8+1の公式における「前提条件」って何?
はじめに
生成AIをうまく使うためには、プロンプトの作り方がとても大切です。今回は、その中でも最初に押さえておきたい「前提条件」について、分かりやすく解説します。
1. 前提条件の役割
生成AIにいきなり細かい指示を出すと、うまく理解されないことがあります。そこで、まず「前提条件」を設定して、生成AIにタスクの方向性を伝えることが大事です。
プロンプトは生成AIとのコミュニケーションツールです。前提条件をしっかり決めておくことで、生成AIが目的を理解しやすくなり、期待に近い結果を得やすくなります。
例:妻への感謝の手紙プロンプト
# 前提条件:
タイトル: 妻に感謝の手紙を書く
依頼者: 妻に感謝の気持ちを伝えたい夫
実行者: 感情表現の文章化が得意な人
目的と目標: 感謝を心から伝える手紙を作る
このように設定しておくと、生成AIは「感謝を伝える手紙を書く」という目的を理解しやすくなります。
2. 前提条件に書くこと
前提条件には、次の4つの項目を含めます。
(1) タイトル
プロンプトの内容を一言で伝えます。 例:「妻に感謝の手紙を書く」
タイトルはプロンプトの概要を端的に示すために非常に重要です。これによって生成AIは最初にタスクの種類を把握します。
(2) 依頼者
このプロンプトを依頼する人を明確にします。 例:「妻に感謝の気持ちを伝えたい夫」
依頼者を明記することで、生成AIはどの視点で文章を作成すべきかを理解します。これにより、依頼者の意図に沿った回答が得られます。
(3) 実行者
生成AIにどんな役割を担ってもらうかを指定します。 例:「感情表現の文章化が得意な人」
生成AIがどのような立場で作業するかを明確にすることで、文章のトーンや内容に一貫性を持たせることができます。
(4) 目的と目標
プロンプトのゴールを具体的に示します。 例:「感謝を心から伝える手紙を作る」
目的と目標を明確にすることで、生成AIは方向性を見失わず、タスクの達成に集中できます。
3. 前提条件の重要性
前提条件を設定すると、次のようなメリットがあります。
生成AIがゴールを理解しやすくなる:方向性を示すことで、生成AIが迷わず作業を進められます。
具体的で精度の高い回答が得られる:曖昧さがなくなるため、質の高い結果が期待できます。
細かい指示が通りやすくなる:土台がしっかりしていると、その後の指示も伝わりやすくなります。
前提条件は、生成AIと人間の間に「共通認識」を作るための橋渡し役です。この準備を怠ると、生成AIが意図を取り違えたり、期待と異なる結果が生まれることもあります。
4. アドバイス
生成AIへの依頼は、仕事の発注書を書くように考えるとよいでしょう。前提条件をしっかり伝えることで、期待に沿ったアウトプットを得られる可能性が高まります。
また、前提条件に曖昧さを残さず具体的に記載することで、生成AIのパフォーマンスを最大限に引き出せます。まずは試しにプロンプトを作成し、実際に生成AIの反応を見ながら微調整を繰り返すこともおすすめです。
次回予告
次回は「対象プロファイル」について詳しく解説します。お楽しみに!