるのが言論の自由に関する主張です。メディアでも良く報道の自由が論じられますね。

一方で、SNSに限らず情報メディアというのは反響あってなんぼ、インプレッションやPV(ページビュー)の数などを追いかけると、関心を引く話題や言い回しに偏ったり、事実確認が不充分なまま発信される情報も存在してしまうため、

X(旧Twitter)の前例から見るSNSのファクトチェック規制緩和

今回のMeta社の発表から連想されるのがX(旧Twitter)の前例です。

イーロン・マスク氏が就任した頃に、無駄をなくすという観点から大規模のレイオフがありましたが、その多くを占めたのはトラスト&セーフティ部門の社員だと言われてます。

では、その人員が担っていたファクトチェックやコンテンツ規制はどのように行っていくのか。

ユーザー志向とコミュニティノートの導入

ユーザーにとっての言論の自由を重んじた方針を発信しつづけてるイーロン・マスク氏ですが、ファクトチェックについてもユーザー同士が情報の正確性を言及できるコミュニティノートという機能が導入されました。

コミュニティノートを投稿できるのは自ら申請し承認されたユーザーのみなので、投稿に対するコメントと違って、投稿者が厳選されるのもコミュニティノートの価値を上げる要素かと思います。

AIによる自動化

ファクトチェックについては、Xが開発したGrokというAIを用いた自動化も取り組んでおり、誇張した表現であるかどうかなどを判定してユーザーに教えてくれることで、情報をインプットする前に立ち止まるきっかけとして機能することが期待されます。

まとめ

昨年のXに続き、Meta社がファクトチェック体制を廃止し、今後は多くのSNSでも言論の自由を重視した規制緩和が進むことが予想されます。そして企業主体のコンテンツ規制から、ユーザー主体のクロスチェックや、その更に先にはAIによる自動規制が広まっていくでしょう。

その中で、各個人が自身のファクトチェッカーとして機能することも重要になってきます。次回は具体的にどのように情報リテラシーの観点からSNSと向き合っていくかについて書いてみようと思います。

続きの第二部はこちらから。
SNS自由化の時代に考える情報リテラシー(情報リテラシー編)

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