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6/15(月)
中学3年間全く喋ったことなかったのに、
卒業式の日に、
「お前に仲人頼むわ」
と言ってきた背広川くんの結婚報告をインスタで見つけてしまった。
ぼくのどこを見て、何を気に入ってくれたのかわからないが、
言われた日から、
心のどこかで仲人の準備はしていたので、
なんだかぼくだけ浮足立ってたみたいな、
じんわりとした恥ずかしさに襲われる。
元々希薄な関係性だったこともあり、
そんなにおめでたいとも思わないが、
社交辞令で「おめでとう」とメッセージを送ってみる。
2時間後くらいに返信が来た。
「あんがとな」
そっけない。
ぼくのことなんて全く覚えてないのだろうか。
もう背広川くんにフラれた元カノみたいな気持ちになってきた。
意を決して、
「仲人は他の人に頼んだんだね」
と送ると、
「ハヒャーミに頼んだ」
誰?
仲人っていうか何人?
「高校とかの知り合い?」
と送ると、
「派遣のバイトで一回だけ被った時に頼んだ」
と返信がきた。
「なんでそんな人に頼んだの?」
と送ると、
「仲人と俺の関係性が遠ければ遠いほど、反比例して俺たち夫婦の距離は近づいていく気がして」
と返ってきた。
なんかこわくなったので、
「反比例とか中学でやったよな笑 なつい笑」
とだけ送って画面を閉じた。
背広川くんにとってぼくは、
最も遠い関係でもなく、
結婚式に招待されるほど近い関係でもない。
そんなことを突き付けないでほしい。
悲しい気分になる。
ため息をついて、足元を見ると、
足の裏にびっしりてんとう虫がついていた。
あぁもう!