(創作物語)『明日への貴方へ』 その15

前回までのあらすじ。
大聖堂で最新のアンドロイドRGHJ-1700を大量破壊し、リーミラと同化を終えた魔女ドリナ。アムル(赤目)もアムル本体と同化し、2人は再び研究棟へと戻る。
その頃、電脳空間にいるナディア達は、ある所へ集まっていた。
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 ナディア「結局、こうするしかなかったのよね」

 ルシード「そうだね、みんな必死に戦ったけど、負けちゃった・・・」

 カスパル(大竜)「しかし、私の身体に変化が現れた。という事は、アムルにも変化があったという事だ」

 ナディア「そうね。貴方、随分大きくなったわね。もう部屋とか入れないんじゃ?」

 ベットで横なっていた古竜シードロヴナ(人間)が目を覚ます。

 古竜シードロヴナ(人間)「・・・・・ここは何処だ?」

 ナディア「まだ寝てなきゃダメよ。ここは水の神殿の中よ。この人はアルバーノ」

 アルバーノ「おお、目が覚められたか。それにしてもあの伝説の古竜シードロヴナ殿にお会いできるとは、光栄です」

 ナディア「森の洞窟の中で倒れていた私達を助けてここまで運んでくれた命の恩人よ」

 古竜シードロヴナ(人間)「すまない。ありがとう。恩に着る」

 アルバーノ「堅苦しい挨拶は無しでお願いしますよ。今は身体を休めないと」

 カスパル(大竜)「あの時は、ああするしかなかった」

 古竜シードロヴナ(人間)「戦とは、そういうものだ。お前の事は恨んでもいない。むしろ、同じ竜族として嬉しいぞ。生きていてくれたこと自体がな」

 カスパル(大竜)「・・・・・・」

 そこへ、到着するウォルトン(剣士)とサーナ(盗賊)

 ウォルトン(剣士)「今現実世界では大変なことになっているんだ。最新のアンドロイドで応戦したが、奴らにすべて破壊された・・・・」

 サーナ(盗賊)「あの魔女ドリナとアムルが、現実世界の人間と同化したの力は数10倍に増すわ。しかも、現実世界と電脳世界を自由に行き来できるようになる」

 ナディア「奴らの狙いは何?」

 ルシード「アムル・・・・・アムルはどうなったの?」

 ウォルトン(剣士)「奴らの狙いは電脳世界の住人を現実世界へ連れてきて同化させ、この現実世界を乗っ取るつもりだ」

 サーナ(盗賊)「でも、現実世界で銃もミサイルも聴かない相手にどうやって戦うっていうの?」

 ルシード「アムル、アムルがいてくれれば」

 古竜シードロヴナ(人間)「あの魔法少年か。いい腕だった」

 ウォルトン(剣士)「こちら側で魔法を使えるのは、古竜シードロヴナ(人間)だけ・・・・アムルさえこちら側に来てくれたなら、まだ勝機は見えるのに」

 古竜シードロヴナ(人間)「同化した魔女ドリナの魔力はそんなものじゃない。今の我々では到底太刀打ちできないはず」

 ナディア「もっと根本を覆すような手を打たないと駄目ね」

 ウォルトン(剣士)「根本・・・・・」

 サーナ(盗賊)「この世界を消すとか?あ、それはダメだよね。ゴメン・・・・・」

 ウォルトン(剣士)「いや、その案があるぞ!」

 カスパル(大竜)「しかし、電脳世界だけにしか存在しない我々は、存在そのものが消えてしまうことになる」

 古竜シードロヴナ(人間)「元々我々は、存在しない者だ。現実世界の人間が作り出した虚構。消え入る時はあっさりと消える」

 サーナ(盗賊)「この電脳世界って最初誰が作ったの?創造主の神様みたいな存在はあったのよね?」

 古竜シードロヴナ(人間)「昔、一対の男女がこの電脳世界を創造したとされている。その二人を探す必要があるな」

 ナディア「その2人を探しましょ!でも、何処にいるの?」

 古竜シードロヴナ(人間)「ここから離れたある島に隔離されていると聞いたことがある。この電王空間の創造主だから、厳重な守りが施されているはずだ」

 カスパル(大竜)「大人数で動くと、魔女ドリナに感づかれるぞ」

 ナディア「そうね。私とルシード、ウォルトン(剣士)、サーナ(盗賊)は現実の世界へ行き来できるから、別れて行動した方が良いわね」

 ナディア、ルシード、カスパル(大竜)は先行して船に乗り、陸の孤島を目指す。ウォルトン(剣士)、サーナ(盗賊)は古竜シードロヴナ(人間)の傷が回復次第別方向から孤島を目指すことにする。

 
 

 一方その頃、アレン博士はザカロン、ブロウスを集め、会議を行っていた。

 アレン博士「あの魔女ドリナは、シールドでこちらの攻撃を全て防いでいた」

 ザカロン「奴には、遠隔武器は通用しない。接近戦ならまだ分がある」

 ブロウス「あれは起動しないのか。あの男女を起動すれば、あの魔女なんぞ怖くもない」

 アレン博士「あれは、ダメだ。あの二人のおかげで我々人類はこの狭いエリアで過ごすことになったのだぞ。大昔の過ちを繰り返すわけにはいかない!」

 ザカロン「しかし、アレを起動しなければ、魔女ドリナは現実世界でやりたい放題だ」

 ブロウス「そう言えば、最近データがおかしいのだ。以前とは違う数値を残している。まるで何かに共鳴するかのようにあの男女二人のデータが、、、、」

 アレン博士「何はともあれ、今我々ができることは試作段階でのRGHJ-1800を完成させることで魔女に対抗する手段とすることだ」

 会議は終了し、ザカロンはブロウスに話しかける。

 ザカロン「アレン博士は甘い。魔女ドリナは徹底的に排除すべきだ。魔女を倒すのは元妻の姿だから、心が痛むか?」

 ブロウス「いや、もう過去の事だ」


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登場人物

 ナディア:体は機械、脳は人間のアンドロイド。
 特技:〇〇、高速移動

 ルシード:正体不明の少年
 特技:似顔絵書き、高速移動、生命反応探知、声

 アレン博士:脳科学者で、偏屈者。自身で、超巨大な設備を持つ。→大聖堂での魔女ドリナによるRGHJ-1700大量破壊事件を受け、極秘プロジェクトの再始動を会議で決定。RGHJ-1800を量産体制に移行させる。

 アムル:アレン博士の所で電脳世界に入った時、ルシードが出会った少年。200年前、脳移植時に事故が起こり、電脳空間に閉じ込められた少年。母は、魔女ドリナ。→ リーミラにより、電脳空間から強制的に現実世界へと連れ出され、正気を失い赤目のアムルとなる。
 特技:電脳空間時に魔法使用可能

 ザカロン:アレン博士の研究所の製造部門長。冷徹。

 サーナ:製造部門で働く女性社員。情報通。彼氏はウォルトン。

 ウォルトン:生体部門で働く男性社員。彼女はサーナ。

 ブロウス:生体部門の部門長。アレン博士とは別に、独自に電脳空間に入れる装置を開発した秀才。アレン博士とは対立している模様。

 リーミラ:ブロウスの元妻。研究棟の一室で、アムルの本体を隔離し、個人的にアムルのデータを何かに利用しようとしていた。本当の目的は魔女ドリナを電脳空間から現実世界へと出す計画を練っている。→ 大聖堂で魔女ドリナと同化し、リーミラ(魔女ドリナ)となる。

 アムル(本体):研究棟の一室の円柱状のガラス内に閉じ込められた少年。  →大聖堂でアムル(赤目)と同化し、アムル赤目(本体)となる。


アレン博士の研究所

 研究棟:身体に電極をつなぎ、電脳空間へと飛べる装置がある。電脳空間の出来事はモニターで閲覧可能。また、日々進化する技術の推移を集めた頭脳集団がいる部門。とある部屋の一角に、アムルの本体が保管されているのをサーナが偶然見つける。

 製造部門:最新のAIやロボットを製作する部門。

 生体部門:人間の生体と機械を繋ぐことを目的とする部門。

 スクラップ置き場:廃材を重機で押しつぶし、再利用する場所。

 生活棟:研究者や製造スタッフが寝泊まりできるくらいの施設。一つの町と言ってもいいほどの広さがある。

 大聖堂:人々の心のよりどころ。魔女ドリナとアムル(赤目)がRGHJ-1700と戦い、リーミラ、アムル(本体)と同化した場所でもある。


製造しているアンドロイドや、アイテムなど

 RGHJ-1700:新モデルで、旧タイプより130%性能がアップしている。AIを搭載し、完全自動で動く。完全自立型アンドロイド。

 RGHJ-1800:1700の後継機種のアンドロイド。場所を選ばずに電脳空間に実体を移動できる機能が搭載される予定。より人間に近づけた「感情」を搭載させた最新モデル。戦闘力もRGHJ-1700の数倍に上がっている。

 転送装置:現実世界の実機を電脳空間に直接転送できる装置。ブロウスからウォルトンに渡される。



アレン博士の研究所での謎

 生体部門:ウォルトンが発見した、分厚いガラスで何重にも守られた部屋に冷凍保存された男女一対の人間。

 研究棟の奥の部屋:円柱状のガラスの装置内にアムルの本体と思われるものを発見。サーナが偶然見つける。ウォルトンとサーナは、研究棟の奥の部屋に監視カメラを設置。



アムルが捕らわれている電脳世界

 魔女ドリナ:アムルを電脳空間に閉じ込めた魔女。普段いつも自分の家で、まじないの薬を調合しているが、3日に1回、近くの森、廃墟へ出かける。息子は、アムル。師匠は、水の神殿にいるアルバーノ。

 森:魔女ドリナが3日に1回訪れる森。一つ目の巨人サイクロプスが住むとされる地域。

 洞窟:森の奥の洞窟の最奥に、電脳世界から現実世界へ移るための装置をウォルトンとサーナが発見する。魔女ドリアが所持している。

 廃墟:魔女ドリアが3日に1回訪れる廃墟。凶悪なドラゴンが住むとされる地域。

 水の神殿:アムルが発見した電脳世界の新地域。アルバーノが守護している聖域。

 砂漠の遺跡:アムルが発見した電脳世界の新地域。

 モダンな街並み:アムルが発見した電脳世界の新地域。

 陸の孤島:電脳世界を創造した男女一対が封印されているという伝説が残る島。



 魔女ドリナ(悪性):魔女ドリナのもう片方の一面。何故悪性に変わるかは不明。
 特技:召喚魔法

 謎の剣士:砂漠の遺跡に向かうナディア達をサイクロプスから守った剣士。現実世界のウォルトン。

 謎の盗賊:剣士と共にいた盗賊。現実世界のサーナ。

 アルバーノ:初老の水の神殿の守護者。ナディア達と出会ったあとは、彼らを支援することに。弟子は、魔女ドリナ。

 カスパル(小竜):アルバーノがアムルに手渡した小さな竜。アムルの魔力に比例して強くなる。モダンな街並みのテーマパークで鍛錬することにより、中竜となる。→ アムル赤目(本体)が同化したことにより、大竜となる。

 ナディア(影):魔女ドリナ(悪性)が生み出したナディアそっくりの影。テーマパークでナディアたちに倒され、ナディアの力となる。

 アムル(影):魔女ドリナ(悪性)が生み出したアムルそっくりの影。テーマパークでアムル達に倒され、アムルの力となる。

 ルシード(影):魔女ドリナ(悪性)が生み出したルシードそっくりの影。テーマパークでルシード達に倒され、ルシードの力となる。

 古竜シードロヴナ:廃墟にいた古竜。ナディア、ルシード、カスパル(中竜)との戦いで深手を負う。血と鱗をアムル(赤目)に奪われる。
 特技:戦闘時に古竜シードロヴナ(人間)となる


 電脳世界でのアイテム等

 古い書物:砂漠の遺跡の最深部にあった書物。各地域の成り立ちなど、この電脳世界での歴史が書かれている。水の神殿に入る時に必要。

 光る石:水の神殿に行くときに行商人から購入した奇麗な石。


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