(創作物語)『明日への貴方へ』 その14

前回までのあらすじ。
リーミラとアムル(赤目)は研究棟の中の一室にバリアを張り、電脳空間へと入る。電脳空間内では、魔女ドリナが森の洞窟の奥で現実世界に繋がるゲートを開こうとしていた。その材料を集めに廃墟へ向かうアムル(赤目)。後を追うナディア達。その廃墟にいた古竜シードロヴナに勝利するも瀕死になるナディア達。その隙を見て古竜シードロヴナの鱗と血を手に入れたアムル(赤目)は森の洞窟へ戻るが・・・・・。
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 森の洞窟に戻ってきたアムル(赤目)。手には古竜シードロヴナの鱗と血があった。

 魔女ドリナ「まあ、こんなに傷ついて。顔を見せなさい、それに体中傷だらけ・・・・・」

 魔女ドリナはアムル(赤目)の傷を薬草で癒す。

 魔女ドリナ「で、あの竜は手懐けられなかったってことね」

 アムル(赤目)「ごめんなさい・・・・。でも、古竜シードロヴナの鱗と血は取ってきたよ」

 魔女ドリナ「それでいいわ。向こうの世界に行けば、竜の力を上回る力を得られる」

 魔女ドリナは古竜シードロヴナの鱗と血を混ぜ合わせ、さらにそこに自分の血とアムル(赤目)の血を混ぜた。魔法陣から紫色の光が放たれ、ゲートが開く。ついに、電脳空間から現実世界への門が開いた。

 これを隠れて見ていたウォルトンとサーナ。

 ウォルトン「何かとてもヤバい気がするのは俺だけか?」

 サーナ「私たちもすぐに現実世界に戻るわ」

 これを見ていたブロウスは現実世界にウォルトンとサーナを引き戻した。


 ウォルトン「いち早く、奴らを見つけるぞ!」

 ウォルトンとサーナは研究棟にある一室へとすぐさま向かう。そこにはリーミラの姿はなく、空間に大きな穴が開いていた。

 ウォルトン「まずい!すでに魔女ドリナはこの現実世界に出てきている可能性がある!探すんだ!!!」

 サーナ「探すって、どこを探せばいいのよ!」

 焦る2人にブロウスから連絡が入る。

 ブロウス「大聖堂だ。リーミラは大聖堂に向かったと連絡が入っている。おそらく魔女ドリナもそこに向かうはず。先回りするんだ!」



 その頃、現実世界に出てきた魔女ドリナとアムル(赤目)。研究棟の一室に開いた大きな穴。電脳空間と現実世界を繋ぐ穴である。

 リーミラ「ようやく会えたわね。初めまして魔女ドリナ」

 魔女ドリナ「あんな窮屈な所、戻りたくないわね。貴方がここの支配者なの?」

 アムル(赤目)は円柱状のガラスに入ったアムル(本体)を見る。

 アムル(赤目)「ねぇ、母さん!これ見てよ、僕にソックリだよ。死んでいるのかな?」

 魔女ドリナ「それを持って、あの場所へ行きましょ」

 リーミラ「私が案内するわ。大聖堂は歩いてすぐそこよ」

 リーミラ、魔女ドリナ、アムル(赤目)は、円柱状内のアムルをガラス内からだし、担いで大聖堂に向かう。

 

 ブロウスは新型で量産に入ったRGHJ-1700を起動する。魔女ドリナを捕縛するためだ。AIを搭載し、完全自動で動くアンドロイド。

 ブロウス「ウォルトン、RGHJ-1700を起動させた。目標は魔女ドリナとアムル(赤目)だ。援護してやってくれないか?」

 ウォルトン「了解!サーナにも連絡して、現地に向かわせる」

 ロケットランチャーや重火器を準備し、大聖堂へと向かうウォルトンとサーナ。

 早速、魔女ドリナとアムル(赤目)とリーミラを見つけたウォルトン。リーミラが近くを歩いているため、派手な武器は使用できない。

 ウォルトン「畜生!リーミラが邪魔で、攻撃できない。狙撃に変更だ、いいか?サーナ」

 スナイパーライフルに持ち替え、魔女ドリナを狙撃するウォルトン。1発、2発と、弾丸を発射する。

 魔女ドリナ「虫けら目が・・・・・」

 魔女ドリナはバリアを張り、これを防ぐ。

 ウォルトン「ダメだ!銃が全く通用しない!接近戦は、RGHJ-1700に任せるんだ」

 サーナ「これは現実なの?銃が役に立たないなんて・・・・」

 大聖堂の前にRGHJ-1700は先回りして待ち構えている。

 RGHJ-1700「お前達を破壊せよと命令だ。ただし、ミレーユは傷つけない」

 魔女ドリナ「リーミラ。あんたの世界は、こんなくだらないガラクタを作って喜んでいるレベルの低い世界なの?全く笑う気にもなれないわ」

 RGHJ-1700は魔女ドリナに対して接近戦をしかける。いささか、接近戦となると分が悪いようだ。徐々に押され始め、ゴーレムを召喚する魔女ドリナ。ゴーレムはRGHJ-1700を鷲掴みにすると、遠くへ投げ飛ばす。その隙に大聖堂へと向かう魔女ドリナと赤目のアムルとアムル(本体)。リーミラもその後を追う。

 大聖堂に入る魔女ドリナ。中には大量のRGHJ-1700が配置されている。一気に魔女ドリナに襲い掛かるRGHJ-1700。

 魔女ドリナ「めんどくさいから、一気にやっつけちゃおうかしら。アムル(赤目)も手伝いなさい」

 アムル(赤目)「はい」

 魔女ドリナはアムル(赤目)とダブル魔法をかけ始める。やがて地面から大きな岩が次から次へと突き出してきて、RGHJ-1700をバラバラしにしてゆく。その数、数十体。起動停止したRGHJ-1700。

 魔女ドリナ「これで邪魔者はいなくなったわね」

 祭壇にリーミラを寝かせる魔女ドリナ。呪文を掛け、リーミラの意識内に入り、同化が始まる。やがて同化が終わり、目を覚ますリーミラ(魔女ドリナ)。

 リーミラ(魔女ドリナ)「良い気分だわ。これで、もうあの窮屈な電脳空間に強制的に戻されることもないわ。さあ、アムル(赤目)もここへ」

 アムル(本体)を寝かせるアムル(赤目)。リーミラと同化した時と同じように、アムル(本体)にアムル(赤目)が吸収される。アムル赤目(本体)はやがて目を覚ます。

 アムル赤目(本体)「良い気分だね。生きているという感じがするよ」

 同化を終えたリーミラ(魔女ドリナ)とアムル赤目(本体)は、再び研究棟へと戻る。その姿を見るウォルトンとサーナ。

 ウォルトン「サーナ、武器を!奴らは何をするかわからない!」

 ロケットランチャーで攻撃するサーナ。リーミラ(魔女ドリナ)とアムル赤目(本体)に効くはずもなく、あっさりと回避される。

 リーミラ(魔女ドリナ)「研究棟に戻るわよ。もう一度電脳世界へ行き、仲間を増やすの。現実の世界を私達電脳世界の住人が支配し出来たら、楽しいと思わない?」

 アムル赤目(本体)「・・・・そうだね、母さん。奴らに思い知らせてやるんだ」

 

 最新型のアンドロイドRGHJ-1700が大量に破壊されたことを受け、アレン博士は極秘プロジェクトの再起動案を会議で決定。そして、次機種RGHJ-1800の開発を急ぐことにした。

 



魔女は、FF8のイデアを、 大聖堂内の魔法はアースクエイクをイメージしながら書いてみたヾ(*´∀`*)ノ

 



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登場人物

 ナディア:体は機械、脳は人間のアンドロイド。
 特技:〇〇、高速移動

 ルシード:正体不明の少年
 特技:似顔絵書き、高速移動、生命反応探知、声

 アレン博士:脳科学者で、偏屈者。自身で、超巨大な設備を持つ。→大聖堂での魔女ドリナによるRGHJ-1700大量破壊事件を受け、極秘プロジェクトの再始動を会議で決定。RGHJ-1800を量産体制に移行させる。

 アムル:アレン博士の所で電脳世界に入った時、ルシードが出会った少年。200年前、脳移植時に事故が起こり、電脳空間に閉じ込められた少年。母は、魔女ドリナ。→ リーミラにより、電脳空間から強制的に現実世界へと連れ出され、正気を失い赤目のアムルとなる。
 特技:電脳空間時に魔法使用可能

 ザカロン:アレン博士の研究所の製造部門長。

 サーナ:製造部門で働く女性社員。情報通。彼氏はウォルトン。

 ウォルトン:生体部門で働く男性社員。彼女はサーナ。

 ブロウス:生体部門の部門長。アレン博士とは別に、独自に電脳空間に入れる装置を開発した秀才。アレン博士とは対立している模様。

 リーミラ:ブロウスの元妻。研究棟の一室で、アムルの本体を隔離し、個人的にアムルのデータを何かに利用しようとしていた。本当の目的は魔女ドリナを電脳空間から現実世界へと出す計画を練っている。→ 大聖堂で魔女ドリナと同化し、リーミラ(魔女ドリナ)となる。

 アムル(本体):研究棟の一室の円柱状のガラス内に閉じ込められた少年。  →大聖堂でアムル(赤目)と同化し、アムル赤目(本体)となる。


アレン博士の研究所

 研究棟:身体に電極をつなぎ、電脳空間へと飛べる装置がある。電脳空間の出来事はモニターで閲覧可能。また、日々進化する技術の推移を集めた頭脳集団がいる部門。とある部屋の一角に、アムルの本体が保管されているのをサーナが偶然見つける。

 製造部門:最新のAIやロボットを製作する部門。

 生体部門:人間の生体と機械を繋ぐことを目的とする部門。

 スクラップ置き場:廃材を重機で押しつぶし、再利用する場所。

 生活棟:研究者や製造スタッフが寝泊まりできるくらいの施設。一つの町と言ってもいいほどの広さがある。

 大聖堂:人々の心のよりどころ。


製造しているアンドロイドや、アイテムなど

 RGHJ-1700:新モデルで、旧タイプより130%性能がアップしている。AIを搭載し、完全自動で動く。完全自立型アンドロイド。

 RGHJ-1800:1700の後継機種のアンドロイド。場所を選ばずに電脳空間に実体を移動できる機能が搭載される予定。より人間に近づけた「感情」を搭載させた最新モデル。

 転送装置:現実世界の実機を電脳空間に直接転送できる装置。ブロウスからウォルトンに渡される。



アレン博士の研究所での謎

 生体部門:ウォルトンが発見した、分厚いガラスで何重にも守られた部屋に冷凍保存された男女一対の人間。

 研究棟の奥の部屋:円柱状のガラスの装置内にアムルの本体と思われるものを発見。サーナが偶然見つける。ウォルトンとサーナは、研究棟の奥の部屋に監視カメラを設置。



アムルが捕らわれている電脳世界

 魔女ドリナ:アムルを電脳空間に閉じ込めた魔女。普段いつも自分の家で、まじないの薬を調合しているが、3日に1回、近くの森、廃墟へ出かける。息子は、アムル。師匠は、水の神殿にいるアルバーノ。

 森:魔女ドリナが3日に1回訪れる森。一つ目の巨人サイクロプスが住むとされる地域。

 洞窟:森の奥の洞窟の最奥に、電脳世界から現実世界へ移るための装置をウォルトンとサーナが発見する。魔女ドリアが所持している。

 廃墟:魔女ドリアが3日に1回訪れる廃墟。凶悪なドラゴンが住むとされる地域。

 水の神殿:アムルが発見した電脳世界の新地域。アルバーノが守護している聖域。

 砂漠の遺跡:アムルが発見した電脳世界の新地域。

 モダンな街並み:アムルが発見した電脳世界の新地域。


 魔女ドリナ(悪性):魔女ドリナのもう片方の一面。何故悪性に変わるかは不明。
 特技:召喚魔法

 謎の剣士:砂漠の遺跡に向かうナディア達をサイクロプスから守った剣士。現実世界のウォルトン。

 謎の盗賊:剣士と共にいた盗賊。現実世界のサーナ。

 アルバーノ:初老の水の神殿の守護者。ナディア達と出会ったあとは、彼らを支援することに。弟子は、魔女ドリナ。

 カスパル(小竜):アルバーノがアムルに手渡した小さな竜。アムルの魔力に比例して強くなる。モダンな街並みのテーマパークで鍛錬することにより、中竜となる。

 ナディア(影):魔女ドリナ(悪性)が生み出したナディアそっくりの影。テーマパークでナディアたちに倒され、ナディアの力となる。

 アムル(影):魔女ドリナ(悪性)が生み出したアムルそっくりの影。テーマパークでアムル達に倒され、アムルの力となる。

 ルシード(影):魔女ドリナ(悪性)が生み出したルシードそっくりの影。テーマパークでルシード達に倒され、ルシードの力となる。

 古竜シードロヴナ:廃墟にいた古竜。ナディア、ルシード、カスパル(中竜)との戦いで深手を負う。血と鱗をアムル(赤目)に奪われる。
 特技:戦闘時に古竜シードロヴナ(人間)となる



 電脳世界でのアイテム等

 古い書物:砂漠の遺跡の最深部にあった書物。各地域の成り立ちなど、この電脳世界での歴史が書かれている。水の神殿に入る時に必要。

 光る石:水の神殿に行くときに行商人から購入した奇麗な石。


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