直せるモノと直せないモノ
最近よく思うのですが、最先端の技術って、もはやイメージの外というか、わけのわからないものになっている印象です。
たとえば、この動画 ▼▼▼
『1秒の1000兆分の1』とか、2cm四方程度のガラス板に保存できるデータ量が『7Tバイト』とか……
どういう状態か思い浮かべることのできないレベルです。
『人間の手ではどうにもならない世界』と言ってもいいでしょう。
一方、昔の家電を生き返らせる、スゴ腕修理人/今井和美さんという方がいらっしゃいます。
この方はこの方で、素晴らしい技術をお持ちなんですが、やっていることはまだしもイメージできるレベル。
つまり、人間業の延長線上にあります。
どちらも凄いですし、それぞれに魅力があるわけですが、わたしたちのまわりはドンドン前者的な『わからない』モノに満たされてきています。
普段使っているスマホだって、何がどうなっているのか謎ですし、人間が修理できるアイテムではありませんよね。
やや話が飛躍しますが、わたしはそれも『セカンド・ルネサンス』的な現象だと思っています。
あるいは『リバース・ルネサンス』と呼んだ方が、わかりやすいかもしれません。
最初のルネサンス以前。
つまり、中世までの世界では、神と魔法が強い力を持っており、宇宙は人間のあずかり知らないことで満ちました。
それに対して、ルネサンス以降の近代は「人間こそが世界の中心であり、わからないことが減っていく」と思えた時代。
その傾向は、ポジティブには『進歩』と呼ばれ、ネガティブには『傲慢』と批判されました。
いずれにせよ、20世紀の終わりくらいまで、人間は自分の目と手と頭で世界をコントロールできる(あるいは「したい!」)と思えていたわけです。
が、世界はコンピューターの急激な発達によって、今一度、人間の手からすり抜けていこうとしています。
それを『敗北』と感じるのか、『謙虚さの再獲得』と見るのか……。
そのあたりも人それぞれですね。
自分の感じ方や進み方を、自分で選択していく時代。
それが、サイニック理論でいうところの『自律社会』なのだと思います。