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【エッセイ】逮捕された新卒OLの罪

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わたしは、和泉佳奈。 新卒でOLとして大企業で働いていた。 わたしは早くに就活を終えたので、企業でのインターンシップを行なっていたが、 この経験がきっかけである巨大な事件に巻き込…
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逮捕された新卒OLの罪(3,707文字)

第11章 東京地方裁判所「起床ー!!!」 わたしたち被疑者はいつも担当さんの声で無理やり起こされる。 いつもは5時に起きているわたしにとっては特に辛いことではない。 いつものように布団を畳んで点呼に備える。 そして今日からわたしは1人ではない、隣に055番が座って待っている。 昨日は2人とも地検帰りですぐに就寝だったので、特に会話を交わすことなく寝たため、本格的に今日から同部屋だ。 「今日からよろしくね。」 と055番が軽く挨拶をする。 すぐに担当さんが点呼に来たので

¥350〜
割引あり

逮捕された新卒OLの罪(3,800文字)

第10章 憂鬱の連行夕方近くになると、各留置所ごとに被疑者達が集められる。 わたしはここで夕方でもう少しで帰れると思っていた。 担当さんの指示で別の牢屋へ移動した。 ここで別の被疑者が目配せやサインなどと思われる行動を取るのを見た担当さんが烈火の如く叱りつけられる。 大したことのない被疑者同士の挨拶のつもりではあるが、やはり、なにかあるといけないため 担当さんのの目を光らせていた。 留置所から戻る時は担当さんがかなりピリピリしていることがわかる。 牢屋に各留置者が

¥400〜
割引あり

最終章【転落記】とあるキャリアウーマンの転落記

裁判が始まってから1ヶ月のときが経ちました。 私は、変わらず拘置所にて拘留の身として贖罪の念を持ちながら一日を過ごしていました。 合計4回の公判が終了し、残るは判決公判のみとなりました。 弁護士先生からは、実刑は避けられないと言われていたので実刑は覚悟しながら量刑がどうなるのかが気になりました。 しかし、私は人を殺めた身であるのでそのようなことを考えてはいけないということは重々理解していますが、心の中ではそれだけを気にしていました。 そして、ときが過ぎて判決公判の日がやっ

¥300

第6章【転落記】とあるキャリアウーマンの転落記

留置場の中は、簡素な布団と申し訳程度に付けられた壁の奥にトイレがあるような牢屋で過ごしていました。 実況見分も終了し、次は検察庁へ移送されることに対して私はとても憂鬱でした。 朝になると、起床のベルが鳴り私はゆっくりと身体を起こして横座りをしていると、疲労感があり身体が重い感じがしました。 何よりベタついた感じがあって嫌な感じです。 入浴については5日に一回とされており、いつもは当たり前に入っていたお風呂も制限されてしまっている。 私は改めて自分が置かれている立場に悔恨しま

¥200