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Photo by
kosuketsubota
6/25(木)
ずっと使っていた、悲しい時に涙を溜める容器を落っことして割ってしまった。
小学生の時に初めて外で買い物をした思い出の物だったから、悲しくなったが、容器が無い今、ぼくは泣くことはできない。
気を取り直して、チャーハンを作ることにした。
ネギやハムを切って、卵とごはんをフライパンにぶっこんで、調味料も素早く全部入れる。
いい感じに混ざり合わさったら、僕はフライパンから手を離し、両手を広げて、手を叩く。
すると、その音に反応してコンロのごとくが、裏返って死にそうな蜘蛛の足のようにびくびくっと動いて、フライパンをぎくしゃく持ち上げる。
ぼくは次々に手を叩く。
その度にごとくはうごめき、フライパンの中ではお米と具が踊り出す。
ぼくの手がヒリヒリしてきた頃には、パラッパラの本格チャーハンができあがっている。
やっぱり美味しい。
すっかり元気になってきた。
確かに思い出が詰まった物だったけどさ、前を向いて進んでいかなきゃダメだよな!なぁぴょん座衛門!
ぴょん座衛門10匹中10匹が一斉に高く飛び跳ねた。
ぼくの問い掛けに、ぴょん座衛門たちはいつも飛び跳ねてくれる。
ぼくの意見を肯定してくれてると思ってるんだけど、本当はびっくりしてるだけなのかな?