【理学療法士推奨】腰痛のためのトレーニング⑵
こんにちは。
メディカルフィットネスViPro-ヴィプロ-の国沢です。
このページではこれまでの経験に基づいて、腰の痛みが起こる機能的な原因やその解決方法を記載していきたいと思います。
*あくまでも経験に基づくものなので教科書的な部分とは多少異なることがあるかもしれません。
何か「これはどういうこと?」や
「こんな時はどうしたらいいの?」など、
疑問なことがありましたらお気軽にお問い合わせいただければと思います。
そして一気に全ては書ききれないですし、
また新しい発見や症例があれば更新していきますので、その都度ご覧いただければと思います。
では「腰痛のためのトレーニング」
について書いていきます。
まずは「腰痛」とは。
「腰痛」は日本人の8割くらいの方が経験すると言われるほど、多くの方を悩ませている疾患のひとつです。
しかし「腰痛」と言っても痛みの程度は様々で、「腰が重だるいなぁ」という方から「ギックリ腰のように歩くのが大変」という程度の方までいらっしゃいます。
また「腰部脊柱管狭窄症」や「腰椎椎間板ヘルニア」、「変形性腰椎症」など腰が痛みの原因になっているものから、内臓や血管系から起こる腰痛もあったりします。
そして病院で診察を受けても原因を特定できるものは腰痛全体の15%程度で、残りの85%は原因が特定できていないとも言われています。
その原因が特定できない85%の方は血流が悪くなっていたり、筋肉が弱くなっていたり、筋肉のこわばりや凝り、日常的な姿勢や体の動き方などの生活習慣に起因するものも多いと考えられています。
また、最近では高齢者や大人だけではなく、小学生の子供なども腰痛に悩んでいるという報告もありますし、実際に多くの経験もあります。
そこで今回はこのあたりを私のこれまでの経験から腰に負担をかけてしまっている原因を掘り下げていきたいと思います。そしてその原因を解決するためのトレーニング方法をご紹介していきます。
トレーニングとしては「身体を柔らかくするためのトレーニング」と「筋肉のバランスを整えるためのトレーニング」に分けられます。
【股関節が硬く、曲げられないために腰に負担をかけている】
例えば椅子に座っている時の姿勢を考えてみましょう。
背筋を伸ばして椅子にまっすぐ座っていれば股関節は90度ほど曲がっているように見えます。
しかし仮に股関節が硬くて90度も曲がらず、70度しか曲がらない方がいるとしましょう。
#実際にいらっしゃいます。
どのような座り方になるでしょうか?
そうです。
骨盤は後ろに倒れて、腰から背中が丸くなります。
背もたれのある椅子にずっと座っているのであれば良いかもしれませんが、背もたれがない椅子に座ることもあれば、動き出すときには椅子から立ち上がらなくてはなりませんし、デスクワークの方であればPCに向かわなくてはなりません。
そのような動作で必要なのは重心を前にする動きです。本来であれば股関節をさらに曲げて重心を前にもっていきたいのですが、股関節の硬い方はそれができません。
その動きを代償するには腰や背中を丸めていくしかありません。そのような動作が繰り返されることで腰にどんどん負担がかかるのはイメージできると思います。
良い姿勢が体にいいのはわかっているけど、その良い姿勢を作ることが難しい方は、意外とたくさんいらっしゃいます。
では、
このようなパターンの方の改善トレーニングはどのようなものになるでしょうか?
⑴股関節の曲がる動き(屈曲)に制限がある場合は、反対の動き、股関節を反る動き(伸展)の筋肉が硬くなっていることが考えられますので、その筋肉(ハムストリングス・大殿筋)をストレッチする。
⑵腰・骨盤をまっすぐ保つための筋肉バランスを整える。
つまり、股関節の柔軟性を高めるトレーニングと体幹の筋バランスを整えるトレーニングです。
【解決トレーニング方法】
⑴ハムストリングスの柔軟性を高めるトレーニング
イスに浅く腰掛け、片足を伸ばして片足を曲げます。
骨盤をしっかり立てて姿勢を真っすぐにします。
姿勢を真っすぐにしたまま、体を前に倒していきます。
もも裏(ハムストリングス)が伸びているなぁというところで5秒ほど止めます。
*呼吸は止めずに行いましょう。
*ふくらはぎに伸びている感じがしてしまう場合は膝を少し緩めてみてください。
*痛みを感じない範囲で行なってください。
⑵殿筋の柔軟性を高めるトレーニング
イスに浅く腰掛け、足を4の字に組みます。
骨盤をしっかり立てて姿勢を真っすぐにします。
姿勢を真っすぐにしたまま、体を前に倒していきます。
お尻の筋肉(殿筋)が伸びているなぁというところで5秒ほど止めます。
*呼吸は止めずに行いましょう。
*痛みを感じない範囲で行なってください。
⑶体幹の筋肉バランスを整えるためのトレーニング[ダイアゴナル]
四つ這いの姿勢になり体幹を真っすぐに保ちます。
対角線上に手足を伸ばします。
グラグラしないように手先から足のつま先まで一直線になるように伸ばしてください。
まずは10秒間キープからチャレンジして、徐々に30秒くらいまでできるようにしましょう。
*呼吸は止めずに行いましょう。
注)手首や膝に痛みのあるかたは無理して行わないでください。
上記のトレーニングをして股関節の柔軟性や体幹のバランスが整ってくると腰への負担は軽減されて、良い姿勢が取りやすくなったり、足を上げやすくなったりしてくると思います。
また次回の続きをお楽しみに。
最後までお読みいただきありがとうございました。理学療法士の資格を有していましたが、病院という枠を出て「予防事業」に取り組んでいます。体はとても大切な資産です。運動習慣と健康習慣の啓蒙をしていき、充実した日々を過ごすサポートをしたいと考えています。