ギブの大切さの本質を論理的に説明しよう
今日から尾原 和啓さんの著書「あえて数字からおりる働き方 個人がつながる時代の生存戦略」を読みつつ、学べたこと、広がった発想について書いていきます。
本書を基に今回お話するテーマは「数字を追うのではなく、誰かにとっての何者かになることから始めよう」という内容です。
わかりやすく言うと、フォロワー数やアクセス数、再生回数…といった目に見えやすい数字をにとらわれて追いかけるよりも、誰かにとって「いつもお世話になっているあの人」になることの方が、生き残れる確立がぐっとあがるよ…というお話です。
そして僕はその話を読んでいく中で、ギブが大切だよと言われている本当の理由を論理的に理解できた気がしました。
これはビジネスも人間関係にも使えますし…意識しているだけで物事が思い通りに進む場面が増えると思うので、共有したいと思います。
現代の必勝法は『取引前の「ありがとう」獲得』
ホリエモンを始め、多くのトップビジネスパーソンが「とにかくギブすること」の重要性を色々な所で話しているため、ギブの大切さは知っている人も多いと思います。
では、なぜギブが重要なのでしょうか。そしてどれくらいの量を誰に対してギブすればよいのでしょうか。
いきなり結論っぽくなりますが、僕が尾原さんの本を読んでいて思ったのは、ギブの本質は取引の前に「ありがとう」を獲得する事ではないかということです。
様々な市場が成熟し、サービスや製品の基本的なクオリティーが高くなった今、どんな業界にもどんな世界にも同じような商品サービスが存在する時代です。
皆様ご存知の通り、同じような商品が似たような値段で売られているわけなので、誰から買うか、誰から買いたいか…が重要になってきました。
では、僕たちは誰から買いたいと思うのでしょう。
ほとんどの人が最初に考えるのは「お世話になったあの人」から買うという選択をするのではないでしょうか。
良好な人間関係の成立条件
それは自分が意識していないレベルで起きるような気がしています。
例えば友達がやっている居酒屋に行くのも、応援したいと思う気持ちで行っているような気がしていますが、実はその奥には、「いつか世話になった事があるから今回はこっちが応援しよう…」という気持ちが隠れているのではないかと思うのです。
そもそも友人関係でも、夫婦関係でも、親子関係でも…すべての人間関係が良好に継続するためには「世話になってるから、今回はこっちが手助けしよう」というやり取りが必要なはずです。
そして人間関係が崩れる時は、どちらかが「世話になったから」という恩返しを行わなくなり、片方が一方的に労力を消費させられている状態が続いた場合なのではないでしょうか。
親しき仲にも礼儀ありといいますが、親子であろうとどちらかが無償の愛を強要し始めた時点から関係性は崩れていきます。僕はお世話と恩返しの両立は、血のつながりよりも重いのではないか…それくらい重要な気がしています。
先に「ありがとう」を獲得すると、取引・交渉の成功確率が高まる
なんとなく内容がわかってきたかと思いますが…ココからが本題です。
つまるところギブの重要性というのは取引が開始される前に相手が「お世話になったから今度はこっちが…」という「世話になった状態」を作れているかどうかという話なのだと思います。
どんなにサービスや商品の違いを磨き上げたところで、しょせんはどんぐりの背くらべ。AもBもCも同じなのであれば、世話になったヤマダさんが売っているBを買う。
だからビジネス成功の鍵は、どれだけ多くの人に「ヤマダさんにはいつも世話になってます〜!」という状態を作れているかということになる。
そうなれば取引やビジネスが始まるはるか前段階において、なにかお世話をしておけば良い…ということになるわけですね。
ウェブマーケティングも全く同じ
今回の話はビジネスはもちろん、すべての人間関係において適用される話だと思います。
例えば僕の専門領域のウェブマーケティングの世界では、「無料でどれだけ情報をギブしているか」によって成功率が高まります。
ビジネス系YouTuber的な人たちは、セミナーをやればかなり高い金額をつけてもお客さんが来るレベルの話を、無料でバンバン公開します。
圧倒的に「お世話になったあの人」状態になっているので、彼らがサービスや商品をリリースするとバンバン売れます。
YouTuberに限らず、企業でも有益なセミナーを無料で開催したり、まずは無料診断ができるような仕組みをウェブサイトで公開していたり…。
とにかく取引が始まる前段階に「助かりました!ありがとう!」という状態を作っておくことで、実際にお金を払って何かを解決するときにも「せっかく世話になったので、引き続きこっちもお願いしますわ!」となるわけですね。
夫婦の関係、友達の関係、すべて同じ
結婚している人やパートナーと同棲している人ならこの感覚はメチャクチャわかると思います。
例えば今日、どうしても夜に飲みに行く必要がある…快く許してもらうためには、お風呂掃除を先にやっておいたり、洗い物をやったり…昼間に子供の面倒を見て、奥さんのフリータイムを作ってあげていたり…
「よる飲みに行っていい?」という交渉の前に「昼間世話になったからいいよ!^^」といってもらえる状態を作っておけば、どちらもハッピーなわけです。
これが「ワシは仕事なんじゃ〜!男は外で仕事なんじゃ〜〜!飲みも仕事のうちなんじゃ〜〜〜」みたいな、原始人みたいなことを言っていると、現代社会ではすぐに別の人に乗り換えられちゃうわけですね。
そしてそんなチンピラ野郎は乗り換えられてしかるべきなのです。
とまあ、最後は自分自身に謎のプレッシャーをかける形となってしまいましたが、とにかく永続的に「いつもお世話になってるあの人」になっていれば、すべての局面で物事がうまく運んでいくよというお話でした!
では今日もどんなギブができるか思案思案。思案橋。
ではまた明日!