(創作物語) 『明日への貴方へ』 その2

前回までのあらすじ。
脳は人間、体は機械のアンドロイドのナディアが古びた設備の中で奇妙な男児に出会う。名もなき彼の事をルシードと名付け、一緒に行動することになるが・・・・。
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 古びた施設を出るナディアとルシード。ルシードがナディアに話しかける。

 ルシード「ナディアは、いつから生きているの?」

 ナディア「ずっと前だよ。約400年。あなたは、わからないよね、、、」

 ルシード「、、、両親が生きているかどうかもわからないんだ。さっきの似顔絵が手がかり」

 ナディアが一緒に自分の家に来るようにルシードに言う。

 ナディア「あなた行く所無いなら、私の家に泊まっていけば?」

 ルシード「うん。ナディア姉さんの家に行く!」

 ナディア「姉さんはやめて。照れるじゃない」

 ルシード「遅いよ!ナディア姉さん!」

 ナディアがパッと振り向くと、そこにはルシードの姿はなく、信じられないらいに遠くに行っているルシード。滅茶苦茶な足の速さだ。ナディアも全力で追いかける。ちなみにナディアの全速力は約150km/hで、鉄道並である。それを遥かに上回るルシード歩行速度。

 ようやくナディアがルシードに追いつく。

 ナディア「あなた、一体何者?」

 ルシード「わからないんだ。勝手に体が動き出すんだ。普通に歩いたほうが良さそうだね。」

 ナディア「そうね。お願い。ゆっくりで」

 歩いて二人はナディアの自宅に到着する。家の中に入り、玄関には家族と思われる三人の写真が置いてある。ナディアの両親と機械に繋がれたナディアと思われる人物。皆笑顔である。

 ルシード「この人がナディア姉さんの両親?」

 ナディア「そう。実際には、90年くらいで二人とも亡くなったわ」

 ルシード「そう、、、、」

 ナディア「さあ、湿っぽい話は終わり!あなた何か食べる?」

 ルシード「いや、僕は何もいらないよ。」

 ナディア「そう。私は脳みそに栄養が必要だから、このチューブで栄養を補給するわ」

 そう言うと、ナディアは部屋の片隅にあるチューブから何やら液体を体内に補給し始める。みるみるうちに活気を取り戻し、元気になった様子。

 ナディア「これから少し休んでから、あなたの両親を探しに行くけど、あなたも寝る?」

 ルシード「実は、僕は眠らなくていいんだ。食事もいらない」

 ナディア「そう。じゃあ先に寝るわね」

 そう言うと、ナディアは深い眠りに落ちた

 

 登場人物

 ナディア:体は機械、脳は人間のアンドロイド。

 ルシード:正体不明

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