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6/23(火)
原付の免許証を取ろうと、ナジミドライブセンターに行った。
朝9時頃に視力検査を受け、教室に着くと、既に受験者が何人か集まっている。
友達同士で来てるやんちゃそうな人たちや、参考書に目を落とすガリ勉ぽい人、まばたきの多いおばちゃんとかもいた。
ぼくも席に座って最後の確認をしていると、上下灰色のスウェットを着たずんぐりむっくりの男が2人入って来た。
受験者かな、と思って気にせずにいると、その2人が教室の壁に紅白幕を吊り下げ始めた。
なにがめでたいんだ?
みんな合格するよね、みたいなプレッシャー
かけてきてるのか?
急に緊張してきた。
そのうち試験官が入ってきて、特に紅白幕にも何も言わず、試験が始まった。
スウェット2人組は、教室の端の椅子に座って微動だにしない。
異様な雰囲気だったが、徐々に落ち着きを取り戻し、問題の半分くらいまで書いたところで、机になにか飛んできた。
虫かと思って気にしていなかったら、また飛んできた。
また来る。
さすがに無視できず、それをつかんでみると消しカスだった。
隣の席か前の席かと思ったが違うらしい。
カンニングだと疑われないようゆっくり首を回すと、さっきのスウェット男たちがでこぴんであらゆる方向に消しカスを飛ばしていた。
驚いてびくっとして見つめていると、スウェットの片方とはっきり目が合った。
すると、そのスウェット男がゆっくりとでこぴんを構えて、ぼくを狙ってピッ、と飛ばしてきた。
あっ、と目の前に白がいっぱいに広がったと思ったら、体がイスごと後ろに倒れて、視界が真っ暗になった。
目が覚めると、ぼくはメリーゴーランドの馬の上で棒に掴まっていた。
何の曲かわからないがオルゴールのBGMが流れている。
回る視界に、一瞬人が映るのがわかった。
注意して見てみると。警備員のようなおじさんが旗を持っている。
旗に注意してもう一度見てみると、赤文字で「不合格」と書かれていた。
「そりゃそうだろ!」
と叫んだら、スピーカーで園内に響き渡った。