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ケイスリー代表の幸地です <番外編:これからの「新しい会社のあり方」を提示していきたい>

ケイスリー代表の幸地正樹です。

これまで4回にわたって、私の創業にまつわる話を綴ってきました。次回が最後となりますが、その前に、「私が、会社を経営する上で大切にしている3つのこと」を番外編としてお伝えしたいと思います。

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(めったに行かなくなったオフィスにて。右が私です)


1つめ。「仕事」の枠で区切らない

 
私の中には、いわゆる「仕事」と、それ以外のこと、たとえば、プライベートの時間や家族、健康、その人が大切にしていることなどは、繋がっていて切り離せない、という考えがあります。だから「仕事」優先で、それ以外を犠牲にするような働き方は、したくないし、して欲しいとも思いません。

ケイスリーは、「インパクト・ファースト」と言って、社会のためを第一に考えて動くことを大切な価値観としていますが、この「インパクト・ファースト」も、働く人の何かを犠牲にして成り立つのでは、まったく意味がないと思うのです。働く人も「社会」の一部だから。そして、そもそも、良い仕事は、その人の「仕事以外の部分」もきちんと守られて、はじめて生まれてくるのだと思っています。

具体的には、足元の業務に直接は関係しなくても、関心のあることや新しいことへのチャレンジを応援するような福利厚生をつくったり、「体調が悪い」と言いづらい空気を作らないとか、オンライン会議に子供が乱入しても温かく受け入れるとか。「仕事以外の部分」の都合が持ち込みにくい環境をつくらないように、と日々考えています。

もちろん我々はスタートアップなので、「仕事」のアクセルを踏むことも大切です。がむしゃらに動くことや、スピードを求める場面も多々あります。経営者としても、そういう意味でのスタートアップらしさと、「仕事以外の部分」を大事にすることとのバランスをどう取れるのか、は悩むところですが、それでも「仕事以外の部分」も大切にするという考えは貫いていきたいです。

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(恵比寿にオフィスがあったころ)

2つめ。今の「 流れ」を楽しむ


自分もそうですし、会社のメンバーもそうですが、個々人が持っている想いや希望、人脈やネットワーク、その中で声が掛かったり誘われたりすること、そういうものは全部つながっていて、それによって起こる流れや変化、展開を楽しむことを大事にしています。

その中には、良いことも悪いこともありますが、それらも全部つながって未来に向かっている。だから、たとえば誰かがいわゆる『失敗』しても、「失敗」とは思わないですし、気にしたり責めたりもしません。後ろを見ても何も変わらないので。それよりは「今」と「これから」を見る。失敗は、どう生かすか?と考えます。そうして、常に流れの先端に乗る。それを大切にしています。

やはり、私の根本に「すべてのものは繋がっている」という考え方があるんですね。計画的に戦略的にやること、こだわりを持ち続けることももちろん大事ですが、同時に、流れを楽しむ、偶然を楽しむ、変化を楽しむ。そのことは、これからも大切にしていきたいです。

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3つめ。最上に向かうチームをつくる


一人でできることには、時間的にも能力的にも限りがあります。だからこそ会社というチームで、より大きなことを成し遂げたいと思うのです。

私自身、人と一緒に働くことで、自分と得手・不得手が反対の人がいたり、自分では見えていなかった部分に気づかされたり、全く違う意見とぶつかったりして、自分一人でやるより、ずっと良いものが生み出せてきたという実感があります。

だから、組織内でも、多様なメンバーが協力し合ったり、いろいろな視点をぶつけ合って、より良いものをめざしていけるチームをめざしたい。そのために、お互いをよく知ることや、遠慮せずに意見を言い合える関係性をつくることは、とても大事だと思っています。経営者としては、この「心理的安全性」と言われる、「組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態」をいかにつくるか、を常に考えています。

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たとえば、年に4回、メンバーの「心理的安全性」の状態を知るためのアンケートを独自に作って、私が直接、全員に対して実施しています。これによって、状況を知り、改善策を考えるのはもちろんですが、こうしたアンケートをやること自体が、メンバーに対して「心理的安全性を重視している」というメッセージを発することになると思っています。

他には、月に一度、チームビルディングを目的にしたアクティビティもやっています。少し仕事から離れたことを、みんなで一緒にする。これまで、アートバーで一つの絵を描いたり、レゴブロックを使ったワークをしたり、劇団文学座にお願いして演劇ワークショップをしたり。一人ひとりが自分のストーリーを順番に語ったり、NVC(非暴力コミュニケーション)の講師を呼んで全員で受講したりもしました。

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チームビルディングは難しくて、まだまだ途上ですが、リモートになってからも続けていますし、これからも試行錯誤を続けていくつもりです。

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これが、私が組織を経営する上で、大事にしている3つのことです。これまでなら、「成長」という概念とは反対のものとして捉えられてきたものばかりかもしれません。これまでの「成長」は、やはり、こうしたものを犠牲にして成り立ってきた部分があると思うのです。

でも、ケイスリーは、こうしたことも大事にしながら「成長」をしていく。むしろ「成長」を支えるのだということを示していきたい。ケイスリーを通じて、そうした「新しい会社のあり方」を社会に提示していたら。そんな想いで経営しています。

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次回は、私とケイスリーのこれからについてです。本当に最終回です。いつもお読みいただき、ありがとうございます。

(話:幸地正樹、文:今尾江美子)






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