僕がそんなにモテるわけ 第7話
プップー
幸也:いつからあいつのこと好きなの?
久美:……答えてなにになるの?
幸也:あいつは確かに変わった。でも根っこの部分はまるで変わってない。だから〇〇の気持ちはそう簡単に変わるわけではない
久美:なにが言いたいの?
幸也:本当に〇〇のこと好きなら久美ちゃんも変わらなきゃいけないんじゃない?
久美:……
幸也:俺は久美ちゃん以上にあいつのことを知っているかと言われたら知らないよ?でも今のあいつを知っているのは俺だったり保乃ちゃんだよ?
久美:……
幸也:だからこそ昔のことに取り憑かれるんじゃなくて、新しく踏み出さないと、最後は負けるよ?
久美:…勝手なこと言わないでよ
幸也:ま、どうするかは自分で決めればいいよ、安心しな、死ぬ気でやってみ?死なないからさ、お疲れ様〜また仕事でねー
久美:……
ーーー
ピピピ…バン!
〇〇:…夢か
凄い夢だった
明らかに僕は現実で起きたことではなかった
〜〜〜
保乃:……
〇〇:……??
保乃:…ふぅ…おやしゅみなしゃぁい〜
バタン
〇〇:……え?
〜〜〜
〇〇:おはようございます
社員:おはようございます
いつものバスにも保乃さんはいなかった
〇〇:ふぅ…
ブー📱
〇〇:ん?
保乃📱:昨日はありがとうございました!あの…送ってくださったんですよね?お礼がしたいのでお昼一緒にどうですか?
〇〇:もしかして…記憶ない?
幸也:記憶ないかもなー
〇〇:うわ!びっくりした!
幸也:ベロベロだったし、タクシー乗せて家に送り届けなきゃいけなかった状況だったしな〜
〇〇:う、うん…
幸也:ていうかお前保乃ちゃんの家まで知ってたのかよ!グリグリ
〇〇:い、家近くだから前にも送ったことあったから…痛い痛い!
おはようございます!
〇〇:ん?
幸也:お、美玖ちゃんおはよう〜どうした?
美玖:実は今日から営業部のインターンなんです!
幸也:おー!ん?でもここシステム開発部だよ?
美玖:幸也さんに付きなさいって言われましたので!
幸也:くそ…あの部長俺がサボってるって思ってるな…あーまぁ今日は外回り多めだからいいか、美玖ちゃん今日はなかなかハードだけど大丈夫か?
美玖:はい!じゃあ〇〇さん!また今夜!
幸也:じゃあな〇〇…って今夜?
〇〇:…今夜?
ーーー
里奈:次のシーンまで15分休憩でーす!
監督:里奈、今度のCMのタレント決まったらしいな
里奈:ええ
監督:まぁなにもなければいいな
里奈:やっぱりそう思います?
監督:画面からの好感度と本当の人はわからないからな、気をつけてやれ
里奈:はい
ーーー
〇〇:ふぅ…
📱ブー
保乃📱:お疲れ様です!お昼一緒に行きませんか?
〇〇📱:すみません、お昼もう食べてしまって
保乃:本当ですか?
〇〇:うわ!びっくりした…ってメガネ?
保乃:あのー…寝坊しまして…笑
〇〇:あー…まぁそうだよね…
保乃:それで…お礼の方を…
〇〇:いや、お礼なんていいって…
保乃:いいえ!必ずお礼します!あ、ちょっと待ってくださいね!
〇〇:本当に…
📱ブー
〇〇:……
久美📱:今夜空いてる?
〇〇:……
ーーー
タッタッタッ
久美:へぇ〜来るんだー
幸也:あいつは来ないよ
久美:知ってる、断られた
幸也:マジの残業だよ
久美:まぁなんでもいいけど…笑
幸也:俺はなんだ?ヘルプか?
久美:ヘルプというよりは…使い勝手のいい道具かな?笑
幸也:ひでぇ言い方だな笑
〇〇:んー…ここをこうしておかないと…
コト
〇〇:あれ?
美玖:お疲れ様です!
〇〇:え?こんな時間まで?幸也と残業?なわけないよね?
美玖:忘れ物したので取りに来たんです笑そしたら運が良いことに〇〇さんがいました!
〇〇:残業してるだけなんだけどね笑
美玖:いいじゃないですか?頑張ってるってことですよ!
〇〇:本当は時間内に終わればいいんだけど笑
美玖:キョロキョロ
〇〇:どうしたの?
美玖:ここ…座っても大丈夫ですかね?
〇〇:うん…まぁなにも話は出来ないけど…
美玖:じゃあゆっくり見てますね!
〇〇:え?なにを?
美玖:え?〇〇さんを?
〇〇:え"
〜〜〜
幸也:ふぅーん…
久美:なんであんたに話さなきゃいけないんだろ
幸也:そうだな、俺から言えるのは、〇〇のこと好きなんだなってことがわかったくらい
久美:〇〇が気づかないのが悪い
幸也:恋愛って気づかせることも大切だよ?どんなに自分が綺麗で頭良くて人望があったとしても本当に大切な人に振り向かせるには結局は勇気と行動だから
久美:でもさ、私は〇〇に対してそういうところを見せてたはずだよ?
幸也:保乃ちゃん見てみろよ、あの場で全員に向けて〇〇のこと好きって言ってるようなもんだったろ?あれくらいやらないとわからないと思うぞ?
久美:…そうかもしれないけど
幸也:今頃も誰かとなにかしてるんじゃないか?
〜〜〜
〇〇:…あのー
美玖:はい?
〇〇:隣にいるのはまだいいんだけど…
美玖:はい!
〇〇:なんでくっついてるの?
美玖:え?
〇〇:仕事終わらない…
美玖:終わったら帰っちゃいますよね?
〇〇:帰るけど…
美玖:ご飯食べに行きませんか?
〇〇:ご飯?ご飯!?
美玖:はい!
〇〇:昨日も行ったじゃん?
美玖:昨日は皆さん居たじゃないですか?今日は2人です!
〇〇:2人!?
美玖:ダメですか?
上目遣い、そしてこの少し幼さもあるが美形の顔立ちにほんの少し見せる…
〇〇:…あ
美玖:ん?
久美:で、結局あんたはどっちの味方なの?
幸也:んなもん〇〇に決まってる
久美:でしょうね!
幸也:でも久美ちゃんの味方でもある
久美:なにが言いたいの?
幸也:俺はあくまでもこのゲームで誰が一番になるのか気になるだけだよ笑
久美:…嘘だ
幸也:嘘じゃないよ?
久美:ゲームっていうのは嘘じゃないだろうね
幸也:ゲーム感覚ではある、ただし俺はこのゲームに参加してみてもいいかなって思い始めてるだけだよ
ーーー
〇〇:結局…回転寿司?
美玖:いいじゃないですか?美味しいし安いし手軽ですし!
〇〇:まぁ…それはそうだね
美玖:うーん!マグロが美味しい!
〇〇:…ふふ
美玖:ん?なんですか?
〇〇:いや、まだ21歳なんだなって笑
美玖:そうですよ!
〇〇:なんか昨日の飲み会よりもずっと楽しそう
美玖:私は飲むよりも食べる方が好きですしそれに…
だからこの上目遣いと首元の少し緩いシャツが男をおかしくするんだ…
バチン!
〇〇:あれ?
ガルフ:寿司美味そうだな〜
〇〇:なぜこのタイミングなんですか…
ガルフ:ん?まぁお前も男なんだなってわかったから出てきてみた笑
〇〇:…ですよ
ガルフ:塾の教え子がこんな美人でお前の気持ちを高ぶらせる子になったとはねぇ笑
〇〇:…今度はなんですか?
ガルフ:お前が求めているものは恋なのか?愛なのか?それとも欲なのか?
〇〇:……
ガルフ:まぁ欲から始まるものもあれば恋から始まるものもある。だが1つだけお前に教えてやろう。
〇〇:なんですか?
ガルフ:愛を恋と勘違いするなよ?
〇〇:え?
ガルフ:愛とは思いやりも含まれる、でも恋は好きしかないんだからな?
〇〇:それってどういう…
バチン!
美玖:ん?どうしました?
〇〇:なんでもない!それで…なにか言いかけた?
美玖:い、いいえ!なんか今言うほどのことじゃないので!
ーーー
幸也:あー食った食った!
久美:焼肉よりお寿司食べたかったなぁ
幸也:寿司食べに行ったら美玖ちゃんと遭遇したりするかもしれないじゃん笑
久美:…なにが言いたい
幸也:そこには断れなかった〇〇がいるよ笑
〇〇:ヘークッシュン!
美玖:大丈夫ですか?
〇〇:急に寒くなったからかな?
美玖:確かに寒いですもんね〜
久美:今頃くしゃみしてるよ?
幸也:間違いないな笑
久美:それで?本当はなにが聞きたいの?
幸也:寒いなー今日は
久美:焦らさないでよ
幸也:じゃあ聞くけど、〇〇以外に好きになった人いないの?
久美:いたけど結局は〇〇だった
幸也:じゃあもう一つ、その人と付き合った?ならどうして〇〇だって気がついた?
久美:付き合ったけど…私が私じゃなかった
幸也:今もさっきも自分を曝け出せたのはなぜ?
久美:別にいいでしょ
〇〇:そろそろ帰ろうか?
美玖:えーもう少しだけ!それか今帰るなら…
〇〇:ん?え?なに?
美玖:〇〇さん!
久美:私も帰るね、ありがとう付き合ってくれて
幸也:付き合ってもいいぞ?今後も
久美:は?それってどういう…
僕が死ぬ予定まであと1ヶ月半をちょうど切ったところで2つの場所で
〇〇:ん?んー!?
美玖:チュッ
久美:ん…
幸也:…
甘く切なく
難解なこのゲームが
さらに深さを増していくことになる
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