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6/17(水)

最近リニューアルされた液体こけし商店街に行った。
どの店も活気があって、人通りも激しい。

歩いていると、

「ネンテンザイソのガッパーマ! ネンテンザイソのガッパーマだよ!」
という掛け声が耳に入ってきた。

ネンテンザイソのガッパーマ???

どうも頭で翻訳することができず、
立ち止まってお店を見てみると
「天然素材の雨ガッパ」という幟とはっぴを着たおじさんが声を張り上げていた。

雨カッパみたいなもん業界用語みたく言うなよ、
と、がっかりして歩いていると、今度は、

「さあさあ切腹の達人!切腹の達人だよ!」

お江戸?

すでに人がぞろぞろと集まっている。
そこには、腰の刀に手をかけたままぶるぶる震えている小汚い侍と、
その横にせこい商人みたいなやつがいた。
お江戸かな?と思ってたけど、本当にお江戸じゃん。

タイムスリップしたのかなと、きょろきょろしていると、
他にもきょろきょろしている人と目が合って、お互い照れる。

商人が「さぁ、さぁ」と侍を促すが、
侍は汗をびっしりかいて小刻みに震えているばかり。
「おい、いい加減に、早くやれよ!」と商人がおらつく。
緊張が走る。

しばらく膠着状態が続いた後、
侍が「うぅ~~~~~~」と呻くと、へなりと膝から崩れた。
「やっぱ無理っスよ! 俺、切腹なんてやったことないっスよ~~~!」
とおいおい泣き出した。

観客は興ざめすると同時に、
「よく考えたら、切腹って一度きりだから名人とかいないよな」
と気が付き、一杯食わされた恥ずかしさで、次々離れていった。

ぼくも離れようとすると、
侍が「本当は俺、セックスの達人なんスよ~~~!」
と叫んだ。

切腹の達人じゃなくて、セックスの達人だった~!

見ている人みんなズッコケた。
ぼくも合わせてズッコケた。

しかし、みんな中々起き上がらない。
ぼくだけゆっくり起き上がってみると、
ぼく以外のズッコケた人がみんな斬られていた…

本当の名人だった~~~!
とズッコケたかったが、斬られると思って、
立ったまま死んだふりしたらセーフだった。

侍と商人は斬った人達のサイフからお金を抜き出して消えていった。

侍にゃかなわねえや。


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