「シャイニング」を見た
公開日:1980年5月23日(JP:同年12月13日)
監督:スタンリー・キューブリック
原作:スティーブン・キング
脚本:スタンリー・キューブリック
ダイアン・ジョンソン
制作:スタンリー・キューブリック
製作総指揮:ヤン・ハーラン
視聴日:2021年5月30日
以下ネタバレ有
映画を見ようと意気込んでから初めて見たのがシャイニング。
一点透視図法の使い方が上手く、とても奇妙な演出をすると聞いていたのでより注視して見ましたが、すごくゾワゾワしました。
ジャンルとしてはホラー映画ということですが、サイコホラーの印象が強く、真綿で首を絞められる感覚といったような恐ろしさがありました。長回しの技法がより緊張を増幅させ、いつ何が起きるか分からないという息苦しさを視聴者に与える演出はキューブリックの手腕なのか、当時の映画界での流行りなのか分かりませんが(何せ見た映画がまだまだ少ないものでして)、個人的にはとても好きです。前置きあってこその爆発というものはより衝撃的でしょうから。
特に好きなのは一人息子ダニーが三輪車でホテル内を走るシーンを後ろから撮ったもの。視点も低く、私たちもダニーと同じ目線に立ってホテル内をうろついていることになるので、より不安が際立っていて素敵でした。
ただ、所謂小説原作映画ということで、今では「原作を蔑ろにしている」や「脚本がクソだった」なんて言われがちですが、シャイニングも少しその系譜があるのかもしれないなぁ、と思います。もちろん映像としては面白かったのですが、原作とはかけ離れた内容だそうですし(私は読んでいません…)、結局ダニーの超能力については終盤ほとんど描写がなかった。あの能力を上手く使って窮地を脱するかと思えばそんなことはなかったことに驚きました。
小説の内容を映画にする、ということほど難しいことはないと思うので、きっと成功例は稀なんだろうなとも思いますが、それでも原作好きの人たち的には当時どういう気持ちだったんだろうなぁと気になるところではあります(原作者のキングはめっちゃ怒ってたらしいですが)。