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「黒いライオン」

小学生の授業参観に行った時に、子どもたちが描いた絵が壁に貼ってありました。

あるお子さんが描いたライオンの絵は、まっ黒で、それもゴシゴシと塗られていました。

このお母さんは「なんでこんな色にしたの、黒いライオンなんていないのに」と他のお母さんにこぼされていました。

その場にいた他のお母さんたちも「仕方ないよね」と苦笑い。私もその時は「この子は黒が好きなのかな」くらいにしか思いませんでした。

ところが後日、その絵は「黒いライオン」と題されて、地域の小学校の絵の大会で、大賞を取ったのです。

「黒という色は、力強さや存在感の象徴でもあります。ライオンの強さと黒色を直感的に結びつけて表現したこの絵は、審査の先生からも好評でした」と担当の先生が教えてくださいました。

もう一つ注目すべきは、この絵を推薦した美術の先生の柔軟な見方や物の考え方です。固定観念を持たず、子どもの独自の視点を尊重することで、黒の奥にあるより豊かな表現を見抜いたのだと思います。

自分が経験してきたことが積み重なって、自分の中の常識になる、つまり自分の考えの「物差し」になるわけですから、新しい事を経験すれば「物差し」も長くなり、小さな物から大きな物まで、測れる(理解できる)ようになるわけです。

私などは、すでに50数年、経験を重ねてきましたので、この物差しをさらに大きくするのは、なかなかに努力がいります。
「黒いライオン」を見て、「ああ、色を間違えてるな」と自分の物差しで測るのか、「どうして黒なんだろう」と、思ってさらに大きな物差しにしていくのか、紙一重のところなのかもしれませんね♪

最後まで読んでくださり、ありがとうございます♪
どなたかの何かの小さなお役に立てれば、幸いです♪

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