(創作物語)『明日への貴方へ』 その17
前回までのあらすじ。
電脳世界の創造主を探すために、陸の孤島に向けて出発したナディア達。その後を追うようにウォルトン(剣士)達も出発する。また、リーミラ(魔女ドリナ)とアムル赤目(本体)も陸の孤島に向けて出発するが、途中の島でのキャンプ時に奇妙な夢を見る。また、アレン博士は最新型のアンドロイドRGHJ-1800を遠隔操作で電脳空間に送り込むが・・・・・。
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ナディア「ふぅ、やっと着いたわね。ここが陸の孤島?」
カスパル大竜(人間)「そうみたいだな。降りよう」
ナディア、カスパル大竜(人間)、ルシードの3人は船を離れ、陸に降りる。
かなり大きな島で、木々の大きな森が目の前に広がる。
森の奥に分け入り、中心と思われる場所にたどり着く。そこには男女2対の石像が置いてある。
ルシード「ねぇ、これは、ここの創造主じゃないかな?」
ナディア「でも、石になっているわね」
カスパル大竜(人間)「ん?ここに何書かかれているな。月夜の真夜中、腕、石、ペンダントを石像に捧げよ」
ナディア「石って、あの商人から貰ったあの石かな」
カスパル大竜(人間)「ペンダントは、もしもするとこれなのか」
ルシード「腕って何?」
ナディア「妙だわね。腕を捧げよって。古い書物には何か書いてないか見てみるわ」
ナディアは持っている古い書物を広げる。
ナディア「古い書物にはこうあるわ。古より、人間は永遠の命を求め、機械文明を発達させた。次第に人間は、機械に脳を移植することで飛躍的に寿命を延ばすことが出来た。やがて、人は脳にあるデータを電脳世界へと送ることに成功する。しかし、それには多くの代償を払わなければいけなかった。最初の一対の男女、いわゆる創造主はこれを三つの物に分けた。腕、石、ペンダントである。創造主は自らを石に変えることで、電脳世界でのありとあらゆる生命を自然発生させることが可能となった」
カスパル大竜(人間)「創造主は、自由と引き換えに石になることで生命を自然発生させる方を選んだということか・・・・」
ルシード「創造主って、死んじゃったの?」
ナディア「いいえ、石になっても生きているわ。この腕の謎が解ければいいのだけど」
「なるほど、いい話を聞かせてもらったわ。ご苦労様」
後ろから聞きなれない声がすると思い、振り返ると、そこにはあのアムル赤目(本体)とあのリーミラ(魔女ドリナ)がいる。
リーミラ(魔女ドリナ)「お前達が持っているその石、ペンダント、そしてあと腕が揃えば、その石になった創造主とやらを復活させることが出来のであろう?」
カスパル大竜(人間)「くっ、見つかったか!ナディア!創造主を持って、逃げろ!ここは自分が何とか食い止めて見せる!」
ナディア「持ってって、あれ結構な重さよ!私も戦うわ!」
カスパル大竜(人間)は変身を解き、大竜に戻る。
リーミラ(魔女ドリナ)「ほほぅ、あの時よりも強くなったのだな。面白い!」
カスパル大竜はドラゴンブレスでリーミラ(魔女ドリナ)達を焼き尽くそうとするが、アムル赤目(本体)がシールドを張り、これを防ぐ。
リーミラ(魔女ドリナ)「甘い。一人で我らと対抗しようなぞと思わない方が良い」
リーミラ(魔女ドリナ)はダークボールを作り出し、カスパル大竜に向けて放つ。もう少しで直撃しそうになった時、光の玉がこれをはじき返す。見れば、あの古竜シードロヴナ(人間)達だ。
古竜シードロヴナ(人間)「若造にだけ良い所持っていかれてはなるまい」
ウォルトン(剣士)、サーナ(盗賊)も参戦し、一気に形勢逆転となる。ダブルドラゴンに、接近戦のウォルトン(剣士)とサーナ(盗賊)が加わる。
ウォルトン(剣士)「ナディア!今のうちにその石像を!」
ナディアとルシードは、その場から石像を運び出す。随分離れた所で石像を配置するナディアとルシード。光る石、竜族のペンダントを掲げ、腕を探すナディア。夜の定刻になっても、腕を探すことが出来ないナディア達。途方に暮れて、ナディアとルシードが石像に触れた時、変化が起こる。
石が徐々に溶け始め、一対の男女が姿を現した。
マイルズ(創造主)「やあ」
ラベン(創造主)「こんにちわ」
ビックリするナディア達。
マイルズ(創造主)「やっと出られたね」
ラベン(創造主)「そうね。かなり窮屈だったわ〜。あー空気が美味しい〜」
マイルズ(創造主)「あれからどれくらいの生命が生まれたか楽しみだね~」
ラベン(創造主)「そうそう。でも、ある程度繁栄してくれなきゃ、私達が楽しめないからね~」
ナディア「この子達、、、、何処かおかしいわ、、、、」
ルシード「うん。僕もそんな感じがするよ」
その場を去ろうとするナディア達に、マイルズ(創造主)達は声をかける。
マイルズ(創造主)「あれ〜。僕たちがお礼を言おうとしているのに、何処か行っちゃうの〜」
ラベン(創造主)「失礼極まりない奴」
ナディア「走って逃げるわよ!!!!」
ナディアとルシードは全力でその場を逃げ出した。ラベン(創造主)がナディア達の後を追おうとするが、マイルズ(創造主)が引き止める。
マイルズ(創造主)「ラベン〜、そんなに必死にならなくていいよ〜。どうせ奴らは僕らの手のひらの中で踊るだけだから、ゆっくり楽しもうよ〜」
ラベン(創造主)「そうね。まだ目覚めたばかりだから、この電脳世界をゆっくりと探索しなきゃね。そして出会ったら、、、その時は思い知らせてやる」
マイルズ(創造主)とラベン(創造主)は、飛行モードに入り、その場を飛び去った。
その頃、激しい戦闘を繰り広げているリーミラ(魔女ドリナ)達と、カスパル大竜達。
リーミラ(魔女ドリナ)「やるわね、あんた達!、、、、、、」
アムル赤目(本体)「ハァハァハァ、、、母さん、コイツラに早くあのこと伝えないと、、、、ここにいる全員消されてしまうよ!!!」
カスパル大竜「、、、、何!?俺たちが消されるとはどういうことだ?!」
リーミラ(魔女ドリナ)「知らぬが仏とは、このことね、、、、、。お前たちは、あの石像の恐ろしさがわかっていない、、、、、。あの石像は、、」
その時、ナディア達がカスパル達の前に帰ってくる。
ナディア「創造主は、、、、消えたわ」
その言葉を聞いて、固まるリーミラ(魔女ドリナ)とアムル赤目(本体)。
アムル赤目(本体)「、、、、、、、終わりだ、何もかも」
リーミラ(魔女ドリナ)「何たる愚行。お前たちはこの世界を壊したのだぞ!私達の手で、破壊すべきだった、、、」
カスパル大竜達「お前達もこの電脳世界を支配しようとしていただろうが!その創造主がどうであれお前たちにも非はある!」
ナディア「リーミラ(魔女ドリナ)。説明してくれる?私達がわかるように」
リーミラ(魔女ドリナ)は、静かに語り始める。
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登場人物
ナディア:体は機械、脳は人間のアンドロイド。
特技:〇〇、高速移動
ルシード:正体不明の少年
特技:似顔絵書き、高速移動、生命反応探知、声
アレン博士:脳科学者で、偏屈者。自身で、超巨大な設備を持つ。→大聖堂での魔女ドリナによるRGHJ-1700大量破壊事件を受け、極秘プロジェクトの再始動を会議で決定。RGHJ-1800を量産体制に移行させる。
アムル:アレン博士の所で電脳世界に入った時、ルシードが出会った少年。200年前、脳移植時に事故が起こり、電脳空間に閉じ込められた少年。母は、魔女ドリナ。→ リーミラにより、電脳空間から強制的に現実世界へと連れ出され、正気を失い赤目のアムルとなる。
特技:電脳空間時に魔法使用可能
ザカロン:アレン博士の研究所の製造部門長。冷徹。
サーナ:製造部門で働く女性社員。情報通。彼氏はウォルトン。
ウォルトン:生体部門で働く男性社員。彼女はサーナ。
ブロウス:生体部門の部門長。アレン博士とは別に、独自に電脳空間に入れる装置を開発した秀才。アレン博士とは対立している模様。
リーミラ:ブロウスの元妻。研究棟の一室で、アムルの本体を隔離し、個人的にアムルのデータを何かに利用しようとしていた。本当の目的は魔女ドリナを電脳空間から現実世界へと出す計画を練っている。→ 大聖堂で魔女ドリナと同化し、リーミラ(魔女ドリナ)となる。
アムル(本体):研究棟の一室の円柱状のガラス内に閉じ込められた少年。 →大聖堂でアムル(赤目)と同化し、アムル赤目(本体)となる。
アレン博士の研究所
研究棟:身体に電極をつなぎ、電脳空間へと飛べる装置がある。電脳空間の出来事はモニターで閲覧可能。また、日々進化する技術の推移を集めた頭脳集団がいる部門。とある部屋の一角に、アムルの本体が保管されているのをサーナが偶然見つける。
製造部門:最新のAIやロボットを製作する部門。
生体部門:人間の生体と機械を繋ぐことを目的とする部門。
スクラップ置き場:廃材を重機で押しつぶし、再利用する場所。
生活棟:研究者や製造スタッフが寝泊まりできるくらいの施設。一つの町と言ってもいいほどの広さがある。
大聖堂:人々の心のよりどころ。魔女ドリナとアムル(赤目)がRGHJ-1700と戦い、リーミラ、アムル(本体)と同化した場所でもある。
製造しているアンドロイドや、アイテムなど
RGHJ-1700:新モデルで、旧タイプより130%性能がアップしている。AIを搭載し、完全自動で動く。完全自立型アンドロイド。
RGHJ-1800:1700の後継機種のアンドロイド。場所を選ばずに電脳空間に実体を移動できる機能が搭載される予定。より人間に近づけた「感情」を搭載させた最新モデル。戦闘力もRGHJ-1700の数倍に上がっている。→ アレン博士が電脳空間の陸の孤島を目指すリーミラ(魔女ドリナ)とアムル赤目(本体)の抹殺のために送り込む。自立型でありながら、外部から遠隔操作可能。
特技:魔法シールドを破れるミサイル、相手の魔法攻撃に対するバリア機能、接近戦での重力装置の開放、現実世界から電脳空間への転送、人間らしい会話や仲間との協力。
転送装置:現実世界の実機を電脳空間に直接転送できる装置。ブロウスからウォルトンに渡される。
アレン博士の研究所での謎
生体部門:ウォルトンが発見した、分厚いガラスで何重にも守られた部屋に冷凍保存された男女一対の人間。
研究棟の奥の部屋:円柱状のガラスの装置内にアムルの本体と思われるものを発見。サーナが偶然見つける。ウォルトンとサーナは、研究棟の奥の部屋に監視カメラを設置。
アムルが捕らわれている電脳世界
魔女ドリナ:アムルを電脳空間に閉じ込めた魔女。普段いつも自分の家で、まじないの薬を調合しているが、3日に1回、近くの森、廃墟へ出かける。息子は、アムル。師匠は、水の神殿にいるアルバーノ。
森:魔女ドリナが3日に1回訪れる森。一つ目の巨人サイクロプスが住むとされる地域。
洞窟:森の奥の洞窟の最奥に、電脳世界から現実世界へ移るための装置をウォルトンとサーナが発見する。魔女ドリアが所持している。
廃墟:魔女ドリアが3日に1回訪れる廃墟。凶悪なドラゴンが住むとされる地域。
水の神殿:アムルが発見した電脳世界の新地域。アルバーノが守護している聖域。
砂漠の遺跡:アムルが発見した電脳世界の新地域。
モダンな街並み:アムルが発見した電脳世界の新地域。
陸の孤島:電脳世界を創造した男女一対が封印されているという伝説が残る島。
魔女ドリナ(悪性):魔女ドリナのもう片方の一面。何故悪性に変わるかは不明。
特技:召喚魔法
謎の剣士:砂漠の遺跡に向かうナディア達をサイクロプスから守った剣士。現実世界のウォルトン。
謎の盗賊:剣士と共にいた盗賊。現実世界のサーナ。
アルバーノ:初老の水の神殿の守護者。ナディア達と出会ったあとは、彼らを支援することに。弟子は、魔女ドリナ。
カスパル(小竜):アルバーノがアムルに手渡した小さな竜。アムルの魔力に比例して強くなる。モダンな街並みのテーマパークで鍛錬することにより、中竜となる。→ アムル赤目(本体)が同化したことにより、大竜となる。→ 古竜シードロヴナ(人間)から人間になる術を学び、カスパル大竜(人間)となる。
ナディア(影):魔女ドリナ(悪性)が生み出したナディアそっくりの影。テーマパークでナディアたちに倒され、ナディアの力となる。
アムル(影):魔女ドリナ(悪性)が生み出したアムルそっくりの影。テーマパークでアムル達に倒され、アムルの力となる。
ルシード(影):魔女ドリナ(悪性)が生み出したルシードそっくりの影。テーマパークでルシード達に倒され、ルシードの力となる。
古竜シードロヴナ:廃墟にいた古竜。ナディア、ルシード、カスパル(中竜)との戦いで深手を負う。血と鱗をアムル(赤目)に奪われる。
特技:戦闘時に古竜シードロヴナ(人間)となる。
マイルズ(創造主):電脳世界の創造主。男。ルシードが触れることにより、蘇る。
ラベン(創造主):電脳世界の創造主。女。ナディが触れることにより、蘇る。
電脳世界でのアイテム等
古い書物:砂漠の遺跡の最深部にあった書物。各地域の成り立ちなど、この電脳世界での歴史が書かれている。水の神殿に入る時に必要。
光る石:水の神殿に行くときに行商人から購入した奇麗な石。
竜族のペンダント:古竜シードロヴナ(人間)がアルバーノに手渡した竜族のお守りのペンダント。
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