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【転落記】とあるキャリアウーマンの転落記第2章

私はこの出来事に対して恐怖を覚えました。
記憶を取り戻した時には、見知らぬ男が血を流して倒れていたのですから…
怖くなった私は脇目もふらず、車に乗って走り去ってしまったのです。

しかし、ふと我に返ると
(あれ、なんで私は車に乗っているのだろう)

そう、私はいつの間にか車に乗っていました。
記憶を戻すと、完全に送別会の記憶しか残っていません。
(もしかしてあの男性に何か関わっているんじゃ…)
それもそうです。
私は、完全にお酒を残したまま車に乗っているので完全に「飲酒運転」です。
怖くなり、車を降りると右側のボンネットが大きく凹んでいました。

これを見て、私は顔が真っ青になりました。
(あの男性を轢いてしまったのではないか)

そう確信した私は、すぐに彼のいる自宅に急いで戻りました。
すると、彼の自宅にはすでに警察がいたのです。

「梨沙、なぜここに警察がいるんだ。昨日から帰っていないけど、どこで何をしていんだ!」
彼の言葉にハッと我に帰りました。

(家に帰っていない?帰った瞬間に車に乗り込んだ?)
すると自宅に上がったいた警察の方が

「明朝5時くらいに六本木の交差点で彼が所有している車が、40代男性を轢いてそのまま現場から逃げたという目撃情報が入っています。何か心あたりはありますか?」

もう私は逃げられなかった。
「はい、現場に私が車に乗っていました。つい、頭が真っ白になってしまってそのまま逃走してしまいました。」
私は事の顛末を警察に話した。

「な、なんてことを。。。!」
彼がそのようなことを言うのも無理はない。まず彼の保有している車がこのような状況になっているのだから疑われて当然だった。

「お前は事の重大性を理解しているのか!たった今、その男性は亡くなったんだぞ!!!」
彼は血相を変えて私に怒鳴りつけてきたのです。
その言葉を聞いて私の頭は真っ白になりました。

(え、亡くなった…?)

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