読書レポート:エッセンシャル思考
■書籍紹介
著書:エッセンシャル思考
著者:グレッグ マキューン
出版社:かんき出版
■はじめに
この本では社内からの依頼に対して書かれていますが、私の仕事コンサルティングでも活用できると思い、今回読むことにしました。
余計な仕事はせず、売上に直結する仕事に集中する。
会社員である以上、どこまでできるのかという問題がありますが、今までそのような考え方をもって来なかった私にとっては意識したらもっと効率よく売上出せるのではと考えています。
エッセンシャル思考の概要と、実際に取り組むにあたってのポイントをまとめ、その後現場でどうしていけるのかを書いていきます。
■エッセンシャル思考
・この本の結論
この本で伝えたい内容は「エネルギーを分散せず、集中して取り組むことが大事」でした。
クライアントのためにやりたい仕事や、社内からの依頼内容等、やりたいこと全てに対応するのがベストです。
しかし、時間や体力に限りがあるため、すべてを満足するまで取り組むことが難しい状況です。もっと時間があったら、1日が48時間だったらなと思ったことは何度もあります。
こうした状況で自分が「これだ!」と選んだことに集中して取り組むことが、「エッセンシャル思考」では重要とされています。
■エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考の「考え方」の違い
先に非エッセンシャル思考の人の考え方をまとめます。
【非エッセンシャル思考の人の考え方】
・全ての事をやらなきゃ
・頼まれる仕事全てが大事
・全てこなす為にどうしたらいいのか
これはかなり危険な考え方だと著者は言います。
しかし、約8割の社会人が持っている考え方なのです。
では次に、エッセンシャル思考の人の考え方をまとめます。
【エッセンシャル思考の人の考え方】
・より少なく、しかしより良く
・積極的に捨てないと、結果絶対に損する
・何を捨てるのかに一番悩む
エッセンシャル思考の人は、「捨てるかどうか」では悩んでいません。
捨てるのは当然で「何を捨てるのか」について考えます。
■エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考の「行動」の違い
では次に、行動の違いをまとめます。
非エッセンシャル思考の人の行動はこちらです。
【非エッセンシャル思考の人の行動】
・頼まれごとに対して反射的に「やります!」と言ってしまう
非エッセンシャル思考の人は、「やることが多い人や手数が多い人」を仕事ができる人と勘違いしています。
そのため、頼まれごとをされた時に何も考えず「やります!」と言ってしまうんです。
依頼された仕事に対して、目的は何か、本当にやる必要があるのかについて考えていません。
全て引き受けて、どうやって期限内に完了させるかを考えます。
それに対してエッセンシャル思考の人の行動はどうでしょうか。
【エッセンシャル思考の人の行動】
・捨てると決断した仕事をしっかり断る
・目的のない仕事や必要のない前回踏襲の仕事を断る
・捨てるものは捨てる やらないものを決める
少し同じような内容が3つ並んでしまいましたが、会社にも個人的にも効果の大きい仕事を優先させるために、優先度の低い仕事はやらないと決断します。
■エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考の「結果」の違い
それでは、エッセンシャル思考の人とそうでない人の考え方、行動に伴った結果がどうなるのかを見ていきます。
分かりやすく表を使って整理します。
エッセンシャル思考の人は、仕事を選択するため量は少なくなりますが、自分で納得して仕事をしているので充実感を得られます。
それに対して、非エッセンシャル思考の人は、依頼されたら断れず、全てに対応しようとした結果、中途半端な結果となり、無力感が残るとされています。
なぜここまで差が生まれてしまうのか、それはパレートの法則が関係していると言われています。
■パレートの法則
パレートの法則は8割と2割の話で、以前NNGの朝会でも話がありました。
2割の仕事が成果の8割を作っているという考え方や、
会社の売上の8割は2割のクライアントによる売上だったり。
厳密に「80:20」にならないかもしれませんが、大体これくらいの割合に収束すると言われています。
つまり、すべての仕事を引き受けて中途半端な成果になるよりも、2割の仕事を全力で成果に繋げることで8割の売上が作れるという話です。
そのため、今やっている仕事の2割がどの仕事にあたるのか、見てみると良いかもしれません。
優秀な人は「エッセンシャル思考」ができていると思っているかもしれませんが、優秀な人ほど「非エッセンシャル思考」に陥る可能性があるんです。
■成功のパラドックス
著者は「成功したからこそエッセンシャル思考から離れてしまう」と述べています。
どういうことか説明します。
成功した「優秀な人」は、もともと目標を明確にして成功を収めています。
成功に一直線だったわけです。
一度成功すると「頼れる人」というラベルが付けられ、「あの人に任せよう」と社内外から依頼が殺到してしまいます。
そして優秀な人ほど、優秀であろうとするため、殺到した依頼に対して一生懸命取り組みます。
これによりだんだんと雑多な仕事に追われ、当初掲げていた目標を見失い、優秀だった人が中途半端な成果しか出せなくなっていってしまうのです。
著者はこれを「成功のパラドックス」と呼んでいます。
ここまでエッセンシャル思考についてまとめましたが、頭で理解することはできるのですが、実践することが非常に難しいです。
では、実践するためのポイントが本書で3つ紹介されているので、まとめていきます。
【エッセンシャル思考 3つのポイント】
①見極める技術
②捨てる技術
③仕組み化の技術
■実践のポイント① 見極める技術
見極めるポイントとして「90点ルールを取り入れる」ことです。
エッセンシャル思考は「重要」だと思えることだけに集中することと本書では述べられていますが、「重要」とはどのくらいの規準を指すのでしょうか。
本書は「90点以上だと思えること」と記されています。
今の仕事では、明らかにやらなくていいこと、点数でいうと10~30点くらいに対しては、はっきりと「意味ないです」「インパクト小さいのでやりましょう」と言えるのですが、90点未満でもNGとなると、かなり基準が高い印象です。
「90点未満の仕事をやってると何でも屋になり下がるぞ!」と著者は主張しています。
上司からの指示や状況が良くないクライアントから依頼が来た場合、90%以下でもやらないといけないという判断になります。
難しいです。
そこで、できる範囲のことをやってみようと思います。
まずは依頼内容などを点数化します。
80点以上の仕事は文句なく実施し、80点未満の場合は、考える時間を取ります。本当にやるべきか、自分がやらなければいけない仕事なのか。
「断った方が良いかも?」と思ったら上司に相談→上司がそれでもやる気なら実行という流れです。
ただ、これはあくまで自分の規準での採点になるため、そもそも「会社視点」から逸れてしまうと逆効果になるため要注意と感じました。
■実践のポイント② 捨てる技術
2つ目のポイントは「捨てる技術」です。
ステップとして2つあります。
・ステップ1 完全に明確にする
「完全に」がポイントで、「かなり明確」ではダメなんです。
そもそも何を明確にする必要があるのか確認します。
【捨てるために「明確」にすべきこと】
・会社の目標
・部署の目標
・個人の目標
目標を細かく設定することで、無駄な作業を捨てる判断軸を作ります。
・ステップ2 上手く断る
重要な仕事、無駄な仕事の仕分けができても、うまく断れないと結局変わりません。
断り方をまとめます。
【依頼の断り方】
1.業務内容を聞く
2.無駄な仕事か判断
3.予定を完全・明確に伝える
4.他に優先して「やるべきことがある」と明確に伝える
ただ、これは当日のお願いだったら断れますが、「来週中でいいから!」と言われてしまったら、断れないなと私は思いました。
■実践のポイント③ 仕組み化の技術
エッセンシャル思考は自分1人だとなかなか受け入れてもらえなかったりします。
そこで結論、「エッセンシャル思考のチームをつくる」ことやってみましょう。
そして、すべての行動・言動でエッセンシャル思考を布教します。
ただ単にエッセンシャル思考に基づくと、他人から見て「あまり熱心に仕事をしていない人」と捉えられることもあるため、しっかり成果を作らなければいけません。
ただ、いずれ会社の利益に繋がる一歩を踏み出していると思い挑戦することを著者はお勧めしています。
■結論
エネルギーを分散せず、集中して取り組むことが大事です。
そのための環境づくりなど一筋縄ではいかなかったりと実行に移すことが難しいでしょう。
この本を布教して環境を整えてしまうのも一つ手かなと思った次第です。
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