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第11話 命と金の選択
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金と命の選択
私は昔から宵越しの銭は持たない性格で、「老後に備えて」などまだ先の話だと、あまり貯蓄には意識が向かなかった。
それが見事に災いし、お恥ずかしながら癌になってから治療費の工面に苦労するハメになってしまった。
癌にしろ、他の難病にしろ、風邪などとは違って医療費の負担がとても大きい。私がいま頼っているオプジーボも、新しい薬だからという事もあり非常に高価だ。
様々な保険や補助制度を勉強し、ひとまず月の負担額を15万円程度に下げる事は出来た。まだ交渉の余地が残っている部分もあるので、最終的には10万円前後で落ち着いてくれたらと思っている。
ところが、仕事が定期的にこなせていた時期ならともかく、今の限りなく無職状態な私にとって月10万円以上の出費というのは正直言って苦しい。
息子も中学生でこれからどんどんお金がかかるし、私に高額の医療費を使うくらいなら、彼の今後の人生のために積立ててあげたいくらいだ。
しかしそうは言っても、私の命があるからこそ作れるお金もある訳で、今のボクは「命と金の選択」を突きつけられているに等しい。
自分が癌になって思い知ったが、残酷なようだけれどもこの国は「金があれば生きられる」「金が無くなったら死ぬ」というシステムなのだ。そういうシステムの中で生きているという自覚を、もっと早く持つべきだったなと少し後悔している。
今のボクは「家族の負担になりたくない」「子供の人生の邪魔をしたくない」という想いと、「自分の命がある限りは何らかの手段で財産を遺してやりたい」という想いのせめぎ合いになっている。
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