#0 灘高校生の勉強の相談にのった
さて、僕の教育実践を紹介していくにあたって、まずこんな話からしようと思います。
イントロダクション。
先日、かの有名な灘高校に通う生徒の勉強の相談に乗る機会がありました。母親が実家でやっている英語教室に来ている子で、僕が実家に帰ったとき、たまたま居合わせたんです。
そんな彼に学校の様子や課題の内容を聞いていると、なぜ灘高に通う“彼ら”が、日本トップクラスの成績を出している理由がわかりました。
理由1:与えられる問題集の難易度がとても高く、質もいい。
理由2:与えられる問題の量が膨大かつ、その量をこなすために与えられる時間がとても短い
理由3:与えられるタイミングや系統性なども整っていると考えられる
理由4:“彼ら”は大量のインプットに耐えうるだけの頭脳と根性を、先天的に持っている。
ということだと思ったんです。“彼ら”が日本トップな理由にこんなことがあるかなーと思ってました。
でも、“彼”は困っていた。
なぜだろう。
考えられる原因は3つ。
原因1:勉強法が確立していない
原因2:自分の苦手や得意がどこで、今何の勉強が自分にとって必要かが分かっていない
原因3:学習意欲が低下している(もしくはやる気がわかないときの対処法がない)
つまり、“彼”は学習者として自立していなかったのです。
だから、困っていたのです。「自分で学ぶ力」がなかった。「与えられる学習」ばかりをやらされていたので、それが消化不良を起こした時に対処できなかったのです。
このような結果を見たときに怖いなと思う。
上で挙げたような学習方法は、AIが何かを学ぶときの方法と一緒だから。良質な教師データを大量に読み込むという学習。これはもう機械ができちゃうんです。そして、灘高生をもってしても、大量のデータを処理する能力でパソコンには遠く及ばない。根性なんて概念はパソコンに存在しない。不眠不休で飲み込み続ける。
おっと。勝てるわけないじゃんってことなんです。
こんなことやってたら、Siriに、「あなたの存在価値が、ワカリマセン」って言われる未来がまっているんです。灘高生すら。口を開けて、待っているだけの学習者ではAIに飲み込まれて終わるんです。
じゃあこれから価値を生み出す人間になるにはどうすればいいか。
それは、
「豊かな人間関係の中で自立した学習者になること」
コレだと思うわけです。僕の教育実践はこれを軸にしています。
今の学校教育では、こういう学習者を育てられていない。この灘高生のように。
その原因は一体何なのでしょうか。
次回はこの辺の話をします。