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ピアノとソナタ 第6話


夏休みも終わり学校が始まった

総馬:よーし!ついにこの時が迫ってきたな…


〇〇:なに?


総馬:学園祭!!軽音部の代表として出るんだよ!


美空:総馬出れるんだ!


総馬:夏休み練習した甲斐があったぜ!


〇〇:良かったね!


総馬:絶対成功させてやる…


美空:私も学年委員としてやり切らなきゃ!


〇〇:生徒会の話はどうするの?


美空:やるよ!!せっかくお誘いが来たんだしこんな機会無いと思うし!!


総馬:美空なら出来るよ!俺も応援するよ!


〇〇:そういえば…池田さんは?


美空:なんか体調良くないから今日休むって言ってた


〇〇:……


総馬:お見舞い行ったら??笑ニヤニヤ


〇〇:……バカ

ーーーーー

瑛紗:約束の時間ですけど??


医師:そうだね笑ここにいるね笑


瑛紗:どうなってんの?本当に医者?


医師:医者だって間違いはあるし先のことは読めないさ笑


瑛紗:ふーん…それでどうなの?


医師:君がここにいるってことはそういうことじゃないかな?あとは…毎日を大切にしなさい


瑛紗:わかりました


医師:お母さん呼んできて


瑛紗:はーい!

ガラガラガラ


医師:毎日を…か…

ーーーーー

ラヴェル 道化師の朝

遊びで弾くような曲では無かったけど近くに住んでいたお姉さんが弾いていて僕も練習していた
母が選んだ曲ばかり弾いていた時に内緒で弾いていた
僕はこういう曲の方が好きなのだ
人の思いは他人が自分でどうにか出来ることはない
本当のことは結局本人しか知ることはないんだろう
でも僕にはその意志を持って誰かに思いを伝えることはあるのだろうか

パチパチバチ👏


〇〇:ん?


瑛紗:相変わらず良い音だね


〇〇:あれ?体調悪かったんじゃ?


瑛紗:良くなったから来たけど放課後だった笑


〇〇:なにそれ笑


瑛紗:ラヴェルをおしゃれに弾くなんて〇〇らしくないよ笑


〇〇:いいじゃん…好きなんだから…


瑛紗:好きなことは好きって言えてるね


〇〇:素直に言わないと怒られるから…


瑛紗:私のせいかい!!

ガラガラガラ

久保:お?池田さんか?


瑛紗:はい!池田です!


〇〇:先生!池田さんに暴力振るわれました!


瑛紗:違います!〇〇が私の言うこと聞かなかったからです!


〇〇:なにも命令されてない!


瑛紗:なにを!!?


久保:はいはい笑イチャイチャは終わりにして帰るよ?新田くん鍵かけるけどいい?


〇〇:わかりました、ありがとうございます


久保:じゃあ池田さんをちゃんと送るんだよ?


〇〇:え!!?


瑛紗:嫌なの??


〇〇:嫌というか…うん…


瑛紗:なに?


〇〇:暴力振るわないでください…

彼女のような人は本当に僕の人生の中で出会ったことは無い
いつでも天真爛漫ということを全身で表現し
感情を表に出すことを厭わない
人目のつくところでも彼女は彼女らしさを失わない
勝手に目が追うほど…

瑛紗:江ノ島のたこせん食べたこと無いんだよね〜


〇〇:そういえば僕も無い


瑛紗:え?ずっとここに住んでるのに?


〇〇:ずっと家に居たから…


瑛紗:よし!なら今から行こう!


〇〇:え!!?


瑛紗:ほーら!放課後の時間は短いぞ!

ギュッ


〇〇:え!ちょっと!


瑛紗:お!結構並んでる!


〇〇:人気だからね


瑛紗:制服でここにいるのもな〜もっとデートのためのおしゃれすればよかった!


〇〇:え?で、で、で、で、デ、デート!!?


瑛紗:どっからどう見ても2人でいるんだからそうでしょ笑


〇〇:い、いや、そんなつもりは僕には…


瑛紗:周りからの見た目の話でしょ????笑


〇〇:う、うー…


瑛紗:ほら!私たちの番!


店員:いらっしゃいませ〜


瑛紗:すみません…え?こんなカラフルなのもあるの?


店員:青仙貝というものになります


瑛紗:でもこっちの普通のでいいかな?普通の2つで!


店員:かしこまりました!ご用意しますのでお待ちください!


〇〇:あ、お金…


瑛紗:いいよ?私が誘ったんだからさ〜この後も付き合ってもらうし!


〇〇:え"


瑛紗:どっからその声出てるの?


〇〇:この後もどこか行くの?


瑛紗:とりあえず…砂浜行かない?


〇〇:う、うん

ザザァーン


瑛紗:はー久しぶりにここ来た!


〇〇:そういえばまだ知り合って少ししか経ってなかったのにここで話したね


瑛紗:ここ座ろ?


〇〇:うん


瑛紗:〇〇が絵を描いてる私を良いって言ってくれたの覚えてる?


〇〇:え?あ、うん


瑛紗:本当に嬉しかった!


〇〇:そうなの?


瑛紗:誰かに褒められたくて絵を描いてる時もあったし、それに褒められるのは絵だけ…誰も私が描いてる時の表情とか感情を見てくれなかった。でも〇〇はその部分を見てくれた。もちろん絵も見てくれた…だから嬉しかったんだ。


〇〇:うん…


瑛紗:もし私が今ここに居なかったらまだピアノ弾いてなかった?


〇〇:え?


瑛紗:私悪いことさせちゃったかなって


〇〇:ううん、そんなこと無いよ


瑛紗:本当に?


〇〇:どこかでいつかは弾かなきゃなって思ってた。でもやっぱり自分の中で…


瑛紗:美空から聞いた。それでも…今はピアノ好き?


〇〇:好き…なのかな…わからない…でも前よりは弾きたいなって思うことは増えたかな…


瑛紗:そっか…


〇〇:池田さんがもし居なかったらって言ってたけど…居なかったら多分ピアノを聴かせるどころか触らなかったかも笑


瑛紗:……


〇〇:僕も聞いていい?


瑛紗:なに?


〇〇:花火の日僕…その…


瑛紗:なに?またしてほしいの?なら今してあげようか??


〇〇:え!!?いや!!


瑛紗:嫌なら結構です!!


〇〇:そうじゃないって!!

結局彼女は僕には制御できない
それでも彼女の見ている世界に僕がいて
僕がいる世界に彼女がいる
それこそ制御なんて不可能な運命だったのかもしれない
もしこの時に僕がちゃんと聞けたなら
これから先のことももっと分かり合えたのかな

ーーーーー

美空:じゃあうちのクラスは…コスプレ喫茶に決定でいいですか!?

はーい!!


総馬:よーし!絶対俺は…


〇〇:総馬軽音部だからやれないでしょ?


総馬:あ"ーそうだった!!俺のかっこよさ際立つホテルマンの格好がああ!!


瑛紗:なんでホテルマンなんだか…


総馬:そういう瑛紗はなにやるんだよ?


美空:私と巫女さんの格好するの!!


〇〇:……


総馬:……デヘッ♡


〇〇:気持ち悪い総馬


総馬:し、しょうがないだろ!!美空の巫女姿を見てなにも思わない奴はいないだろ!!


美空:もう♡


瑛紗:ラブラブ乙…


〇〇:僕はなにをすれば??


総馬:馬のコスプレとかでいいんじゃね?


〇〇:総馬は期末試験1人で頑張って


総馬:謝るから!!

学園祭が近づくとやはり学校には勉強や部活とかの雰囲気は薄れ、お祭りムードになっていく

瑛紗:〇〇は学園祭何かやらないの?


〇〇:え?


美空:ピアノ弾くの?


総馬:お?


〇〇:え?ひ、弾かない!!弾かない!!それにクラスの出し物で手一杯だよね!!?


美空:総馬もいないし何人か部活の方で難しいからそうなっちゃうよねー


瑛紗:チッ!


〇〇:ほっ…


総馬:……

放課後


総馬:瑛紗ちょっといい?


瑛紗:ん?なに?


総馬:話したいことあって


瑛紗:いいよ?どうしたの?総馬らしくない笑


総馬:ここだと言いにくい


瑛紗:わかった…

ガラガラガラ


瑛紗:それで?


総馬:瑛紗は〇〇の何を知ってる?そしてお前はあいつの過去をどこまで知ってるんだ?


瑛紗:なんで?


総馬:お前から怖いくらいあいつのことわかってるような言い方とかセリフが出てくんだよ…しかもそれを知ってるのは俺か美空だけだ。


瑛紗:美空から聞いたからかな?


総馬:それでも美空でも知らないことはある。それを知ってるかのように…本人が話すわけ無いんだ…


瑛紗:……ふぅ…


総馬:……


瑛紗:…もし…



ーーーーー


総馬:そんな…


瑛紗:だったとしても…君はこれから彼の前では平気でいられる?そして…これからも私や美空と一緒にいられる?


総馬:…〇〇は知ってるのか?


瑛紗:全部知ってたら〇〇逃げ出しちゃうよ笑


総馬:…すまない


瑛紗:よーし…じゃあ…手伝ってもらわないとね!笑


総馬:…なにを?

ーーー


美空:〇〇〜総馬知らない?


〇〇:池田さんもいないんだけど?


瑛紗:何回言ったらわかるの!!?


総馬:す、すみません…


美空:なにしてんの?


瑛紗:総馬が興味ないのに部活の先輩と話だけでもいいから来てくれって行ったら告られそうになったんですけど!!?どう落とし前つけてくれるのかな!!?

ドキッ


総馬:し、しょうがねぇだろ!あんなことになるなんて聞かされてなかったんだから!


美空:総馬サイテー


あれ?ドキッってなんだ?


瑛紗:罰として帰りにアイス奢ってもらうから!全員分!


総馬:は!?全員だと!?


瑛紗:当たり前でしょ!?美空には心配をかけた罰、〇〇は帰りを待たせた罰


総馬:いや!〇〇は1番関係ねえ!


瑛紗:ほら行くよ!いちいち細かいこと言わないの!


総馬:クソ!!


瑛紗:行くよ?〇〇?


〇〇:う、うん…


ドキッってなんだ?そもそもなんだこれ?
彼女になにがあっても…
僕はこの先
彼女とどう向き合うのかを迫られていた

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