クローズアップ国谷/国谷裕子『キャスターという仕事』
もともと、民放を観る習慣のない人間だったので、独身時代は部屋に帰ってテレビをつけても、チャンネルは寝るまでほぼNHK総合、という生活だった。
結婚してからも、19時からのニュースはNHK総合、流れで19:30からの『クローズアップ現代』を観る、という生活が続いていた。
そのキャスターが国谷裕子さんだった。流して観ている回もあったが、そのうち、ニュースより『クローズアップ現代』を観るのが楽しみになっている自分に気づいた。
ある時、そんな『クローズアップ現代』が番組改変となり、日課のひとつが消えた。
単なるいつもの番組改編とは違う空気を感じたのは自分だけじゃなかったと思う。
それからほどなく、出版された『キャスターという仕事』。
……すみません。これを読むまで、国谷さんのことはNHKのアナウンサーかと思っていました(実際はNHKと出演契約を交わしたフリーのキャスター)。
ご本人のキャスターとしてのキャリアの開始から、『クローズアップ現代』の舞台裏、そして不祥事の顛末や降板の経緯に到るまで、ここまで書いていいのか、と思えるほど詳細に書かれている。日本の視点から見た国際政治史としても読めるのがすごい。
何か、空気が変わりつつあるかもしれない。
国谷さんのこれからの動きにも注目していきたいところである。