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〔#1〕パルノグラフィティ

ーー板垣先生のエッセイ。

それは私が喉から手が出るほど待ち望んでいた代物。

宝物たち。普段はテレビボードに飾ってます。


代表作『BEASTARS』で数々の主要漫画賞を総ナメにした漫画家の初のコミックエッセイ。

私が手にとったきっかけは紛れもなく『BEASTARS』を拝読し、彼女が生み出す独特の世界観に惹かれたからだ。

『BEASTARS』は一見ただの動物漫画と思いきや、初手から食殺事件が起こったりと意外にもダークな内容が含まれていたり、主人公レゴシの葛藤や成長ぶりがまるで人間を彷彿とさせる。

『パルノグラフィティ』も同様に、板垣先生のありふれた日常を彼女のユーモラスな言葉選びや物事の捉え方を遺憾無く発揮し、笑いに変えている。

ストーリー性のあるパルグラは、ページを捲る手が止まらなくなるのだ。

左の写真はBEASTARS展に行ったときの。


本書を書店で棚から抜き取ったときは、感激して噛み締めるようにしばらくそこに立ち尽くしていた。

パルグラは彼女の生い立ちから現在に至るまでを色々な角度から切り取って一冊にまとめている。

エッセイは自由度が高いジャンルであり、一見、日記と同様であるが、自分にとっては何気ない生活の一部を読者を意識しておもしろおかしく描けるかも鍵となってくる。
(板垣先生はこれをコミックDAYSの対談で「ありのままを調理して出す」とひとことでまとめている。こういった彼女のユーモアな感覚を惜しみなく楽しむことができるのがパルグラの魅力なのだ)

パルグラも他のエッセイと同様に彼女のご家族や幼稚園時代、就活、バイト、お母様との沖縄旅行など、数々の思い出が刻まれているが、
過去の思い出や日常の些細な気付きすら自分言葉に変換されており、タイトルも個性溢れていて、ものの数ページでパルワールドに吸い込まれる。

そして何より、彼女が楽しみながら描いているのが読んでいてひしひしと伝わってくるのだ。

特に痴漢被害に遭った話や、就活で20社以上落ちたという話では、通常であればナイーブになるところだが、悲観的にならずむしろ勇敢とさえ読者に思わせてくれて、いい意味で板垣巴留という存在のイメージが崩れた。

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最後の1ページまで余すことなく彼女の個性が堪能できます。

きっと彼女の作品を読んだことがない方でも彼女に惹かれ、興味を持つ一冊です。

読んでいただきありがとうございます☺︎
私の読書体験が誰かの行動のきっかけになるといいなと思います。

(よかったらつぶやきであとがきも書いているので読んでいただけたら嬉しいです☺︎)

『パルノグラフィティ』
作者:板垣巴留
出版社:講談社
初版発行日:2020.8.6

『BEASTARS』
作者:板垣巴留
出版社:秋田書店
初版発行日:2017.1.6


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