【「まち」と関わりのあるSDGs 第五回】
岩手山に初雪が降り、県内でも初霜が観測されました。
いよいよ冬が間近に迫ってきました。
★★■SDGsを大事にしている岩手町の事業者さんを訪れました■★★
「大量に布が余っているから引き取り手を探している事業者さんがいる」
ある日、役場の方からこんなお知らせがありました。
その事業者さんとは、岩手町に工場を置く 株式会社飯島産業さん。
飯島産業さんは、主に企業向けのユニフォームを製造販売している企業です。
ちょうど、余った布を集めている盛岡の事業者さんを知っていてその企業さんとつながりが作れないかな、と布を見に行かせていただきました。
★★■フェアトレード、福祉、働きがいなどなど■★★
飯島産業さんが使用している布の大半は、企業のユニフォーム製造のため、色などが基本的に特注です。
そのため例えばそのユニフォームが廃版になったり、何らかの理由でユニフォームの需要がなくなってしまった場合、余った布は他への転用ができず、どうしても使い道がなくなってしまうそうです。
ちなみに、どんな布がどれくらい余っているのかを見せてもらうことと併せ、大変失礼ながら飯島産業さんのことをよく知らなかったので、事業内容などを聞かせてもらいました。
そうしたら、その取り組みにとてもびっくりしました。
ユニフォームの製造販売、という主力の事業だけではなく、従業員がよりよく働くことのできる環境づくりや、社会に貢献できる事業も併せて行っているそうです。
働きやすい環境づくりや、福祉に携わる製品の企画製造。
ユニフォームにフェアトレードの綿素材を使っていたり。
女性の就労継続とキャリア形成に向けて、安心・安全・高品質のオリジナルマタニティウェアの開発をしていたり。
他にも子供向けに頭部を守る衝撃吸収素材の帽子を開発したり。
「SDGsを意識してはいるけれど、SDGsという言葉のためにやっているわけではない。働く人が気持ちよく働ける環境を作れば、結果的に効率や生産性はあがる。だからよりよく働ける環境づくりに力を入れている」
事業内容を教えていただいた相談役の飯島さんがそうおっしゃっていたのがとても印象的でした。
フェアトレードの素材を使う、働きやすい環境を作る、社会にも貢献できることをする。
こんな身近に「持続可能な事業」を実践している企業があることにびっくりしてしまいました。
★★■縁はつながる■★★
ちなみに私が飯島産業さんと当初つなごうとしていた盛岡のとある企業さんの話をすると、
「その企業なら知っているよ。興味があるので布が必要ならこちらから出向くよ」
とのことで、私が話をしたその日の夕方、飯島さんは盛岡の企業さんにさっそく訪問していろいろお話をされたそうです。
行動がとても速い。
話はそれで終わりか、と思っていたのですがその盛岡の企業さんは今考えている新規事業で飯島産業さんと関わりが持てるかも、と後日布の引き取りと併せ会社見学に行かれたそうです。
盛岡の企業さんからは「面白い会社を紹介してくれてありがとう!!」と感謝の言葉をいただきましたが、私は単純に余った布の活用だけを考えていたので奇妙な展開にこれもまたびっくりしました。
なにがどうつながるのか、世の中というのはなかなか不思議なものです。
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