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逮捕された新卒OLの罪(2,513文字)
<前回までのあらすじ>
佳奈の第2回目の公判が始まった。
被告人質問、弁論と進み自分の罪の重さを改めて認識する。
ついに求刑が検察から言い渡され、3年という長い期間に佳奈はショックを受ける。
そして、拘置所でひとり審判のときを待つ。
挿絵は9枚です。
いよいよ、判決を迎えた朝。
夜はほどんど寝ることが出来なかった。。。
朝日が昇ると、いよいよ緊張で落ち着かない。
拘置所の先生から渡される黒のスーツに着替えるが、それでもソワソワする。
独房をひたすら歩くが、自分が今後どうなってしまうのかを考えるだけでも不安や恐怖に苛まれる。
逮捕されてから4ヶ月ほど、留置所と拘置所で拘束された。
この中でわたしは、自分がやったことを深く反省した。
それが、刑務所で償うのか、執行猶予をもらって外でしっかりと償うのか。
どちらでもそれは変わらない。
でも、わたしの中では、執行猶予をもらうことができればと頭の片隅にあったのではないかと思うし、執行猶予をもらえるだろうという安易な考えも持っていた。
判決となると、自分が今後どうなるのか、自分の人生がある意味左右されるのかと考えると、やはり緊張せずにはいられない。
そんなソワソワしているわたしの元に、刑務官の先生が出房を指示する。
スーツとは、アンマッチな水色のサンダルを履いて独房から出ると調べ室まで連れて行かれる。
身体検査などをして、刑務官の先生が手錠と繋がった腰縄を取り出す。
わたしは、反射的に両手を差し出し、拘束される姿勢を作る。
カチカチ…
ギィィィ…
わたしの手首に手錠が嵌められる。
留置所にいたときは毎日のように聞いた乾いた音は、拘置所で公判以外に聞かなくなったのっだが、いまだにこの音はトラウマだし、屈辱的だ。
そしてわたしの腰に腰縄を巻いて、女性刑務官の先生のベルトに括りつけると、わたしの連行準備を整える。
女性刑務官の先生の指示で、前を歩く男性刑務官の後ろを歩く。
足取りは、重たいし、極度の緊張から下を向いて歩くしかなかった。
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