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今日も、小説の主人公になった気分で。

トーストのまわりにマヨネーズを、しぼる。ちょっと中心を潰したら、溶き卵をこぼれないように慎重に、慎重に。流し込んだ卵の上に、コンソメと胡椒を少々。マヨネーズの城壁を少しずつ崩して、卵と混ぜながら魚焼きグリルで焼き上げる。

古くなったトースターはずいぶん前に捨ててしまって。こげないように、大切に見守る。丁寧に、丁寧に。この時間にちょっと、うまみが増す気がしている。我が家にトースターがないのは、断じて、買いに行くのがめんどくさいわけではない。

しばらくすると香ばしい幸せな香りが部屋を満たして、程よく焦げ目のついたマヨたまトーストが出来上がる。トーストをかじると、マヨネーズの酸味とうまみがとけた半熟卵が口いっぱいにトロッと広がって。あぁ、今日も生きてる。

なーんて、今日は日常系の物語の主人公気分。心なしか、ただの卵トーストが5割増しで旨く感じる

フレンチトーストを焼いてコーヒーを入れる朝は、洋画のヒロイン(オカマ?)になってみたり。毎朝、毎晩、仕事中だって「物語の主人公」を心の中で密かに妄想しながら生きています。気分によっては、勝手に自分の生活を脳内Vlog化してみたり。

もはや、変態。笑

あ、さすがに「今日も、小鳥さんのさえずりが素敵だなぁ…(キラキラ)」なんて、呟きませんよ。心の中で妄想して、一応表向きは一般的な人間を模倣して生きてます。


でもねー。ライフハックとしては、なかなか優秀なんじゃないでしょうか。しらんけど。

どうでもいい日常が、めちゃくちゃ特別な時間になって。「あ~、やる気でない。このままでいいんか俺。」みたいな気分のときも、立ち直るイメージを明確に持ちながら行動的になれたり。

なんせ、主人公ですから。ちゃんと動けば、物語は進み始めちゃう。


妄想することが多いのは、グルメやキャンプを題材にした漫画の主人公。

あの手の物語って、あくまでそこに広がっているのは「日常の1ページ」であって、大成功物語でもなければ大海原に飛び出すような大冒険でもない。だけど、なんだか特別で、そうなりたいと思えるような。

ほんの少しだけ行動的になれば叶えられる、ささやかで(僕の中では)理想的な生活だったりします。


ときに、病み期から立ち直る会社員。
ときに、ズボラなグルメ漫画の主人公。
ときに、のんびり過ごす野良猫。

いろんな物語を転々としながら、機嫌のいい顔で。しあわせを全身で引き寄せながら生きていければ、生まれて死ぬまでずっとしあわせを見つめながら生きていける。

人のしあわせって、そんなもんじゃないのかなー。ま、しらんけど。

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