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”自然なお産”について話してみる
こんにちは、大井かおりです。WEBディレクター&企業のバックオフィス業務をフリーランスでやっています。
1年の99%は在宅ワークで過ごしています。
まもなく1歳半になる息子が居るので、近所にいる実家家族からのサポートも欠かせません。
今日はあらためて、私が体験した「自然なお産」について綴ってみようと思います。
・これから出産を控えているかた
・すでに出産を経験されたかた
・いつか出産・子育てを考えているかた
どなたでも、ゆるーく読んでもらえたら嬉しいです。
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結婚~妊娠がわかるまで
私は比較的、周囲の女友達より結婚タイミングが早く20代前半で入籍しました。入籍の1年後に挙式をし、翌月に海外へ新婚旅行をし、、ライフイベントのタイミングは自分次第で、好きにコントロールできる感覚が芽生えていました。
が、、、子はなかなか授からず。
学生時代から生理周期が長かった(35~45日と、日数もその時々でバラバラ)のも、影響していたのかなと思います。
仕事中心な生活リズムと、やっつけな食生活。あまり自分の体に気はつかえてなかったです。
「赤ちゃんできたら嬉しいな」と思った日から気付けば1年、2年と時間が過ぎていきました。
人間とは不思議なもので、当初は高まっていた気持ちも、実現しないとなると、段々と気持ちが薄れていきます。諦めに近い気持ちも出てきました。
「最悪子供ができなくても、夫婦としてそれはそれで幸せだ!気にせず、今だからこそできることに時間とエネルギーを注ごう」そんな気持ちになっていました。
妊娠がわかったのは、結婚後5年が経とうとしている時でした。突然すぎて、とても驚いたのと、同時に嬉しさが込み上げ、これから始まる妊娠生活や、出産、そして生まれた後はどんな生活になるかなと、ウキウキワクワク、思いを馳せていました。
妊娠生活スタート
妊娠がわかってから、何度か近所の産婦人科クリニックへ妊婦健診で通いました。
エコーで小さな命をモニター越しにながめます。
初期はまだお腹で動いたり、蹴ったりする様子はわかりませんが、間違いなく自分の中に命が宿っていることがわかります。
私は妊娠13週あたりで、ベテランの先生に性別を予想され(結果、的中してました)、「現代はこんなに早く性別が分かっちゃうんだな~」と驚きました。
そしてそして、多くの妊婦さんが経験する”つわり”もかなり初期からやってきました。たしか妊娠6週~20週頃まで続きました。(体感としては丸3か月)
私の場合のつわり症状
時期としてはちょうど9月~11月にかけてでした。
・船酔いのような気持ち悪さ
朝のほうが症状軽い。夜は悪化しやすい。
夕方ごろからはなるべく暗い部屋で横たわっていた。
・食欲ほぼゼロ
●飲食できたもの:アクエリ、グレープフルーツジュース、
オレンジジュース、ゼリーを冷やしたもの、トマト、みょうがきゅうり、
(たまーに)湖池屋のポテチ
●NGだったもの:お米(炊飯のにおいが厳しい)、出汁のきいた煮物
(こちらも同様、煮てる間のにおいで吐きそうに・・)
フルタイム(1日8時間、週5)で働いている最中のつわりでしたので、かなり体に無理させてしまったなと思います。私は仕事柄、PCを見続ける時間がほぼ100%なので、画面を見るだけで気持ち悪さが増していきました。
つわりの時期って、安定期前なので、どう周囲の方々に伝えるか迷いますよね。私の場合は、仕事のお客さんで近しい方には伝えることにしました。体調が悪化して、仕事に着手することが困難な日もありそうだなと、つわりが始まった時点で感じましたので、状態を伝えやすいよう、妊娠中であること、つわりが始まっていることは親しい人には伝えるようにしました。
出産場所、方法、どうする問題
妊娠がわかってすぐに私がしたこと、それは、片っ端からYoutubeで出産動画を観ることでした!(今考えると、やりすぎだったかも・・笑)
「やっぱり痛いのかな?鼻からスイカってのも聞いたことある・・」「産まれる瞬間にハサミでおまた切るっていうのも聞いたことあるぞ・・」
妊娠の喜びもつかの間、出産への恐怖がどんどん増してきました。
しかも、Youtubeにアップロードされていた動画も、妊婦さんが絶叫するものや、痛みで悶絶するものばかり・・「私も出産のとき、こんなに痛みに耐えて苦しみながら産まなきゃいけないのかな・・」と本気で思いました。
そして、私はある一本の出産動画と出会いました。
ヨガ講師をされている夏未さんの動画でした。
私自身が妊娠1年前からヨガを日常に取り入れていたこともあり、ヨガは出産にも何かよい効果があるのかな?というくらいの興味で視聴しました。
結果、こちらの動画に出会えて本当によかったな、と思いました。
・出産に対する恐怖が消える
→「消える」というか、しっかりと出産に向けた体づくりをすれば、
恐怖は自信や勇気に変わると思えた
・自宅で出産しているため、家族も近くで見守っていて、
とてもアットホームな雰囲気
もう一つ、運命的出会いと感じたチャンネルはこちら。
助産院で活躍する助産師お二人が出演されているYoutube「アミプラ」(世界1満足な出産へ!助産師YouTuberアミプラ)
この動画を観て、病院、助産院、自宅出産それぞれの違いや、経腟分娩、無痛分娩の違いなどがとてもよくわかりました。
私が”助産院での出産”を選んだ理由
安定期前までの約3か月ほど、私はどこで出産したいのか?できるのか?ずーっと頭の中でぐるぐると考えていました。
そして紆余曲折あり、私は助産院での出産を決めました。
助産院で産むと決めた理由
病院での出産は医療介入しやすいため、妊婦・赤ちゃん主体ではなく、医師主体のお産になることが多い
お母さんの本能(赤ちゃんの意思)のままに進むお産は、体へのダメージも少なく、出産中分泌されるホルモンによって、お産の痛みが緩和される
緊張や興奮時分泌されるアドレナリンは陣痛を弱めてしまう→結果、お産の進みが遅くなる
安心、リラックスしているときに分泌されるオキシトシンは、感じる痛みを緩和してくれる
病院は扱う分娩数も多いので、出産のタイムリミットがある(次の分娩が控えているので、お産の進みがゆっくりだと促進剤投与や会陰切開が用いられやすい)
病院で当たり前に見かける分娩台は仰向け姿勢(足も固定される)になるので、出産時会陰に負担がかかりやすい
立った状態や、四つん這い姿勢のほうが、お尻が下にくるので、重力に沿った姿勢となり、結果赤ちゃんが出てきやすい
助産院は家族(夫だけでなく兄弟などもOK)が立ち会うことが可能
助産院は妊婦さんの好きな体勢で出産ができる(椅子へ座る、四つん這い、横向き、希望すれば水中など、なんでもOK)
助産院は母子ともに過ごすことを大事にしてくれる
助産院は、へその緒も立ち会ったお父さんがカットしたり、他の家族がカットしたりできる
助産院の場合は、同じお産婆さんに、健診から出産、産後の入院期間含め見てもらえる
→これはかなりメンタル的に安心できた。病院だとその日のシフトで人がころころ変わる。分娩時に「初めまして」となるのは、個人的に警戒してしまうし、安心できなさそう、と感じた。
自宅から比較的近い、レディースクリニック(病院)での出産も考え、一度通院したが、女医さんの態度が冷たく、一生に一度あるかないかの大事なお産でお世話になる気が一気になくなった;(これは余談です)
最初は無痛分娩も検討してました。(陣痛が恐怖だったので。お股も当たり前に切開されると思っていたので。)色々調べた結果、母親や家族のエゴ(例えばこの日に生まれてほしいなど)によって、促進剤やあらゆる器具を使って赤ちゃんを無理矢理外に出す手法に感じたので、自然と候補から外れました。あと値段も高い。経腟分娩の+10~20万円は覚悟したほうがいい
(お母さん自身の体の状態や、持病、などあらゆるリスクを考慮して、無痛分娩を活用される方もいらっしゃると思うので、あくまで私の所感として捉えてくださいませ)
お産に前向きになれる本
私が妊娠中読んで大きな背中押しになった本を2つご紹介します。
どちらもお産婆さん(現代でいう助産師)が書かれた書籍です。
女性には、もともと出産に耐えうる力を持っていること、
体づくりをしていくことで、体力がつくだけでなく心も強くなっていくこと、赤ちゃんとの意思疎通もできていくことが印象的でした。
よかったらお手にとってみてください。
助産院での妊婦検診
助産院で産みたい!と決めてから、実際に場所が見つかるまでは、少し苦戦しました。
自分にフィットする助産院を見つけるのに大変だったこと
初産婦を受け付けている助産院が少ない(一般的に経産婦のほうがお産が早くすすみやすいので、リスクが低いといわれている)
自宅から通いやすい場所にある助産院がほぼない
お産婆さんとの相性が合うかどうかも大事(私は、「あまり厳しく色々言われるのはちょっと嫌・・」というタイプです)
提携している病院が遠すぎないこと
助産院で出産する場合も、数回の妊婦検診は提携している病院で行います
助産院での妊婦検診は・・天国だった!
私はご縁あり、東京足立区にある、ひな助産院で出産をすることにしました。
院長である斉藤先生はとても優しく、お母さんのような、お姉さんのような存在です。
病院での妊婦検診は、尿検査や体重結果提出して→数十分待たされて→医師と少し喋って(最低限の会話)→また数十分待って→お会計して終了。
ですが、助産院は違いました!本当に温かい空間・時間で、毎回がとても楽しみだったんです。
お腹の赤ちゃんの心拍を測る時、お腹をさわるときも斉藤先生は、まず赤ちゃんに語りかけます。「こんにちは~少し触らせてね~」といった具合で。
これまで関わってきたなかで、赤ちゃんへ語りかけてくれる人はいなかったので、とても嬉しかったです。同時に、母である私自身も、もっとお腹の赤ちゃんに語りかけよう!と思いました。
測定が終わると、「睡眠はとれてる?」「食事はとれてる?」「聞いておきたいこととかある?」といったふうに、とても繊細に尋ねてくれます。
「こんなこと聞いたら、大げさかな?」と思うちょっとしたことも、先生には尋ねやすかったです。
時にはテルミーという温灸を、冷えやすい足や腕にもやってもらったり。
毎回、満ち足りた気持ちで健診を終えてました。
助産院での出産
無事に夫立ち合いのもと、夜中から本陣痛、早朝に出産しました!
助産院はほぼ家に近い間取りなので、移動も最小限で済むので、陣痛中とても助かりました。
睡眠中も先生がすぐそばで待機してくれているので、安心でした。
出産中、私は大きなビーズクッションにもたれかかる四つん這い姿勢でのぞみました。姿勢は事前に決めていたわけではなく、その場の本能というか、この姿勢なら体がラク!という感覚でした。
いきむ間も、なるべく内なる自分に意識を向け、可能なかぎりリラックスを心がけました。(息を吸うより吐くほうを重視)
無事に生まれてきてくれた息子と、ずっとそばでサポートしてくださった斉藤先生やお産婆さんたちと、腰を終始さすってくれていた夫に感謝です。
出産直後って、本当不思議な感覚で。
一般社会とは別の異空間に赤ちゃんと居る感覚でした。
産後の体は想像以上に軽くて驚きました。自分が瞬間瞬間でのぞむ姿勢でお産にのぞめたのが大きかったです。
幸い会陰も切れることなく、出産を終えられました。
ただ、出産途中、赤ちゃんの頭が引っかかった時間が少し長かったので、お股は10日ほど腫れが続きました。(お小水のとき沁みる程度)
助産院で、ラベンダーオイルで漬けたガーゼを渡してくれたので、産後はお股にあてて過ごしていました。ひんやりして、腫れの痛みが和らぎ、過ごしやすかったです。
助産院で過ごした間の写真たちです。
見るだけで当日にタイムスリップできるので、不思議。
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生まれた当日の息子
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出産直後は自分と子供のお世話で精一杯だったので、こういった記念品を持ち帰れるの嬉しい
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斉藤先生が大好きなハワイテイストのお部屋です
自然なお産
今や病院分娩は全体の99%を占め、助産院や自宅出産を選択する人は1%だそうです。
私は、母も助産院出産を経験していたので、小さい頃から存在を知っていましたが、病院以外で生むという選択肢があることを知っている人は少ないです。
戦前は当たり前だった、お産婆さん立ち合いの自然なお産。
家族に囲まれ、安心できる空間でのお産。
お母さんが安心して穏やかな気持ちでいると、赤ちゃんも安心して外に出てこられるように思います。
病院出産を経験した友人のなかには、病院の対応に対し、悲しい思いやつらい思いをしたという人がいます。
一生に一度あるかないかの出産、そして産後直後の赤ちゃんや家族との貴重な時間。そんな貴重な瞬間を、悲しい思い出にしてしまうのは勿体ないなと私は思いました。
目先の情報や周囲の意見に流されすぎず、
”自分はどんな価値観のなかで生きたいのか”、
”どんな人に囲まれて出産を迎えたいのか”、
”どんな自分で赤ちゃんを迎えたいのか”、
ぜひ自分を大事にしてほしいなと思います。
2023年10月18日 大井かおり
読んでくださって、ありがとうございました。