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成長や改善のプロセス自体を楽しめる人には、成長の限界はない

「データ分析×人×ビジネス」の軸で記事を書いています。

以前、ある人に「あなたの目標は何ですか?」と聞いたときに、「今の目標を超えることだ」という言葉が返ってきたことがあります。実は物質的な目標(企業の場合多くは売上と利益ということにつながります)には限界があり、そこに「意味」があるのかどうかが重要です。

物質的なものには限界があり、それを切り替える生き方をしなければならない

例えば、みなさんが企業したとして考えてみてください。現実にはビジネスでは儲けを出さないといけないので、必ず売上と利益の目標値というのを立てます。MicrosoftやAmazonなんかを超えたい(超えられたらうれしい)という思いは、経営者なら多かれ少なかれ持っていると思います。

ただ気を付けなければならないのは会社の規模であったり、こういう物質的な目標には限界があるし、追い求めたらキリがないという性質があるように思っています。仮にMicrosoftやAmazonを超える企業になれたとしても、5年、10年、20年、・・・と時を経れば必ず他のメインプレイヤーが出てきます。しかも、どんなビッグ・モンスター企業をつくれたとしても、世界中の通貨を自社に集めきるなんてことは到底できないわけです。

もっと極端なことをいえば、いずれ自分は年齢を重ね、何かしらの軸での絶頂を迎え、衰退していくものです。そして死を迎えることは誰にも避けることはできません。

特に顕著なのはスポーツ選手です。出どころは確かでないのですが、以前にスポーツ選手の絶頂期は、年齢的に20歳前後だと聞いた(読んだ)ことがあります。スポーツは体を酷使するので、やはり肉体的なピークというのは必ず(しかも年齢的に早いタイミングで)やってきますし、それに抗うことはできません。稀に武術の世界などで年長者でも達人とよばれ、若者を制することができる人もいます。しかし、それはあくまでも「ある限定的な状況」に上手く持ち込み、勝負をするのがうまいという要素も大きいでしょう。

このように考えると、どんなに頑張っても、広い意味でいえば「成績」もしくは「実績」というアウトプットには限界があります。そしてその限界をうまく切り替えられない人は、徐々に「気持ちの面でも気概が弱弱しくなっていく」というケースを私はみてきました。

実は成果を出す人はプロセスを楽しんでいる

私はビジネス(企業)でも、一個人であっても同様の流れがあると考えています。ビジネス目線でいえば「売上を得る→利益を出す→利益をうまく使う→新しいやりがいを見出す→・・・繰り返し・・・」という流れです。

企業したてで一番に大切なのは、仕事をとって売上を確保することです。それを徐々に積み上げていくと、少しずつビジネスの勘所がつかめてきて、効率よく仕事を進めて利益を出すことができるようになります。さらに利益が出てくると、お金の面でも気持ちの面でも余裕がもてるようになります。この段階に至って、初めて新しいことを考えられるのだと思います(新しいチャレンジ)。しかしながら、利益を出したらそれを貯めるだけで投資できない企業人も一定以上います。そういう人は、これまた不思議なのですがどんどん利益が減っていくのですね。市場は「うねり」があるので、安定したビジネスがずっと続くわけではないのです。

個人レベルでも同じです。新入社員はとにかくどんな仕事でも量をこなして(売上をとるのに等しい)、あるスキルを「根がはるまで徹底的に磨き上げる」ことが大切です。それをしていくうちに、要領よく仕事ができるようになって(利益が出るのに似ている)時間的な余裕が生まれてくるのです。そうなると、今までとは違う仕事を任されるようになったり、自分でやりたいことを探すようになったり(生み出した利益を投資するのと同じ)できるようになります。

このように、売上→利益→投資の流れを作れる人には共通の傾向があるようにも感じています。それは「成長のプレセスそのものを楽しむ」ということです。もちろん、ある1つの取組に対しては物質的な目標値というのが存在します。ゆるやかにそれを意図してはいるものの、イメージそれは頭の1/3程度にとどめている(たまに気を引き締める意味で目標を振り返る程度)ような感じでしょうか。それよりも、自分が何かに取り組んでいるうちに上手くいかないことに遭遇し、それを「なぜだろう?どうしたらいいんだろう?」と改善の試みを繰り返すのですが、これ自体が楽しくてたまらない(当然ながら気持ちの面で”しんどい”割合の方が多いです)。

物質的な目標を気に留めてはいるものの、それを目指していないような感覚です。

こういう人は目標値を次々に更新していくのですが、それができるのは前述したように「成長のプロセス」そのものを楽しめるからです。これがないと、目標値の更新を繰り返してったあるタイミングで「これ以上やって何の意味があるのか?どこまで頑張れば自分は満足するのか?」という疑問にぶち当たります。気を付けなければならないのは、ここで「考えるよりも前に進む」と成果を上げることだけに固執してしまうことです。すごく一側面的な言い方になってしまいますが、こういう人は仕事で大きな成果を上げるという「成果をえることにとらわれる」状態、あるいは「お金を稼ぐことにとらわれる」状態になってしまうのです。

ここで一点の補足ですが、こういう話をすると「やはり成果やお金がすべてじゃない」と努力しない路線に走ろうとする人がいます。しかしこれは間違いです。先ほども書いたように「売上→利益→投資」の流れの中で、まずは利益を生み出さなければなりません。大概の人は利益どころか売上さえまともに得ていないのに、「やはり成果やお金がすべてじゃない」といいがちです。

人生における切り替え

常日頃「売上→利益→投資」というのを個人レベルでも見ておき、利益のタイミングになったら「何に投資するか」を考える必要があります。これは換言すると「さらに自分が気概を持てることは何か?」と考え、それを突き進むというプロセスです。そして繰り返しになりますが、これ自体を楽しめるようになるのが理想なのだと思えます。

では、どうするとそうなれるのか?

1つ明確にいえるのは、世の中には理屈ではなかなか説明しきれないものがあると「受け入れ」て、以下のことを気にすることからはじめるのが良いと思います。

  • 「売上→利益→投資」という流れを気にする

  • 売上とは量をこなし、自分の糧にすること。利益は要領よくこなし、物質的な余裕を生み出すこと。そして投資とは、さらなる自己の追求であること(気概を持って取り組めるのは何か?)。

  • 物質的なものの限界があるが、精神的な限界はない。これは成長のプロセスそのものを楽しむという考え方である。

  • 利益を生み出したら、それをどう使うべきかを考える時間をもつこと。それを無視すると物質的な限界を”切り替える”ことができなくなる。

  • ただし、あくまでも売上のプロセスを軽んじてはいけない。利益を生み出すプロセスに至るまでは死に物狂いで頑張らなければならない。しかも、投資以降もそれは変わらない。

これを気にして日々の活動を見直すのが、最初の一歩であるかもしれません。こういう話には、残念ながら「こうすればOK」という答えはないのです(多くの人はそれを望んでいますが、その考えを変えることから始めましょう)。それは最初から投資のことだけを気にする人の思考であって、私が述べた成長のプロセスそのものを楽しむという思考とは真逆のものです。

答えを決めて求めるのではなく、答え”らしきもの”をイメージしながら、進むこと(悩むこと)を楽しむ。人生に意義を見出す方法があるとしたら、これなのではないかと思うのです。


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