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「意志がすべてを決める」――仕事のデザインと私の考え方

「データ分析×人×ビジネス」の軸で記事を書いています。

日々の仕事を通じて、私が最も強く意識しているのは「すべては意志(Will)から始まる」ということです。多くの人は、日常の中で意志の力を過小評価しているかもしれません。しかし、私にとっては、意志こそがすべての基点であり、行動の原動力です。意志がなければ、どれだけ優れた能力(Can)や外部からの要請(Must)があっても、それはただの空回りに終わることが多いと感じています。

このように、私が考える「仕事のデザイン」は、まず自分の意志を明確にし、それをどう具現化し、最終的にどのような結果を生むかというプロセス全体を設計することにあります。そして、そのために重要な要素がWill、Can、Mustの3つの概念です。これらが個々に機能するのではなく、互いに影響し合い、バランスを取りながら進化していく。これが、私が意識する成長のフレームワークです。

Will、Can、Must――私が仕事において重視する3つの要素

まずは、よく会社の研修などで教わる3つの概念「Will」「Can」「Must」について、私なりの意見をからめて少し具体的に掘り下げていきます。

  • Will(意志)
    すべての始まりは意志です。これは単なる「やりたい」という感情ではなく、自分自身がどこに向かいたいか、何を実現したいかという明確な目標を指します。私にとって、この意志は常に自分自身の内側から出てくるものであり、他人や外部の圧力によって形作られるものではありません。しかし、多くの人は、自分の意志を十分に意識せずに仕事を進めてしまいがちです。これが、後に「何のために働いているのか」という疑問や迷いにつながる原因だと感じています。意志が明確でないと、たとえどれだけ能力があっても、またどれだけ高い目標を設定しても、どこかで道を見失うことになります。私は、まず自分の意志をクリアにすることが何よりも重要だと考えています。意志がしっかりと固まっていれば、行動に迷いが生じることも少なくなり、結果的に自分の目標に向かって確実に進んでいけるのです。

  • Can(能力)
    意志が明確になった後に必要なのが、それを実現するための具体的な力――すなわち「Can」です。Canは、スキルや知識、そして経験を通じて培われる実力です。私がこれまでに感じてきたのは、どれだけ強い意志があっても、それを形にする力がなければ、結果を出すことは難しいということです。能力は単なる「できること」の集積ではなく、自分の意志を実現するためにどう使うかが重要です。ここで重要なのは、Canは時間をかけて鍛えるものであり、成長にはプロセスが伴うということです。成長は一朝一夕で得られるものではなく、失敗や試行錯誤を通じて得られるものです。私も多くの失敗を経験し、その過程で自分の能力を磨いてきました。この「正しい経験」が、最終的には意志を実現するためのCanへとつながります。だからこそ、私は部下にも「失敗を恐れずに挑戦し、その結果から学び続けること」の重要性を常に強調しています。

  • Must(目標・制約)
    最後に、ビジネスにおいては「Must」が不可欠です。Mustは、私にとって、単なる業務上の義務や目標値だけではなく、現実的なガイドラインやフレームを示すものでもあります。これがなければ、どれだけ強い意志と能力があっても、行動が定まらず、結果を出すことが難しくなります。しかし、Mustが強すぎると逆に自由度が失われ、意志や能力が発揮できなくなることもあります。私はMustを「制約」として捉えていますが、それは制限ではなく、成長のために必要な枠組みです。この枠組みの中で、いかにして自由に意志を発揮し、Canを最大限に使って結果を出すか――これこそが仕事のデザインの核心です。

エコロジカルアプローチと自己組織化

最近読んだ「エコロジカルアプローチ」(https://amzn.asia/d/8XetQ8F)は、このWill、Can、Mustの考え方と驚くほど共鳴しています。特に、成長のプロセスを段階的に進めるというアプローチは、私が日々の仕事で実践している「引っ張り、任せ、成長させる」というリーダーシップスタイルと深くつながっています。なお、この考えと相通じるところがあるなと思う、人が成長するうえで大切なことを教えてくれる「熟達論」(https://amzn.asia/d/aYK90VI)も興味がある方は参考にしてもらえれば有用かと思います。

  1. 引っ張る段階
    まず、最初の段階では、メンバーに大きな制約を与えます。制約が大きいことで、行動が明確になり、迷いが少なくなります。これは、個々の能力がまだ発展途上であり、意志が十分にクリアでない時期に有効です。この段階では、私自身がリーダーシップを強く発揮し、メンバーを引っ張っていきます。

  2. 自己組織化の段階
    次に、メンバーが徐々に自律的に動けるように、制約を緩めていきます。この段階では、意志や能力が育ち始めており、行動の自由度が高まる反面、迷いや不確実性も増してきます。ここでは、メンバーが自分自身の意志を再確認し、Canを使ってそれをどう実現していくかを模索する段階です。

  3. 完全な自己組織化
    最終的には、メンバーが自ら制約を設定し、完全に自律的に行動できるフェーズに移行します。この段階では、私が直接指示を出す必要はなく、メンバーが自分自身の意志に基づいて行動し、チーム全体が自己組織化して進んでいくのです。

このエコロジカルアプローチを取り入れた成長のステップは、Will、Can、Mustの概念と深く結びついています。最初は外部から与えられた制約やガイドラインの中で動きますが、最終的には自らの意志に基づいて行動し、その結果を最大化するための能力を発揮するプロセスです。

想像力の重要性――リンゴの落下と気づきのサイクル

さて、ここで私自身が(副業で)自己紹介をする際に使っているスライドを掲載し、これを使いながら説明をさせてもらいます。

副業の自己紹介スライド

私が部下に伝えているもう一つの重要な要素は「想像力」です。これは、単にクリエイティブな発想をするという意味ではなく、気づきから始まり、それを実行し、学ぶというサイクル全体を指しています。

スライドの左側にあるリンゴの絵は、ニュートンのリンゴの逸話に象徴される「気づき」の瞬間を表しています。ニュートンがリンゴの落下を見て引力に気づいたように、私たちも日々の中でさまざまな気づきを得ています。しかし、その気づきをどう生かすかは、最終的には個々人の意志と能力にかかっています。この「気づく→自分なりに考える→試してみる→学ぶ」というサイクルは、私が想像力を重視する理由でもあります。ただ単に気づくだけで終わるのではなく、それを元に行動し、結果を振り返り、次のステップに活かす。この繰り返しが個々人の成長に繋がりますし、組織全体としても進化していくための原動力となるのです。

混沌とした世界の中でのクリアな意志

スライドの右側に描かれた「ごちゃごちゃとした矢印」は、現実世界がいかに複雑で混沌としているかを表しています。私たちの仕事環境は常に変化し、時には混乱や不確実性の中で行動を求められます。そのような状況下で重要なのは、自分自身の意志をクリアに保つことです。意志が曖昧だと、周囲の雑音や外部の圧力に流され、自分の道を見失いがちです。

しかし、どんなに複雑な状況でも、自分の意志をクリアに持ち続け、それに基づいて行動することで、混乱を整理し、結果に繋げることができます。このプロセスは、しばしば困難である一方、成功への鍵でもあります。私は部下にも、混沌とした世界の中で自分自身の意志を見失わずに進むためには、自らの意志にしっかりと向き合い、Canを最大限に発揮して進むことが必要であると伝えています。

仕事のデザイン――意志を基点とする成長のプロセス

結局のところ、私が伝えたいメッセージは一つです。「意志がすべての基点となり、それを具現化するために能力(Can)を鍛え、現実的な制約や目標(Must)を適切に乗り越える」ということです。これは単なる理論ではなく、私自身がこれまでに多くの経験を通じて感じ、実践してきたことでもあります。

仕事をデザインするということは、自分自身の意志を見つめ、それをどうやって現実に反映させるかを考えるプロセスです。そして、そのプロセスには試行錯誤がつきものです。私は、失敗や混乱も成長の一部であり、それをどう捉えて次に繋げるかが重要だと考えています。だからこそ、部下たちにも「正しい経験」を積み、その中で自分自身の意志を見つけ、それを発展させることの大切さを伝え続けています。

まとめ――仕事のデザインとは、意志の具現化である

私にとって「仕事のデザイン」とは、ただ結果を出すためのプロセスを組み立てることではありません。それは、自分の意志をクリアにし、能力を高め、現実の制約を乗り越えることによって、意志を具現化することです。ビジネスの世界では、しばしば利益や効率が強調されがちですが、私はその背後にある「何のために働くのか」「何を実現したいのか」という意志こそが本質であると感じています。

そして、エコロジカルアプローチやWill、Can、Mustの概念は、その意志を実現するためのフレームワークです。制約の中でどう自由に行動するか、混乱の中でどう意志を持ち続けるか――これが、私の考える「仕事のデザイン」の核です。これからも私は、自分自身の意志を基に成長し続け、同時に部下やチームと共にこのプロセスを共有し、発展させていきたいと思います。


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